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原子力委員会メールマガジン 2008年3月21日号
☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2008.3.21━━
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┣ トピックス 松田委員のひとこと
┣ 定例会議情報 原子力のビジョンを考える懇談会の報告について など
┣ 部会情報 政策評価部会 ご意見を聴く会 参加者とご意見募集中
┃ など
┣ 読者コーナー
┣ 事務局だより
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━・・・━━ トピックス 松田委員のひとこと ━━・・・━━・・・━━
ことしのお正月は、イタリアのナポリにいました。お正月休みを使って暖かな
南イタリアへ夫とエコノミークラスの旅に出かけたのです。このコースを選ん
だのは、ローマ時代の石造りの宮殿に魅かれたからです。
旅の始まりは、シチリア島のパレルモから。アグリジェント、シラクーサ、タ
オルミーナと、ローマ帝国が誕生する前、紀元前8世紀から紀元前6世紀に栄
えた数々の遺跡めぐりが毎日続きます。これらの遺跡は、土地の人々にとって
特別のものではなく、今の暮らしが2800年前の暮らしの延長線上にあるこ
とを感じます。シチリアのメッシーナからイタリア本土に渡り、マテーラとい
う遺跡の街に着きました。その街の展望台から目前に拡がる大きな峡谷と、そ
の傾斜地にある、数えきれない程の洞穴住宅。言葉もでないほどの圧巻です。
そこにあるのは、2万年前の人々が住んでいた住宅群です。
石灰岩という地層は、穴を掘りやすく、2万年前の人々は、一番手軽な方法と
して、石灰岩の傾斜地に穴を掘って住居にしたのです。戦いがあり、時代は移
り、国の支配者が代わっても、人々はしっかりとこの地に、今も住み続けてい
ます。
このような旅をしていても、私の頭の中は、原子力発電から出る使用済燃料を
リサイクルしたあとの「電気のごみ」、つまり原子力廃棄物のことで一杯です。
私たちは、「電気のごみ」を「ご苦労さま」「お世話になりました」と、地球
の地層深くに埋め戻す作業をしなければなりません。「電気のごみ」、これは
親しみを込めた愛称です。この「電気のごみ」が再び地球の鉱石に戻るのには
2万年かかると言われています。2万年という時の長さは、これまで想像もつ
かない長さだと思っていました。しかし、マテーラのサッシでは、2万年前の
人々の暮らしが、ユネスコの世界遺産として大切に守られ、親しまれていまし
た。
原子力委員会では、今、政策評価部会でこの分野の政策について評価している
ところです。3月31日(月)には仙台で市民の皆様のご意見を聴く会を開き
ます。どなたでも参加できますので、お近くの皆さんはぜひおいでください。
あわせてお知らせです。資源エネルギー庁のトップページの一番下にも、「と
もに語ろう電気のごみ-もう無関心ではいられない-」というピンクのバナー
(http://www.enecho.meti.go.jp/)が出来ました。放射性廃棄物の市民活動
のホームページです。NPOに協力していただいて開催している市民の皆様と
「電気のごみ」について意見交換する放射性廃棄物フォーラムの紹介もありま
す。ぜひ開いて見て下さい。すてきなごみ仲間の輪を広げましょう。
松田美夜子
●次号は広瀬委員からひとことの予定です!
━・・・━━ トピックス 原子力白書を公表しました ━━・・・━━・・━
本日3月21日に平成十九年版原子力白書を公表しました!
今回の白書では、「国際社会に貢献する原子力研究開発利用を目指して」をテ
ーマに、国際社会の原子力に対する期待の高まりや国内の主なできごとなど、
原子力を巡る昨年1年間の情勢を概観したうえで、国際社会の模範となる原子
力利用を実現するために、我が国が取り組むべき課題について記述しています。
担当としてもここ数ヶ月のあいだ、原子力に関する話題の幅広さや動きの早さ
を感じながら、苦悩してとりまとめました。みなさん、ぜひご一読ください!
