昭和48年版
原 子 力 白 書 昭和48年7月
原子力委員会
はしがき わが国の原子力開発利用は,いまや原子力発電や放射線利用にみられるように,われわれの生活に不可欠な存在となっており,国民生活水準の向上と経済社会の発展に大きく貢献しております。とくに,最近ではアメリカを中心に提起されたエネルギー危機への警告の中で,エネルギーの安定供給源として原子力に対する期待がいままで以上に強くなってきております。
一方,原子力施設をめぐる環境安全問題がしだいに国民の大きな関心を集めるようになっており,原子力発電所建設予定地点での一部地元住民による反対運動などのために原子力発電の計画的遂行に暗影を投げかける事例も生じています。
このような背景のもとに,原子力委員会としては原子力に対する国民の期待に応えて,新たなる決意のもとに環境の保全,安全性の確保に万全を期して原子力開発利用の推進にとり組む所存であります。
このときにあたり,昭和47年度を中心とするかが国の原子力開発利用の動向を顧りみることはきわめて有意義があると考え,ここに第17回原子力年報を公刊する次第であります。
昭和48年7月
原子力委員会委員長 国 務 大 臣 前 田 佳 都 男
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