§5 関西電力(株)美浜発電所

 関電では,福井県三方郡美浜町に原子力発電所を建設することとし,1号炉については,41年12月,その設置が許可された。しかし,その後,同社では1号炉の設計を変更することとし,43年11月,内閣総理大臣に変更申請をしていたが,44年4月,許可され,現在,建設工事がすすめられている。
 同発電所の原子炉には,低濃縮ウラン加圧軽水型炉(PWR)が採用され,熱出力は103万キロワット,電気出力は34万キロワットである。
 燃料装荷は45年2月,運転開始は,同年7月の予定である。総工事費は約300億円,発電原価は,キロワット時あたり初年度3円と見こまれている。
42年3月,米国のウエスチングハウス(WH)社および三菱原子力工業(株)と分割発注方式による建設契約が締結されたが,格納容器,タービン発電機,熱交換器等については,国産とすることとしている。
 建設工事については,すでに原子炉格納容器外部遮へい壁,タービン室,特高開閉部主放水口,放水路などが完成している。
 現在,格納容器内部コンクリート,ボイラー補機室,中央制御室および取水口が工事中で,タービン,発電機,原子炉容器などが据え付けられている。
 関電では,上記1号炉に引きつづき,2号炉を同一敷地内に建設することとし,42年11月,内閣総理大臣にその増設許可を申請していたが,43年5月,その増設が許可された。
 この2号炉には,1号炉と同様PWRが採用され熱出力は146万キロワット,電気出力は50万キロワットである。
 燃料装荷は46年8月,運転開始は47年6月の予定である。
 総工事費は約360億円,発電原価はキロワット時あたり初年度2円70銭と見こまれている。
43年5月,三菱原子力工業(株)と一括発注方式による建設契約が締結され,原子炉の主要施設のうち,1号炉で輸入となっていた圧力容器,蒸気発生器,主要配管等も国産される予定である。
 建設状況としては,現在,格納容器の組立タービン室基礎コンクリート工事等がすすめられている。


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