前頁 | 目次 | 次頁

(参考)最終総会で対プレス用に利用される可能性のあるTCCが準備した項目


1 以下の項目は、8つの作業部会報告書に含まれ、TCCにおいて「要約と概説」に要約された技術的、定量的及び解析的な詳細内容より採り上げられたものであり、TCCによって、プレスへの情報伝達に役立たせるため編集された。INFCE作業の権威ある文書は各作業部会報告書及び「要約と概説」自身であり、以下に述べた事項を十分理解するためにはこれら報告書にあたらなければならない。

 資源、技術、経済、環境及び健康・安全面での検討

A 資源面の検討

2 今後約半世紀の世界のエネルギー需要を満たす上で、原子力の役割は増大するものと期待される。今後50年間の原子力発電規模を高い信頼度をもって予測することはできないので、最もありそうな発電規模よりはむしろ広い幅をもたせた発電規模が核燃料、重水、燃料サイクル・サービスの需要を計算するための基礎として設定された。非共産圏(WOCA)の原子力発電規模は現在1億2千5百万kwであるが、2000年では8億5千万~12億kw、2025年では18億~39億kwの範囲と推定された。

3 核燃料、重水及びこれらに伴うサービスの需要は、原子力発電規模だけでなく、採用される原子炉のタイプや組合せにも依存する。INFCEではこれら必要量を計算するためいくつかの炉型戦略が定義され、多くの可能性が指摘された。ウラン需要推定量は、2000年で約9~16万tU/年、2025年で約7.5~43万tU/年である。

4 需要の場合と同様、遠い将来にわたってのウランの入手可能性は高い信頼度をもって予測することは出来ない。非共産圏の確認されているウラン資源から推定すれば、ウラン生産能力は、1990年代末に11~12万tU/年位のピークに達するであろう。その後は、確認されているウラン資源からの生産は減少し、この生産規模と維持・増加は新しいリソースあるいはスペキュラティブ・リソースの発見、開発に決定的に依存するであろう。

5 ウラン生産が十分な水準で得られるには、地質上の入手可能性の外、多くの要因に依存するだろう。これらの要因のなかで最も重要なのは、好ましい政治的環境の存在、十分な人的資源及び設備の存在、市場の連続性及び安定性、それに環境・規制上の様々な不確さの解決である。

6 INFCEでの比較の結果では、必要な探査と投資がなされれば、ウラン産業は2000年までの需要を満すことに困難を見出さないと考えられる。この比較は、今世紀末までに追加資源の生産が必要なこと及びウランの最も効果的な利用・節約を行う炉型戦略の重要性を示唆している。必要となるウランの新規生産の大部分は、新たな資源の発見に頼らなければならないであろう。

 既知のウラン賦存量のすべてが、原子力計画への使用が現在時点で予測されている時期までに入手可能となるわけではないので、探鉱及び開発の継続的努力が必要なことは明らかである。

7 共産圏以外においては、スペキュラティブ・リソースからの生産を含めた長期のウラン供給評価に基礎を置くウラン需給の比較から、原子力発電規模がINFCEの高ケースで成長すれば、電力供給を確保するためには2000年以降の早い時期にかなりの改良熱中性子炉やFBRの導入が必要となろう。もし、低ケースで成長した場合にはウランの供給は2025年までの需要を満すことができようが、新型炉技術の実用は、これをさらに確実なものとするだろう。

8 INFCEでは供給の予測と需要の予測は独立に行われた。実際には供給と需要は相互に関連しており、需要の見通し、探査努力及び需要と供給の保証にかなりの影響を及ぼす。

9 ウランの需給の地域的アンバランスや将来のウラン入手可能性についての信頼度及び時期に関する判断の違いにより、ウラン利用効率の改善や炉型戦略に関するアプローチが各国で異ってくる。既知のウラン資源や生産能力は主として数カ国に集中しているが、将来においては供給先が多様化する可能性がある。このような多様化は、消費者の供給保証に関する信頼性を高めるであろう。

10 経済性や安定性に悪影響を及ぼさずに、LWRで10~15%、HWRで30%のウラン節約が可能になるワンス・スルーでの改善の可能性が、もし必要な開発計画が成功すれば、今後10年以内に実証されるかもしれない。既存の技術で行うLWRのプルトニウム・リサイクルは、既存のワンス・スルーに比べ35~40%のウラン節約となりうる。HWRではより以上の節約となろう。

11 現在の技術と酸化物燃料を用いるFBRは2000年までに相当数の設置が可能であろう。現在ウランの大消費国が、十分な規模でFBRを設置すれば、長期的にはウランの需要を減少させることになり、また、十分な増殖利得を持つFBRを組み入れたシステムはウラン供給の束縛からの実質的に解放された原子力発電を可能ならしめるであろう。

12 トリウムを組み入れたサイクルは熱中性子炉でのウラン・サイクルと比べ、ウランの有効利用上望ましいが、2000年以降までは商業的に利用可能とならないであろう。リード・タイムはこれらの炉に必要とされるトリウムの生産を開発するには十分長いと思われる。他の新型炉も、2000年を相当過ぎないと利用可能になりそうもない。

