第15章 原子力関係予算
1. 概要

 わが国の原子力開発利用は,原子力発電の実用化が急速に進展するとともに,新型動力炉,ウラン濃縮,核融合等の研究開発分野および放射線利用の分野においても着実な進展をみせている。一方,最近の原子力開発利用の進展に伴って,原子力施設をめぐる環境の保全と安全性の確保に関する諸問題が緊急の課題となってきた。また,濃縮ウランをめぐる国際情勢に新しい動きがみられ,これに応じた対策が必要となってきた。このような情勢に対処して,昭和47年度においては「原子力開発利用長期計画」の改訂を行なうとともに,国のプロジェクト(動力炉の開発,原子力第1船の開発)の推進をはじめとして,ウラン資源の開発,ウラン濃縮の研究開発等核燃料対策の展開,安全対策の強化,核融合の研究開発の強化,保障措置関連施策の充実,研究開発要員の確保等原子力開発利用を計画的に推進するために必要な予算措置が講じられた。
 昭和47年度原子力関係政府予算の総額は570億円であって,これを46年度と対比すると9億円(19%)増加している。このほか国庫債務負担行為として135億円(46年度248億円)が計上された。
47年末の定員は,科学技術庁原子力局および水戸原子力事務所が147名(46年度145名以下カッコ内は46年度),科学技術庁放射線医学総合研究所411名(407名),日本原子力研究所2,184名(2,179名),動力炉。核燃料開発事業団1,502名(1,334名),日本原子力船開発事業団151名(137名)である。
47年度予算の内訳は,付録IIIに示すとおりである。
(参考のため最近成立した48年度予算も示してある)


目次へ          第15章 第2節へ