第10章 科学技術者の養成
§3 国内における養成

3−1 日本原子力研究所

 原子の研究所では,原子炉研修所とラジオアイソトープ研修所において養成訓練が行なわれており,さらにJRR-1を利用した原子炉の短期運転訓練も行なわれている,原子炉研修所については,34年度に高級課程が開設され,ついで35年度に一般課程が開設された。36年度には,第3回および第4回の一般課程が4月と10月に行なわれ,それぞれ20人と28人が6ヵ月間の研修を終えた。
 37年5月現在,第5回が開講されており20人が研修を受けている。
 高級課程は,4月に第3回が開講され,7人が研修を受けた,高級課程は,一般課程発足後は応募者が定員にみたないので,36年度からは,年間定員16人の枠内で,4月〜3月の春組と10月〜9月の秋組とを募集することとなった。これにより10月に第4回の募集が行なわれ,1人が入所した。第10-2表に第4回までの原子炉研修所研修生の内訳を示すが,一般課程は,民間企業からの研修生が圧倒的に多く,高級課程は,国立試験研究機関と大学および民間企業との合計がそれぞれ半々である。

 ラジオアイソトープ研修所については,基礎課程が33年1月に,高級課程が36年1月に開設された。基礎課程は,開設以来37年3月までに30回開催され,東南アジア諸国等からの外国人87人を含む945人が研修を受けた。36年度には,24回から30回までが行なわれ,217人が研修を終了した。
 そのうちの第30回は,国際原子力機関のフェローシップによる原子力留学生コースで,台湾4人,韓国3人,インド2人,インドネシア2人,パキスタン2人,タイ1人,メキシコ1人に日本人11人を加えた合計26人を対象にして行なわれた。
 高級課程は,主として基礎課程を終了した程度の人を対象として行なわれるもので,36年度には第4回まで開かれ37人(うち外国人1人)が受講した。第10-3表に,36年度までの基礎課程と高級課程の修了生に関する統計表を掲げる,所属別分類では,燃料公社,特殊法人を含む官公庁からの研修生が多く,地方別では,東京都を筆頭に,その周辺都市,大都市からの人が多く,外国人の国別は,東南アジア諸国を中心にして計18ヵ国に及んでおり,なかでも,台湾,タイ,インド,パキスタンが6割を占めている。
 JRR-1を利用したJRR-1短期運転実習訓練は,33年9月開設以来37年3月までに通算15回開かれ,延206人が講習を受けた。36年には,3月下旬から4月上旬にかけ13回目が実施されたが,これをもって従来の再教育的運転訓練方式は廃止され,同年9月および12月には,対象を大学院学生,学部学生に限った新しい短期運転訓練講習会が実施された。


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