第2章 原子力開発利用長期計画の改訂

§1 長期計画改訂の経緯

 原子力委員会は,昭和36年2月に「原子力開発利用長期計画」を策定し,これにもとづき,開発段階における原子力発電の推進,これにともなう再処理工場の建設計画の具体化,原子力第1船建造計画の具体化,動力炉開発に必要な諸施策の整備,放射線利用の促進等,各分野における開発利用の促進をはかってきた。その結果,わが国における原子力開発利用には著るしい進展がみられたが,他方,世界的に原子力開発利用に関する諸情勢も大きく変化した。
 このような情勢の進展に対処して,原子力委員会は,最近における原子力の急速な発展,わが国に適した核燃料政策の確立,新しい動力炉の開発,あるいは原子力船の開発等,原子力開発利用に関する重要課題を早急に解決し,その計画的かつ効率的推進をはかるため,長期計画を改訂し,長期的な原子力開発利用の方向と方策を明らかにすることとした。
 このため,41年6月,原子力委員会は,長期計画改訂の作業に関し,その方針,作業の対象,作業の方法等を明らかにした「原子力開発利用長期計画改訂の作業要領について」を決定した。
 この決定にもとづき,原子力局では,長期計画改訂の基本方針のとりまとめに関し,計画改訂上問題となる事項について調査し,基礎的資料の作成を行なうとともに,関係各方面に対し計画改訂に関する要望事項を調査するなど,その作業をすすめた。


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