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資料1

原子力研究開発利用長期計画の見直しについて


昭和56年2月6日
原子力委員会

Ⅰ 見直しの趣旨

 現行の原子力研究開発利用長期計画は、昭和53年9月に策定したものであるが、その後国際石油情勢が一段と厳しさを増したため、石油代替エネルギーの中核として原子力に対する期待は一層高まり、原子力開発政策のより積極的な展開が必要とされている。

 また、国際核燃料サイクル評価(INFCE)が昨年2月に終了した結果、核不拡散と原子力平和利用は両立し得るとの結論が得られ、我が国が再利用、プルトニウム利用、濃縮、新型炉等の開発を推進し得る国際的な理解が進んだ。

 このような情勢を踏まえ、原子力研究開発利用長期計画について見直しを行うこととする。

Ⅱ 主要な検討事項

1. 原子力発電の推進
(1) 石油代替エネルギーの供給目標(昨年11月、閣議決定)に示された原子力の目標を達成するための原子力発電の推進方策
(2) 原子力発電のより一層の安全確保対策
(3) 低レベル放射性廃棄物の処分等実施の促進方策及び廃炉対策

2. 研究開発の計画的遂行及び成果の実用化の促進
(1) 新型炉の開発については、高速増殖炉及び新型転換炉の開発の推進方策、利用系の展望を含めた多目的高温ガス炉の研究開発の進め方並びに船舶用原子炉の研究開発の進め方
(2) 遠心分離法によるウラン濃縮の事業化方策、再処理事業の推進方策、高レベル放射性廃棄物の処理処分に関する研究開発に進め方等核燃料サイクルの確立方策
(3) 核融合については、JT-60(臨界プラズマ試験装置)計画の進展、大学における研究等の進展、国際的研究開発の動向等を踏まえた今後の研究開発の推進方策

3. 国際情勢への対応
 国際的な核拡散防止強化の動きに対応した国内保障措置及び核物質防護体制の充実強化等の方策

Ⅲ 見直しの方法

1. 見直しにあたり、全体の調整、新長期計画の起草等のため「長期計画専門部会(仮称)」を新たに設ける。同専門部会の中には、その調査審議に資するため、必要な組織を設けるものとする。

2. 既設の専門部会については、その検討結果を新長期計画のとりまとめに十分反映できるよう運営に配慮する。

 なお、通商産業省総合エネルギー調査会における調査審議をも参しゃくするものとする。

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