━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━試行版 №2━━━━━━
原子力委員会メールマガジン 2008年2月8日号
☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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お待たせいたしました、原子力委員会メールマガジンの試行版第2弾を配信
させていただきます。試行は本号で終了とし、今月下旬からは本格配信スタ
ートを目指して、担当も確認作業に余念がありません。今回もお目通しのほ
ど、よろしくお願いいたします。
┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2008.2.8━━━
┃
┣ トピックス 田中委員長代理のひとこと
┣ 定例会議情報 放射線利用の現状と動向について など
┣ 部会情報 放射性廃棄物の処理・処分について政策評価
┃ 核融合部会でヒアリングの予定
┣ 読者コーナー 試行第1号に頂いた感想です
┣ 事務局だより
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━・・・━━ トピックス ━━・・・━━・・・━━・・・━
本号では田中原子力委員長代理からの寄稿をご紹介いたします。
「Another Nuclear Energy Resource」 田中俊一
Cs-137(セシウム137)が11kg、Sr-90(ストロンチウム90)が5kg、100万kW
の原子力発電所が一年間に生成する量である。日本には約50GWの発電所があ
るので、その量は50倍になる。Cs-137やSr-90 は強い発熱核種のため高レベ
ル放射性廃棄物としては大変厄介な核種である。計算によれば、これらの核
種を高レベル廃棄物から取り除くことができれば、高レベル廃棄物処分場は
4~5倍も有効に利用できると評価されている。高レベル廃棄物の処分場探し
の難しさを考慮すれば、処分場を効率的に活用できる利益は計り知れない。
問題は、分離したCs-137とSr90の扱いである。廃棄物として処分するのでは
分離した意味がないが30年の半減期で放射線を出し続ける放射線源として有
効に活用すれば資源である。
放射線は量子化された、すなわち、量子効果を有するエネルギーである。最
近、量子化された放射線による放射線励起触媒反応によって、発ガン性の六
価クロムを安全な三価クロムに還元することや、水を効率よく分解して水素
を作り出すことが実験的に証明されている。酸化チタンを使った光触媒反応
を利用した技術が社会で広く実用化されていることは有名であるが、放射線
のエネルギーは光から比べると桁違いに高いので、酸化チタンのような稀有
物質でなく、どこにでもある酸化ケイ素、アルミナなどでも充分な触媒作用
を励起することができるのである。
光触媒は現代を代表する環境技術の一つである。紫外線と比べると桁違いに
大きいエネルギーの量子を放出するCs-137やSr-90を利用した環境技術の可
能性は大きいはずである。酸化ケイ素の粉末と水と希硫酸を混合して、Cs-1
37やSr-90の放射線に曝しておくとプクプクと水素がでてくる。環境の様々
な有害物質を分解し、無害化する。この過程での廃棄物はでない。そのまま
処分すれば高価なゴミであるCs-137やSr-90の放射線は使い放題、触媒の酸
化ケイ素やアルミナはほとんど無料である。
高レベル放射性廃棄物の負担を軽減し、来るべき水素社会構築に寄与できる
Another Nuclear Energy Resourceとして、Cs-137やSr-90などの核分裂生成
物の活用をもっと真剣に追及してみたいものである。社会の厄介ものが未来
社会では大切な資源として扱われることを想像するだけでも楽しい。
イノベーションの源は基礎研究である。過去の常識に囚われず発想を柔らか
にすることが大事である。量子化された放射線の魅力は尽きない。その成果
は原子力科学の新たな可能性を拓き、原子力エネルギー利用にパラダイムシ
フトをもたらすかもしれない。原子力委員会のメルマガが柔らかな情報発信
の場になることを願っています。
━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━
●2月5日(火)の第5回定例会議の議題は以下の通りでした。
・放射線利用の現状と動向
広範にわたる放射線利用活動の一つとして、①RIビームファクトリー
及び、②放射線医療の現状について関係者からお話をうかがい、
「放射線アレルギー」の克服等について議論がありました。
・研究施設等廃棄物の処分に係る取組について
前週発表のあった文部科学省の報告に関し、原子力委員会の
見解を発表しました。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/kettei/seimei/080205.pdf
●前々回、1月29日(火)の第4回定例会議の議題は以下の通りでした。
・意識調査から読む2007年の原子力発電関連事件・事象の影響
(財)エネルギー総合工学研究所の方から、首都圏で実施した
アンケートを基にした、首都圏住民の原子力発電に対する認識の
変化について分析結果を伺い、議論がありました。
・研究施設等廃棄物の処分に向けた法整備について
文部科学省より報告を受け、研究開発のみならず、病院での診断等、
国民生活とも関係の深い活動からも発生する研究施設等廃棄物の
処分の道が開かれることは意義がある、といった議論がありました。
●次回は2月12日(火)に開催します。議題は以下の予定です。
・独立行政法人日本原子力研究開発機構高速増殖炉研究開発センターの原子
炉の設置変更(高速増殖炉型もんじゅ原子炉施設の変更)について(答申)
