§4 東京電力(株)福島原子力発電所

 東電では,福島県双葉郡双葉町および大熊町にまたがる敷地に原子力発電所を建設することとし,1号炉について,41年12月,設置が許可された。
 しかし,その後,同社は1号炉の出力を増加することとし,43年11月,内閣総理大臣に変更申請をしていたが,44年4月,変更が許可され,現在, 建設工事がすすめられている。
 原子炉には,BWRが採用され,変更後の熱出力は138万キロワット(変更前122万キロワット),電気出力は46万キロワット(変更前40万キロワット)である。
 燃料装荷は45年6月,運転開始は同年10月の予定である。総工事費は422億円,発電原価はキロワット時あたり初年度2円97銭と見こまれている。
41年12月,GE社およびGETSCo.社と一括発注方式による建設契約が締結され,42年1月燃料についても,GE社から供給をうけるよう契約が追加されたが,原子炉格納容器および圧力容器については,国産とすることとし,それぞれ(株)日立製作所および石川島播磨重工業(株)に発注された。
 建設工事については,原子炉格納容器は(株)日立製作所で製造されたが,組立作業は,原子炉建屋基礎工事が先行して行なわれたのち,球形,円筒形のセクションが据え付けられた。43年6月,耐圧漏洩試験が実施され,漏洩率は約0.05%/dであった。引きつづき,格納容器まわりの遮へいコンクリート,原子炉建屋のコンクリート打設を終えた。原子炉圧力容器は,石川島播磨重工業で本体の製作を完了し,同社の工場で各種溶接試験が実施されている。
 タービン発電機については,建屋,タービン台,クレーンガーダ受けげたのコンクリート打設が完了した。タービン復水器の冷却用海水取水と荷役港湾施設を兼ねる南北2本の防波堤を含む港湾土木工事は,約70%進ちょくした。物揚場護岸工事も完了して,700トンのジンポールが据え付けられた。
 また,東電では,上記1号炉に引きつづき,2号炉を同一敷地内に建設することとし,42年9月,増設許可を申請していたが,43年3月,その増設が許可された。
 この2号炉としては,1号炉と同様,BWRが採用され,熱出力は238万キロワット,電気出力は78万4,000キロワットである。
 燃料装荷は47年9月,運転開始は48年5月の予定である。
 総工事費は約577億円,発電原価はキロワット時あたり初年度2円62銭と見込まれている。
 43年3月,GE社およびGETSCo.社と分割発注方式による建設契約が締結され,原子炉機器,タービン発電機等の主要機器および技術役務の供給ならびに原子炉再循環系の主要部分の据付工事等が行なわれることとなり,44年1月,1号機の南側で建設工事が開始された。また,原子炉設備およびダービン発電機以外の国産機器の製造据付契約が,44年3月,東京芝浦電気(株)との間に締結され,その設計,製作が開始された。


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