4. 研究施設の整備等

(1)研究施設の整備

 動力炉開発を円滑に進めるため,動力炉・核燃料開発事業団,日本原子力研究所その他関係機関の研究施設の整備が進められているが,主要な研究施設は動力炉・核燃料開発事業団の大洗工学センターおよび東海事業所に集中して設置されており,ここを中心にして研究開発が行なわれている。

イ 大洗工学センター

 動力炉・核燃料開発事業団の大洗工学センターには,動力炉開発に必要な施設が整備されている。高速増殖炉関係研究施設としては,ナトリウム流動伝熱試験装置,ナトリウム材料試験ループ,ナトリウム機器構造試験施設,照射燃料試験施設,熱衝撃試験施設,照射材料試験施設,水流動試験施設等が完成しており,各種の試験研究がおこなわれている。
 さらに燃料集合体検査施設,50MW蒸気発生器試験施設等の施設が建設中である。
 新型転換炉関係については,重水臨界実験装置,大型熱ループ,部品機器試験施設,安全性実験施設等が完成している。

ロ 東海事業所

 東海事業所においては,燃料関係施設の整備が進められている。昭和46年度にはプルトニウム燃料第2開発室が完成し,また燃料材料検査施設の整備を終えた。

(2)プロジェクト管理,国際協力,技術情報の管理等

 動力炉・核燃料開発事業団は,動力炉開発の基本方針に基づきPERT手法等科学的計画管理手法を使用してプロジェクト管理を行なっている。
 国際協力については,ナトリウム冷却型高速増殖炉の分野について,米国原子力委員会,フランス原子力庁,英国原子力公社,西独カールスルーエ原子力研究協会と協力協定を締結し,重水減速沸騰軽水型の分野でカナダ原子力公社と協力するなど積極的な国際協力を展開している。
 技術情報の管理については,動力炉・核燃料開発事業団が,上記協定に基づく海外からの情報をはじめ,国内の業務委託にかかわる情報等,動力炉開発に必要な技術情報の収集および管理を一元的に行なっている。


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