§2 高速増殖炉の開発
2 高速実験炉および原型炉の設計

(1)実験炉の設計
 実験炉の第2次概念設計については,従来原研を中心にしてすすめられていたが,43年6月にこれらの業務は動燃事業団にひきつがれることとなった。動燃事業団では,その成果にもとづき,さらに機器の製作上,実用上の考慮を加え,安全審査や製作発注等に必要な具体的仕様を決定することを目的として,43年11月,第3次概念設計(詳細設計)を東京芝浦電気(株)を幹事会社とする原子力5社に発注し,44年3月終了した。この間,耐震設計については,日本原子力発電(株)に協力を求めたほか,43年10月には,高速実験炉(Rapsodie)の建設運転経験を有するフランス原子力公社(CEA)に設計および安全性の技術コンサルタントを依頼し,第3次概念設計の考え方の中に逐次その結果を繰り入れていった。
 このうち,CEAによる技術上のコンサルタントの結果は,逐次設計に反映されているが,44年3月,最終報告書が到着したので,今後さらに,この結果を考慮して,若干の設計変更の作業が行なわれることになっている。3月現在における高速実験炉の初期運転出力(50MWt)に対する主要仕様は(第2-1表)に示すとおりである。
 なお本実験炉の最終目標出力は100MWtである。

(2)原型炉の設計
 高速原型炉の概念を固めるために,43年9月,動燃事業団から原子力5社に予備設計が発注されていたが,44年2月,5社からそれぞれ提出があり,事業団はこれにもとづき第1次設計仕様書作成のための検討を行なっている。


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