1.経緯
原子力施設において核物質防護措置を講ずるための原子炉等規制法改正法(前回通常国会において成立)が、5月26日より施行されることとなっていることから、具体的な核物質防護措置等を定めるため、以下の通商産業省令の改正を行う必要がある。
① 核原料物質又は核燃料物質の製錬の事業に関する規則(総理府令、通商産業省令)
② 実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(通商産業省令)
2.改正の概要
(1)核物質防護措置の義務付け
原子力委員会専門部会報告(昭和55年)に従い、核物質の種類及び量に応じ、以下の措置を講ずることを義務付ける。
① 核物質防護のための区域の設定
② 区域の監視
③ 区域の出入管理
④ 核物質の管理
⑤ 核物質防護に関する設備等の整備及び点検
⑥ 連絡体制の整備
⑦ 核物質防護に関する情報の管理
⑧ 従業員の教育訓練
⑨ 核物質防護のための体制の整備
⑩ 緊急時の対応体制の確立
(2)核物質防護規定の作成及び認可
事業者が定める核物質防護規定について、上記措置を確実に実施させるため、工場又は事業所ごとに実施措置の詳細を規定させるとともに、その認可手続について定める。
(3)核物質防護管理者の選任及び届出
核物質防護に関する業務を統一的に管理する核物質防護管理者について、以下の要件を備える者を工場又は事業所ごとに選任させるとともに、その届出手続について定める。
① 核物質防護に関する業務を統一的に管理することができる地位にあること。
② 核物質の取扱いに関する一般的な知識を有すること。
③ 管理的な地位にある者として、核物質防護に関する業務に1年以上従事したこと又はこれと同等の知識及び経験を有すること。
(参考)実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則新旧対照表 |