第12章 国際協力
§2 国際機関との協力

2 国際原子力機関(IAEA)

 昭和46年度の国際原子力機関の主要な活動は,核兵器不拡散条約に関する保障措置協定交渉,原子力に関する開発途上国援助,原子力の環境に対する影響等であり,わが国は,理事国としてこれらの諸課題について,総会および理事会において積極的に活動し,また,パネル,シンポジューム等に専門家が参加した。さらに,1971年11月,12月には,わが国でIAEA主催の廃棄物処理訓練コースおよび原子力発電地域訓練コースが開催された。
 1971年度の経常予算は,前年の18.3%増の約1,656万ドルであるほか,技術援助の財源となる任意拠出金の目標額が250万ドルから300万ドルに引き上げられた。保障措置関係費は,38.6%の増加があった。
 なお,1971年度におけるIAEA理事会では,各国とのNPT保障措置協定の承認,放射性廃棄物投棄等に関してIAEAが積極的な役割りを果たすべきこと,中華人民共和国政府が中国を代表する唯一の政府であること等について決議が行なわれた。
 IAEAは,原子力平和利用活動の一環として毎年多くの専門家パネル,シンポジューム等の各種会議を開催しており,わが国からも積極的に参加している。46年度には,わが国からは計26の専門家パネル,シンポジューム等の会議に延べ68名が参加した。(付録IV-5)
 そのほか,IAEAが行なう技術援助の一環として,わが国で2つのIAEA訓練コースを開催したほか,わが国から開発途上国に対して技術専門家を派遣するとともに,IAEAフェローシップによる留学生の受入を行なった。


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