§5 調査団の派遣および留学生の受入れ

 昭和43年度原子力関係機関から諸外国に派遣された調査団は次の通りである。

1 調査団の派遣

(1)高速増殖炉ナトリウム工学施設調査団
 昭和43年3月27日から約1ヵ月間,米国,ドイツ,フランス,英国およびオランダヘ,主として高速増殖炉用ナトリウム工学機器施設および開発状況を調査する目的で,動燃事業団から6名が派遣された。
(2)茨城県議会議員視察団
 再処理工場の建設に関し,現在操業中の再処理工場の周辺環境への影響ならびに安全性についての実情を把握することを目的として,英国,フランス,ドイツ,ベルギーへ,昭和43年4月より約1ヵ月間(3名)および8月より約1ヵ月半(10名)の2回にわたり,茨城県議会により議員団が派遣された。
(3)MHD発電調査団
 欧米におけるMHD発電に関連する施設および機関の視察を通じて,世界におけるMHD発電の現状を調査するため米国,英国,フランス,ドイツ,イタリア,ポーランド,チェコおよびソ連に,昭和43年6月より約2ヵ月間,日本原子力産業会議から10名が派遣された。
(4)欧米原子力事情調査団
 昭和43年9月より約1ヵ月間,米国,英国,フランス,ドイツ,イタリアおよびベルギーの原子力産業事情を調査することにより,(1)原子力発電開発推進における政府の役割,(2)技術導入による在来型炉の国産化の進捗状況とすすめ方,(3)新型動力炉の自主技術開発プロジェクトにおける民間企業の協力体制を目的として,通商産業省の委託により,日本エネルギー経済研究所から8名が派遣された。
(5)仏,英高速炉施設調査団
 昭和43年10月,フランス,イギリスにおける高速実験炉の設計に関する実物の調査,視察および高速炉開発に必要な開発関係設備の実際を調査するため,原子力産業界より7名が派遣された。
(6)原子力多目的利用調査団
 昭和43年10月より約1ヵ月間,米国,英国,フランス,ドイツ,スペイン,メキシコ,ノルウェー,スウェーデンおよびクウエイトにおける原子炉の多角的利用,原子力の新技術利用に関する研究開発の実情を調査するため,日本原子力産業会議から22名が派遣された。
(7)科学報道記者欧米視察団
 昭和43年10月から約1ヵ月半,欧米における原子力開発状況を視察するため,米国,英国,フランス,ドイツ,スイス,オーストリアおよびノルウェーに,日本原子力産業会議と新聞協会から6名が派遣された。
(8)米国原子力施設調査団
 米国における大型高速炉開発調査のため,昭和43年11月,原究等から11名が派遣された。

2 IAEAフェローシップによる留学生の受入れ

 43年度のIAEAによるフェローシップは,269名に適用されたが,このうち,わが国は,韓国から2名,中国,ハンガリー,ユーゴスラヴィア,チェコスロヴァキアおよびイラクから各1名,計7名を受入れ,放射線医学総合研究所,日本原子力研究所,予防衛生研究所,東京大学,理化学研究所においてそれぞれ配置した。


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