核物質の防護に関する条約への加入について
昭和63年11月
科学技術庁
1.核物質の防護に関する条約の加入については、10月28日の閣議において決定され、同日、IAEA事務局長に加入書を寄託した。
2.本条約は寄託後80日を経過した日に寄託国について効力を生ずることとされており、我が国については、11月27日より効力が生じた。
核物質の防護に関する条約について
1. 概要
〔1〕趣旨(第2条)
この条約は、国際輸送中の平和目的の核物質の防護について規定しているほか、核物質に関する犯罪の処罰等について規定している。
〔2〕国際輸送中の核物質の防護義務(第3条及び第4条)
(1)国際輸送中の核物質が、当該国の領域内にある間又は当該国の管轄下にある船舶若しくは航空機上にある間(当該国の出入に携わる場合のみ)適切な防護措置(附属書)を講じる。
(2)適切な防護措置が講じられていない場合、輸出入の許可を行わない。(締約国が輸出国の場合は輸出の許可、締約国が非締約国から輸入する場合は輸入の許可)
(3)適切な防護措置が講じられていない場合、空港・海港への入港又は陸地・内水の通過の許可を行わない。(非締約国間輸送の場合のみ)
〔3〕相互協力義務(第5条及び第6条)
核物質の防護、回収等に関する協力等 機密情報の保護
〔4〕犯罪人処罰義務(第7条〜第13条)
(1)核物質による殺人、傷害等の行為は日本人が国外において行う場合も含め国内法において処罰する。
(2)上記犯罪は、犯罪人引渡し条約において引渡しのあるべき犯罪とする。(上記犯罪を犯した外国人は引渡し請求国に引渡すことができるものとする。)
(3)引渡しを行わない場合は、当該国において刑事裁判権を確立するために必要な措置をとる。
2. 署名・批准状況(1989年11月現在。締約国−24か国、署名国−46か国と1機関)
| 1979年10月 |
採択 |
| 1980年3月 |
署名のため開放 |
| 1987年2月8日 |
発効 |
| 1988年5月11日 |
加入についての国会承認 |
| 1988年10月28日 |
IAEAに対し加入書の寄託 |
| 1988年11月27日 |
我が国について発効 |
核物質の防護に関する条約締約国
| 1. |
|
スウェーデン(55.8.1) |
| 2. |
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ドイツ民主共和国(56.2.5) |
| 3. |
|
フィリピン(56.9.22) |
| 4. |
|
大韓民国(57.4.7) |
| 5. |
|
チェコスロバキア(57.4.23) |
| 6. |
|
アメリカ合衆国(57.12.13) |
| 7. |
|
ソビエト連邦(58.5.25) |
| 8. |
|
ポーランド(58.10.5) |
| 9. |
|
ブルガリア(59.4.10) |
| 10. |
|
ハンガリー(59.5.4) |
| 11. |
|
パラグアイ(60.2.6) |
| 12. |
|
トルコ(60.2.27) |
| 13. |
|
グァテマラ(60.4.23) |
| 14. |
|
ノールウェー(60.8.15) |
| 15. |
|
ブラジル(60.10.17) |
| 16. |
|
カナダ(61.3.21) |
| 17. |
|
ユーゴスラヴィア(61.5.14) |
| 18. |
|
モンゴル(61.5.28) |
| 19. |
|
インドネシア(61.11.25) |
| 20. |
|
リヒテンシュタイン(61.11.25) |
| 21. |
|
スイス(62.1.9) |
| 22. |
|
オーストラリ(62.9.22) |
| 23. |
|
メキシコ(63.5.4) |
| 24. |
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日本(63.11.27) |
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