§2 核燃料サイクル確立への努力

 原子力委員会は昭和42年6月,核燃料懇談会を設置し,わが国に適した核燃料サイクルの確立を具体化するにさいし,問題となるウラン資源の確保,濃縮ウランの確保,使用済燃料の再処理,プルトニウムの有効利用,核燃料の民有化に伴う措置,保障措置等について審議を重ねた。その結果43年3月同懇談会から原子力委員会に報告が行なわれた。
 原子力委員会は,同懇談会の審議結果にもとづき,43年6月,同懇談会の報告の趣旨をとり入れ,核燃料政策について基本的な方針を明らかにした。以来,今日までわが国の核燃料サイクル確立のための政策は大筋においてこの方針に基づき進められてきている。44年度はこれら核燃料サイクル確立のための具体的施策として,ウラン濃縮研究開発の促進,海外ウラン資源確保,燃料加工事業の認可,再処理工場建設の具体化,プルトニウム燃料の研究開発等が進められ,わが国の核燃料サイクル確立の面で新らたな段階をむかえたとみることができる。


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