第10章 放射線障害防止および廃棄物処理
§3 廃棄物処理

3−2 廃棄物一括処理事業

 国内における放射性同位元素の使用量が逐次増加するに2れて廃棄物の量が増加するようになり,事業者ごとにその廃棄物について法規に適った完全処理を行なうことは技術的にも経済的にも次第に困難となり,廃棄物の一括処理事業の設立が望まれるようになった,政府としてもこの必要性を認め,この業者に対しては処理施設の整備に補助金を交付することとなり,補助金の交付者を昭和34年5月に公募し,その結果政府は日本放射性同位元素協会に補助金(1,400万円)を交付することに決定した。
 日本放射性同位元素協会の廃棄物処理の業務内容としては,現在は廃棄物の容器を各事業者に貸与し,これを定期的に回収し,そのまま廃棄物保管場所に保管することとしているが,将来は処理施設を設けて廃棄までの処理を行なうこととなろう。
 34年度の業務範囲は,関東関西各1ケ所の事業場を中心として関東地区では東京都,千葉県,神奈川県の一部,関西地区では大阪府,京都府,奈良県,兵庫県,滋賀県の一部であるが,35年度から可能な範囲で地域を拡大して行く予定である。
 日本放射性同位元素協会は35年10月から業務を開始した。34年度内に上記都府県で貸与した容器の数は第10-2表の通りである。


目次へ          第10章 第3節(3)へ