第10章 放射線障害防止および廃棄物処理
§3 廃棄物処理

3−1 廃棄物処理の概況

 わが国の放射性廃棄物は,放射性同位元素の使用によるものが主で,昭和34年度に各機関からの廃棄物は第10-1表の通りであった。

 国内においては上述の廃棄物の処理として一般に次のような方法が多く取られている。
(1) 固体廃棄物は一般に可燃性と不燃性に分類貯蔵された後,廃棄物の一括処理事業を行なう日本放射性同位元素協会に送られる。
(2) 液体廃棄物は,中低レベルのものは蒸発,イオン交換,沈澱等の処理を行ない,その後で許容レベル以下で放流する。高レベルのものは日本放射性同位元素協会に送られる。
(3) ガス体廃棄物はろ過等の処理をして煙突から放出される。
 このほか事故等の場合一度に多量の液体廃棄物が出る場合にも備えて,貯水槽を設け,これに貯蔵し直ちに廃棄しないようにしている。なお日本放射性同位元素協会が廃棄物処理事業を始める以前は上述の同協会に送るような廃棄物について永久保管の措置をとっていた者が多かったが,一部では許可を得て許容濃度以下で放流するか土中埋設を行なっていた。


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