§1 国際原子力機関の活動

5.シンポジウム,フェローシップおよび委託研究

 1964年中,IAEA主催によるシンポジウムが6回,パネル,ワーキング・グループの会議が6回開催された。わが国は,このうち10回の会議に延べ17名の代表を派遣したほか,それぞれの会議に論文を提出した。39年12月,インドのトロンベイで開催された第3回研究炉利用会議において,アジア地域における研究炉の利用,アイソトープ製造等の技術的な問題のほか,養成訓練,各国間の協力関係等広範囲の問題が検討された。わが国からは,原研の研究員3名がこれに参加し,各国との協力関係の樹立に多大の成果をあげた。
 IAEAによるフェローシップは,39年度分として56箇国合計338名に与えられた。これは,38年度に比して23名の増加となっている。このうちわが国は,13名推せんしたところ10名認められた。しかし,本人の都合により辞退した者があり,結局わが国がうけたフェローシップは8名となった。
 IAEAの研究契約は,33年から始められ,38年末までに合計219件,金額にして約298万ドルが交付された。39年には,さらに56件約77万ドルが交付の対象となった。わが国は,39年度に4件約6万ドルの交付をうけた。わが国がこれまで委託費の交付をうけた研究は,放射線防護,放射線生物学,廃棄物処理,ラジオアイソトープ利用等に関連したものが大部分である。


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