§2 環境放射能調査および対策研究

 環境放射能調査は,42年度においても,ひきつづき科学技術庁放射線医学総合研究所(放医研)をはじめ,国立試験研究機関,都道府県衛生研究所,民間研究所等において,一般環境(大気,雨水,陸水,土壤,海水,海底土等),食品(日常食,標準食,牛乳,野菜,魚貝藻類)および人体関係(全身,人骨,臓器,尿等)について,(第10-1表)のとおり測定および分析が行なわれた。
 これらの調査結果は,放射能対策本部から定例的に「環境および食品等の放射能汚染について」として発表されている。
42年度における放射性降下物の降下量は,中共が核爆発実験を実施した6月(第6回)にはほとんど平常値と変らなかったが,12月(第7回)の実験では,わずかながら認められた。しかし,これも4日後には平常に復した。また,フランスも6月から7月にかけて南太平洋ムルロア環礁において第3回の核爆発実験を実施したが,わが国への影響はなかった。
 このような状況のもとで,ストロンチウム-90の月間降下量は,41年度にひきつづきラ減少傾向を示し,牛乳および日常食中のストロンチウム-90は40年度まで横ばい状態をつづけていたが,41年度以降は減少傾向を示している。
 放射能対策研究は,放医研をはじめ国立試験研究機関等において,環境,食品,人体における放射性核種の挙動あるいは各種食品の汚染対策等について行なわれ,そのほか放射能調査対策研究委託費による研究が民間研究機関において行なわれた。


目次へ          第3章へ