(担当:渡邉)
━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━
●3月11日(火)第13回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・電気事業者等により公表されたプルトニウム利用計画について
・浜岡原子力発電所4号機プルサーマルに関する輸入燃料体検査申請および
海外で保有しているプルトニウムの利用計画について
<ことばの解説>我が国では、国内規制やIAEAの検認などによって、プ
ルトニウムが平和目的以外に転用されていないことは常に確認されています
が、これらの措置に加えて、透明性をより一層向上させるために、原子力委
員会は、電気事業者等に対して、毎年自主的に「プルトニウム利用計画」を
公表することを期待し、その利用目的の妥当性について確認しています。こ
の会議では、年度末にあたり、最近公表された計画が事業者から説明されま
した。
・新検査制度に関する地元説明状況と今後の対応
<主なやりとり>原子力安全・保安院からの説明に対し、安全性を向上させ
つつ原子力利用を着実に進めることの重要性をつねに念頭において、これを
達成するための取組について、地元との相互理解活動をていねいに行なって
いることは適切であるなどのコメントがありました。
・原子力委員長による地方自治体首長との意見交換の実施について
<主なやりとり>原子力の取組について意見交換を行うために、原子力委員
長が今後1年程度で、原子力関係施設が立地しない地域の知事を優先的に訪
問する旨、事務局から報告がありました。地球温暖化対策への取組について
も意見交換するのが適切とのコメントがありました。
・広瀬委員の海外出張について
<主なやりとり>事務局から、3月15日~24日にかけて、広瀬委員がロ
シア連邦及びカザフスタン共和国を訪問する予定が報告されました。
●3月12日(水)第14回臨時会議の概要は以下のとおりでした。
・原子力の革新的技術開発ロードマップ中間取りまとめ(案)について
<主なやりとり>原子力エネルギーは、温室効果ガスを排出しないエネルギ
ー供給技術の中では、安定供給性や実現性という観点で抜き出ているので、
その長所をより活かすための研究開発を続ける必要がある、また、原子力利
用について地球温暖化対策という観点も含めて国民との相互理解を進めてい
くことが重要などのコメントがありました。
●3月13日(木)第15回臨時会議の概要は以下のとおりでした。
・地球環境保全・エネルギー安定供給のための原子力のビジョンを考える懇
談会の報告について
<主なやりとり、委員会決定>山本良一座長(東京大学生産技術研究所 教
授)から、懇談会報告の内容とともに、世界中で進んでいる地球温暖化に関
する議論の最新の状況について、熱のこもったご説明をいただきました。原
子力委員会は、報告の別紙「地球温暖化対策としての原子力エネルギーの利
用拡大のための取組について」の内容を妥当と判断し、関係府省においては
これに沿って取組を行うべきであると決定しました。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/kettei/kettei080313.pdf
・産学人材育成パートナーシップ原子力分科会中間まとめの報告について
<主なやりとり>経済産業省からの報告に対し、今後も産・学・官の関係者
が広く集い共通理解を深める場としての「原子力人材育成関係者協議会」を
中心に、人材に関する現状分析を進め、具体的な対応につなげるべきである
などのコメントがありました。女性の活用や外国人教育の重要性についても
意見が出ました。
・原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブについて
<主なやりとり>多様な原子力利用を通じて社会に貢献する方法を、分野を
特定して探索する新たな基礎・基盤研究推進プログラムが、来年度から新た
にスタートすることは適切であり、初年度にたくさんの応募があるように、
その趣旨を、広く、きちんと説明するべきなどのコメントがありました。
●3月18日(火)第16回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・原子力の革新的技術開発のロードマップについて
<主なやりとり>ロードマップの中間取りまとめ(案)が概ね了承されまし
た。今後、この成果を、総合科学技術会議が検討している「環境エネルギー
技術革新計画」の議論にしっかりと反映させるべきとの意見がありました。
・平成19年版原子力白書について(非公開)
<注意>閣議に配布する白書類は、閣議終了後に公表することとされている
ため、当議題については非公開で審議し、事務局草案を平成19年版原子力
白書とすることが決定されました。
●次回は3月25日(火)に開催します。議題は以下の予定です。
・電源開発株式会社大間原子力発電所の原子炉の設置について(一部補正)
・独立行政法人日本原子力研究開発機構が達成すべき業務運営に関する目標
(中期目標)の変更について
・電気事業者等により公表されたプルトニウム利用計画における利用目的の
妥当性について
・アジア原子力協力フォーラム(FNCA)第9回コーディネーター会合開
催結果について
●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。
定例会議は毎週火曜午前、霞ヶ関の合同庁舎4号館で開催しています。
どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料はすべてホームページでご覧
いただけます。
━・・・━━ 部会情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━
●原子力委員会には、下部組織として部会や懇談会等が設けてあり、これらの
会合でも調査審議を行っています。これらの部会や懇談会等は原則として公
開しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料はすべてホーム
ページでご覧いただけます。
●3月11日(火)の地球環境保全・エネルギー安定供給のための原子力のビ
ジョンを考える懇談会(第7回)の概要は以下のとおりでした。
・国民の皆様からいただいた御意見への対応に関する事務局案が承認されま
