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令和2年度版原子力白書の公表に当たって

原子力委員会委員長 上坂 充

 我が国における原子力の研究、開発及び利用は、原子力基本法にのっとり、これを平和の目的に限り、安全の確保を旨とし、民主的な運営の下に自主的に行い、成果を公開し、進んで国際協力に資するという方針の下、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もって人類社会の福祉と国民生活の水準向上に寄与するべく行われています。

 原子力白書は原子力行政のアーカイブであるとともに、「原子力利用に関する基本的考え方」(平成29年7月策定)や、原子力委員会による「決定」や「見解」の内容をフォローする役割も担っており、毎年作成することとしています。今回の白書は、おおむね令和2年度の事柄を取りまとめ、広く国民の皆様にご紹介するものです。また、白書全体にわたって、コラムとしてトピックスや注目点を記載しております。

 今回は特集として、平成23年の東京電力福島第一原子力発電所の事故から10年の間に行われてきた取組や、福島の復興・再生の状況等を紹介しました。福島の着実な復興と再生、様々な改善に真摯に取り組むことは、我が国の原子力利用にとって必須であるとともに、世界に誇ることのできる活力ある日本を再生していくために不可欠な要素です。これまでの取組状況を踏まえ、原子力委員会として、原子力利用に携わる全ての者が忘れてはならないこと、協働して取り組まなければならないことをまとめました。

 国際的にも地球温暖化への対応を成長の機会と捉える時代に突入する中、原子力は、安全性の確保を大前提に、大量かつ安定的にカーボンフリーの電力を供給できるエネルギー源として、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献することが期待できます。また、放射線や放射性同位元素の利用は、医療、工業、農業をはじめとした幅広い分野において、社会を支える重要な技術インフラとなっています。

 原子力白書が、原子力政策の透明性向上に役立つことを期待するとともに、原子力利用に対する国民の理解を深める際の一助となれば幸いです。




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