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第9回 JUICE Meeting の開催について 動力炉・核燃料開発事業団
昭和47年以来、圧力管型重水減速沸騰軽水冷却炉の研究開発に関して日本(動燃)、イギリス(UKAEA)、イタリー(CNEN)、カナダ(AECL)4ケ国間でJUICE(Japan-UK-Italy-Canada-Exchange)Meetingを実施してきたが、今回その第9回Meetingが動燃事業団主催により3月11日東京で開催された。今回は我が国においては2回目の開催になり、各国における重水炉建設運転の実績が相当に確立されている現状を反映して、下記の分野が主題として選択された。 (a) 各国における重水炉の役割
(b) 重水炉の建設および運転経験
(c) 重水炉技術の開発
今回第9回Meetingにおいては、従来からのJUICE参加国(日英伊加)に加えて重水炉開発を推進しているアルゼンチン、韓国、西ドイツからの特別参加があり、合計7ケ国10編の論文発表があった。各国の発表論文は下記の通りである。 (1) 日本における新型転換炉の役割と600MWe実証炉の設計 沢井定(動燃事業団)
(2) カナダにおける今後の重水炉開発 J.Donnelly(AECL-Canada)
(3) Cirene計画:技術開発の経験 A.Villani(CNEN-Italy)
(4) アルゼンチンにおける重水炉の建設および運転経験 J.O.Cosentino(CNEA-Argentina)
(5) 韓国における重水炉計画の評価検討 B.K.Kim(KAERI-The Republic of Korea)
(6) カナダにおけるCANDU炉の建設及び運転経験 P.G.Campbe11(Ontario Hydro-Canada)
(7) Winfrith SGHWRの運転経験1968~1982 B.Negus(UKAEA-United Kingdom)
(8) Winfrith SGHWRの支援技術評価 J.Fell(UKAEA-United Kingdom)
(9) 圧力容器型重水炉の開発 U.Fischer(KWU-West Germany)
⑩ Pu 燃料装荷新型転換炉の運転経験 明比道夫(動燃事業団)
会議の最終セッションでは、「世界における重水炉の役割と将来の展望」を主題とするパネル討議があり、元原子力委員山田太三郎博士を座長として、前記7ケ国を代表するパネリストによる討議が行われた。 今回の第9回JUICE Meeting の特徴は、各国における建設と運転実績に立脚した実質的な討議が大勢を占め、それだけ着実な成果を得たと考えられる。また、重水炉に関する各国の共通見解として、(1)重水炉は核燃料を効率良く利用するのみならず、燃料サイクル選択の自由度が大きくPu燃料とTh燃料の利用にも適していること、(2)過去数年間の世界における重水炉運転実績は極めて良好であること、等が示された。 海外からの参加者には、社長、副社長、或いは原子力委員、局長と云う立場の人が数多く居られ、会議への出席は海外から約50名、国内から約100名であった。従来中規模の国際会議と考えられていたので、今回は極めて盛会であったと云える。 会議の翌日3月12日には、「ふげん」発電所の見学が行われ、海外からの参加者約30名が現地を訪れた。当日、「ふげん」は定格出力で運伝中であったが、その整然とした運転管理情況は見学者に等しく感銘を与え、我が国の技術水準の高さを改めて認識させた様子であった。 ![]() |
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