した。
・「地球温暖化対策としての原子力エネルギーの利用拡大のための取組につ
いて」を含む懇談会報告書(案)について、今回の検討結果を反映して完
成版とすることが座長に一任され、懇談会が終了ました。
<主なやりとり>報告書(案)の議論では、原子力安全等の確保のための国
際的取組に関する記述の充実等、主に意見募集時の案からの変更について主
旨確認が行われました。また、山本座長から、懇談会で作成した電源特性比
較表は各種コミュニケーションの充実に極めて有効と考えるので、ぜひ活用
していただきたいとのお話がありました。
●3月12日(水)の市民参加懇談会(第31回)の概要は以下のとおりでし
た。
・市民参加懇談会in富山の開催結果について
・次回の地域市民参加懇談会の開催について
<主なやりとり>1月に開催した富山での懇談会では、会場にいらした方々
からのご意見発表の時間配分についてもう少し工夫すべき、などの反省があ
りました。次回は、地球温暖化対策としての原子力といったテーマで、京都
近郊で懇談会を開催する案が話し合われました。
●3月19日(水)の政策評価部会(第22回)の概要は以下のとおりでした。
・JAEAからのヒアリング
・質問等に対する回答
・ヒアリングを踏まえた議論
<主なやりとり>放射性廃棄物の処理・処分に関する取組の基本的考え方の
評価について議論しました。部会委員からは、広聴・広報に係るPDCA活
動の実践、研究開発のための連携・協力の在り方、国際社会との協調など、
非常に多岐にわたる論点が挙げられました。
●「原子力委員会政策評価部会 ご意見を聴く会」を宮城県で開催します。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/seisaku/yotei/kikukai080331/
日時 3月31日(月)13:30~17:00
場所 仙台国際センター(宮城県仙台市青葉区青葉山無番地)
テーマ 放射性廃棄物の処理・処分に係る施策の評価について
プログラム
(1)開催趣旨説明
(2)第1部:御意見発表者との意見交換等
(3)第2部:会場に参加された方々から御意見を頂く
<解説>政策評価の作業の一環として、国民の皆様のご意見を聞かせていた
だくための会合です。参加いただける方や、当日参加されない方からのご意
見を募集中です。奮ってご応募ください!(応募締め切りは3月24日)
━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━
●皆さまからのお便りをお待ちしています!
このメールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
melmaga-iken@aec.go.jp まで、ぜひお寄せください。なお、お寄せいただ
いたご意見・ご感想などは、個人情報を除きこのメールマガジンに掲載させ
ていただくことがあります。また質問につきましては、そのすべてには回答
できない場合がありますので、ご了承をお願いいたします。
+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「FNCAがMieru-ka?」
3月10日から11日にかけ、アジア原子力協力フォーラム(FNCA)の会合が開
催され、日本を含むアジア10カ国の代表者が東京に一堂に会しました。読者
の皆様はFNCAをご存知でしょうか。本会合の担当者として、この機会に少しだ
け宣伝をさせて頂きます。
FNCAは、各国が原子力技術の平和的で安全な利用を進め、社会・経済的発展を
促進することを目指す取組みに関して相互協力することを目的とする日本主催
の地域パートナーシップ活動です。1999年から医療、農業利用から研究炉利用
など幅広い分野での原子力の平和利用技術に関する協力活動を進めています。
また、年一回、各国の閣僚級が参加する大臣級会合や原子力発電について議論
を行うパネル会合などを行っています。
ところで、同会合における近藤委員長の開会挨拶の中で‘Mieru-ka’という言
葉で会議に対する期待が述べられました。日本語でそのまま「見える化」のこ
とで、ものの本によると“現場における課題を目に見える形にすることにより
課題を共有し、衆知を集めて解決に取組むことを目的とするものであり、その
本質は「見る」ことよりも「見える」「見せる」ことに重点を置く”ものとの
こと。
一つのテーマになる程のものでもあり、物事を「Mieru」ようにすることは事
の外難しいことだと感じます。人間は主観的で相対的な生き物であり同じ物で
も見え方が異なりますし、「見せる」気持ちだけでなく「見る」気持ちが一緒
になって、初めて物事が「Mieru」のだと思います。日本では「見る」の一言
も、英語圏では「look」「see」「watch」と使い分けており、「見る」と言う
行為には「花見」もあり、日本文化の独自性も潜んでいる気がします(ちなみ
に「見える化」は英語では「Visualization」です)。
さて、FNCAの活動は皆様に見えていたでしょうか。正直、私自身、ここ原子力
政策担当室に来るまでは全く知りませんでした・・・。FNCAの活動に限らず、
何を・誰に・何処で・何時・どの様に「見せる」・「見える」ものとするかを
常に考えて行きたいと思います。また、原子力委員会の取組みは国民一人一人
の認識につながるよう工夫すべきであるとも思います。皆様も「見る」気持ち
を持って、原子力委員会の活動やアジア諸国への取組みに目を向けて頂ければ
と思います。その手始めとして、お時間のある時にホームページを覗いてみて
下さい。皆様のご意見を頂き、課題を共有し、より良い活動にしていきたいと
思います。(http://www.fnca.mext.go.jp/)(島田一人)
●次号配信は4月4日(金)午後の予定です。
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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ
mailto: melmaga-iken@aec.go.jp
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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