第3章 原子炉
§5 臨界実験装置

5−2 水均質臨界実験装置

 原子力研究所では,水均質炉開発のための二領域型水均質臨界実験装置が34年度末に完成し,35年度に臨界予備実験が行なわれた。36年度には,6月に重水反射材による第1回の臨界実験がなされ,臨界性に関する研究共鳴吸収に関する研究,熱中性子スペクトルに関する研究,中性子寿命その他諸定数に関する研究が行なわれた。
 従来,研究は二領域型を中心にすすめられてきたが,この炉型には,技術的に問題点があることが明らかとなったために,36年度から沸騰自然循環型の研究に努力がそそがれることとなり,同年5月,原子炉物理第2研究室および原子炉物理第1研究室を中心とする7つの研究室からなる均質炉グープが発足した。
 37年度には,本臨界実験装置で実験を継続し,36年度実験よりさらに広い範囲のデータをとった後に,ブランケット部分の改造を行ない,酸化トリウムスラリーを投入して臨界実験を行なって沸騰自然循環型の研究をすすめることとなっている。


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