・独立行政法人日本原子力研究開発機構東海研究開発センター原子力科学研
究所の原子炉の設置変更[STACY(定常臨界実験装置)施設及びTR
ACY(過渡臨界実験装置)施設の変更]について(答申)
・平成20年度原子力関係予算ヒアリング(経済産業省、文部科学省)
・「市民参加懇談会in富山」の開催結果について・原子力の革新的技術開発
のロードマップの策定について
●定例会議を傍聴に来られませんか。
定例会議は毎週火曜午前、霞ヶ関の合同庁舎4号館で開催しています。
どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料はすべてホームページでご覧
いただけます。
━・・・━━ 部会情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━
●原子力委員会 政策評価部会(第21回)を開催します。
日時 2月12日(火) 15時30分~17時30分
場所 合同庁舎4号館共用第3特別会議室(東京都千代田区霞ヶ関3-1-1)
議題(1)関係機関等からのヒアリング
(NUMO、電気事業者、JAEAからヒアリング)
●原子力委員会 核融合専門部会(第12回)を開催します。
日時 2月14日(木) 10時~12時
場所 合同庁舎4号館共用第3特別会議室(東京都千代田区霞ヶ関3-1-1)
議題(1)関係行政機関等からのヒアリング
●部会は原則として公開しており、どなたでも傍聴できます。
開催案内や配布資料はすべてホームページでご覧いただけます。
━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━
1月に配信しました試行第1号へは、
「近藤委員長のインタビューが興味深かった」
「原子力委員会の部会の委員による寄稿も読みたい」
「文章が長すぎる、メルマガの情報量が多すぎるのではないか」
等々、たくさんのご意見・ご感想をお寄せいただき、本当にありがとうござい
ました。事務局の不慣れもあり、文章の長さやレイアウトでも読みにくい点が
あることをお詫びいたします。また、原子力に対する熱い思い(?)が過ぎて、
一文が長くなることも少なくなく、改めて反省です。
今後も、より面白くより役立つ記事をお届けしていきたいと思いますので、
皆さまからのお便りを、首を長くしてお待ちしています。
melmaga-iken@aec.go.jp まで、ぜひお寄せください。
なお、アンケートにお寄せいただいた回答やご意見・ご感想などは、個人情
報を除きこのメルマガに掲載させていただくことがあります。また質問につ
きましては、そのすべてには回答できない場合がありますので、ご了承をよ
ろしくお願いします。
+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
事務局の谷川です。メルマガ試行版第2弾はいかがだったでしょうか。原子
力委員会の活動や原子力政策について、より身近に感じていただけるよう内
容を充実させていきたいと思います。
さて、最近、製紙メーカーの古紙配合率の偽装の影響で、古紙パルプ配合率
100%のコピー用紙の利用を義務付けられている官庁やその関係機関がコ
ピー用紙の確保に追われているというニュースをご覧になった方も多いと思
います。内閣府でも、コピー用紙の調達が困難になり、紙の節減が必須の状
況となりました。そこで、両面コピーなどの利用や回覧物の電子化の徹底は
もちろんのこと、少し細かくなりますが、原子力委員会の定例会でこれまで
配布していた「議事録」を、今後は傍聴の方には原則配布しないこととする
などいろいろと苦慮しております。このような事情ですので、原子力委員会
定例会を傍聴いただく方につきましては、「議事録」は、原子力委員会ホー
ムページにて見ていただくか、希望の方のみ会議終了後に紙媒体で配布とい
う運用となりますので、ご理解いただければと思います。
紙の節約ということと関係しまして、原子力委員会の活動を知っていただく
ためのパンフレットを、A3用紙1枚(表裏活用)で作成しております。先
月の21日に原子力委員会主催で開催しました「市民参加懇談会in富山」
で会場に参加いただいた約150名の方にお配りしました。枚数を多く使え
ば内容を詳細にできるのですが、A3用紙1枚ですと、内容を充実させよう
とすると文字が小さくなり読んでいただけなくなる、記載の順番はどうしよ
う、やっぱり原子力委員の写真は表紙にすべきか、といったことで、苦心し
ています。今後も、様々な場でパンフレットを配布する予定ですので、ご覧
になった際には、このような情報も入れた方がよいといったご意見をいただ
けますと幸いです。
次号から、いよいよ本格配信です!
ぜひ、試行版のご意見・ご感想をよろしくお願いします。
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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○アンケートやご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ
mailto: melmaga-iken@aec.go.jp
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
mailto: melmaga-iken@aec.go.jp
(2月下旬以降は、上記手続きが原子力委員会ホームページ上で可能になる予定。)
○原子力委員会ホームページ http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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