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RCAワークショップ「放射線とアイソトープの医学・生物学利用」


原子力局調査国際協力課

1 標記ワークショップは、我が国政府主催のもと放射線医学総合研究所が実施機関となって8月17日から28日にわたって外務省において開催された。

2 我が国は原子力平和利用における対開発途上国協力の重要性に鑑み、昭和53年8月国際原子力機関(IAEA)の「原子力科学技術に関する研究・開発及び訓練のための地域協力協定Regional Cooperative Agreement for Research,Development and Training Related to Naclear Science and Technology」に加盟し、開発途上国の緊急課題である食糧・工業・医療問題の解決に資するため放射線・アイソトープを利用した「食品照射計画」「工業利用計画」及び「医学・生物学利用計画」を推進しており、本ワークショップはその一環として開催された。

3 ワークショップにはRCA加盟12か国(オーストラリア、バングラデシュ、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイのうちオーストラリアを除く海外10か国から放射線生物学及び生物学核技術、核医学、放射線治療、放射線衛生科学の4つの分野で重要な地位を占める13名の専門家が参加した。我が国からは講師19名のほか、座長、討論者として全国の大学、病院、研究所からこの分野の権威50余名が出席し、我が国における最先端の現状を紹介した。

4 本ワークショップでは次のような成果が得られた。

 ① 我が国の科学技術レベルが深く認識されるとともに開発度は国によって差があることなど、参加各国の現状把握が行なわれた。

 ② 参加者は上記四分野の領域における我が国との協力に強い意欲を示した。

 ③ 技術移転、開発の進捗に合わせて我が国からの機器資材等の提供が望まれた。

 ④ 将来計画実現の方途として各種の地域協力センターの有効性、研究者の交換、集団研修、協力研究、セミナー(ワークショップ)が検討された。


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