第9章 科学技術者の養成および原子力知識普及活動
§3 国内における養成

2.放射線医学総合研究所

 放射線医学総合研究所では,放射線防護課程と放射線利用医学短期課程の訓練を行なっている。
 放射線防護課程は,定員30名で,期間は8週間である。第6回は37年5月,第7回は38年1月から行なった。35年1月第1回実施以来,合計7回行ない,210名の受講者が参加した。第1回から第7回までの研修生の内訳は(第9-5表)に示すとおりである。
 この訓練は,回を重ねるごとに教課内容が充実され,また,研修効果をあげるために研修生を専門別に大別し,それぞれに保健物理の問題をとりあげて,セミナーもなっている。

 放射線利用医学短期課程は,37年9月と11月に実施し,37年2月第1回実施と合せて3回行ない,48名の受講者が参加した。第1回から第3回までの研修生内訳は,(第9-6表)に示すとおりである。この課程は,放射線および放射性同位元素を臨床に応用している医師および歯科医師に対して必要な基礎理論を習得させるとともに,防護に必要な事項について訓練する目的で実施され,募集人員は16名である。この課程は,とくに実習時間を多くし,基礎的な内容を広範に習得しえるよう配慮し,放射線測定法の実習を重点的に行なっている。

第9-6表 放射線利用医学短期課程受講者の

 なお,第2回には,国際原子力機関から講師を迎え,現代的医学教育法によって,講義と実習指導が行なわれた。
 また,放射線医学総合研究所では,38年度内に建設予定の養成訓練棟の完成をまって,課程の増設とともに,その実習実験の施設の充実をはかるべく準備をしている。


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