前頁 |目次 |次頁

時の話題

ベルギー原子力研究センターとの
地層処分共同研究について

動力炉・核燃料開発事業団



 動燃事業団はベルギー原子力研究センター(CEN)との間で同研究センター敷地内にある地下研究施設(地下220m)で高レベル放射性廃棄物の粘土岩を対象とした地層処分の共同研究を行うための契約を昭和62年7月17日締結した。

 共同研究契約の骨子は以下の通りである。
(イ)ベルギー原子力研究センターの地下研究施設において、深部地層中の原位置試験、室内試験および性能評価を共同研究として実施する。

(ロ)研究期間は昭和62年より5カ年とする。

(ハ)研究の題目、内容は毎年両者で協議して定める。

 初年度は「粘土質環境中での放射性核種の移行の試験研究」を行う。

(ニ)なお、本施設は一定量(100ミリキュリー)を越えない範囲で、試験に放射性元素を使うことが できる許可が与えられている。
 上述の共同研究契約にもとづき、動燃事業団は、研究者を派遣し、同地下研究施設において共同研究を進める。これにより粘土質岩の廃棄物隔離にかかわる試験および評価技術を開発し、わが国の地層処分の研究開発に資する。

(参考)
① ベルギー原子力研究センターは首都ブラッセル北東70kmのモルにあり、原子炉の安全性をはじめ、高速増殖炉、再処理、廃棄物処分等の研究を行っている原子力総合研究所である。

 同研究センターは昭和59年敷地内に地下研究施設を設け、地層処分の研究を積極的に進めている。スウェーデン、カナダ等の地下研究施設が花崗岩等の固い結晶質岩の中に設けられているのに対し、この地下研究施設は地下220mの粘土層の中に設けられており、世界的にみても特徴のあるものである。

② 本共同研究は、本年1月ベルギーにおいて石渡副理事長とデジョン原子力研究センター副所長の間で基本的同意に達し、その後両国国内手続き等の終了をまって契約締結となったものである。

モル地下研究施設の概要



前頁 |目次 |次頁