B 経済及び技術面の検討

13 経済性やエネルギー戦略の考慮は、各国で異なり、一般的にはどのような核燃料サイクルも、全ての場合に経済的に優れているということはないとの結論に達した。

14 多くの可能性のある燃料サイクルにとって再処理は必要である。

 再処理と組み込む燃料サイクルのワンス・スルー燃料サイクルと比較しての経済性の論議は、天然ウランの価格及び分離されたプルトニウムやウランのその後の利用方法に依存する。もし、分離されたものが軽水炉にリサイクルされるならば、経済的な利点はさ程大きくなるとは思われない。幾つかの国はエネルギー自立と供給保証にとって、積極的な貢献をするとみている。他方、もしFBRの資本コスト及び燃料サイクルコストを十分に下げることが可能であれば、FBRへのリサイクルの経済上及び供給保証上の利点は相当なものとなる。プルトニウムを使おうとしている多くの国は、これを主としてFBRで使おうとしている。

15 FBRの開発計画を進めようと決定することと、開発されたシステムとしてFBRを輸入することの間には大きな差がある。FBRの開発を決定することは、開発の初期段階に大きな経済的ペナルティを甘んじて受けることを意味する。熱中性子炉の設置を引続き行っていくことと違い、FBRを開発するためには、新しい水準の技術と新たな技術的/工業的基盤が必要となる。

 濃縮

16 ガス拡散法及び遠心法の技術的及び経済的な実用性は既に確立している。空気力学法、化学法、レーザー法、プラズマ法などを含む他のいくつかの技術は将来工学的に開発されることが有望視される。

17 現在運転中及び建設中のウラン濃縮施設の能力は1990年頃までの濃縮需要をカバーするだろう。現在計画中の施設の能力を加えれば1995年までの需要をカバーするであろう。2000年以降については、もし、濃縮需要が最大となる炉型戦略の場合は需要を満たすために濃縮能力を急激に増大させる必要があるが、これはそれ程困難ではないだろう。

 重水

18 重水の場合、重水素資源は豊富であり、また十分に実証された生産技術が存在するので、重水を入手する上で乗り越えなければならない重大な問題はない。

 燃料サイクルのバック・エンド

19 次の4つの基本的な管理概念が明らかになった。

 (1)再処理する、(2)再処理するか否かの決定を延期する、(3)使用済燃料を輸送する、(4)再処理しない。(4)を選んだ国はない。

 (3)の概念の下では、ある国は使用済燃料とその権利を別の国に移転するのだが、この別の国は(3)以外の管理概念から1つを選択しなければならない。

 4つの概念すべてにおいて再処理施設又は最終処分場への使用済燃料の輸送の他、ある一定期間の使用済燃料貯蔵が必要となる。

 使用済燃料の輸送

20 使用済燃料の輸送は十分に確立した技術である。使用済燃料の輸送キャスクに関する設計と許認可の要件は、安全、環境保護、保障措置、核物質防護を十分担保しうる。

 使用済燃料の暫定貯蔵

21 使用済燃料管理でどのような考え方をとろうとも、1980~1990年の間に使用済燃料のかなりの量が貯蔵されて蓄積していくと予想される。後に続く核燃料サイクル段階がないため、その後数年間、使用済燃料の貯蔵はいくつかの国の原子炉運転者にとって問題となりうるだろう。

22 LWR及びHWRの使用済燃料の湿式貯蔵については、低バーンアップの燃料では20年までの期間の経験がある。より長期の貯蔵及びより高バーンアップの燃料の湿式貯蔵には特に重大な困難はないと考えられる。コンパクト・ラックを使う技術を含め水を入れたプールでの貯蔵は実証された技術と考えられる。乾式貯蔵は長期貯蔵の際の代替案として検討されている。FBR燃料の貯蔵は実験炉及び実証炉の経験をベースとしており、特に問題は生じていない。

 再処理、プルトニウムの取扱い及びリサイクル

23 基本的な技術は確立している。

24 数カ国が大規模再処理施設を設置、建設中又は計画している。これらの施設はよく似ており、同じプロセスに基いている。このプロセスをFBR燃料へ大規模に適用するには、いくらかの技術上の修正が必要であろう。

25 プルトニウムの貯蔵及び輸送、混合酸化物燃料加工及びその熱中性子炉での照射については、かなりの経験が得られている。比較的小さい燃料加工工場及び第1世代のLWRでしか技術は実証されていないが、今までに得られた経験は、工場のスケール・アップ及び現在世代のLWRでのリサイクルが可能であることにつき十分な自信を与えるものである。
 FBRの実験炉や実証炉での標準的な燃料の性能は満足すべきものであり、統計上十分な量の経験が得られている。

 未再処理燃料の最終処分

26 再処理を行わない概念においては、使用済燃料は廃棄物と見なされ、最終処分されなければならない。使用済燃料の罐への封入技術は、まだ実証されていないが現在試験中である。ほとんどの部分は現在の技術を単に応用するか一寸変える位で十分である。処理された使用済燃料の深地下処分に関する標準的技術は再処理からの高レベル廃棄物の技術と本質的に同様である。

 廃棄物の最終処分

27 中・低レベル廃棄物の管理及び処分に関する方法は、既に実施され十分確立されている。高レベル廃棄物のガラス固化技術が低バーンアップ燃料の廃棄物に対して現在工業規模で用いられている。この技術は高バーンアップ燃料の廃棄物に対しては工学規模で実証中である。高レベル廃棄物の深地下処分の標準的技術は、概念検討及びフィールドテストに基づいている。いくつかの仮定は、貯蔵庫が実際に建設され、運転されることによってのみ確認できる。

28 ウランの精製残滓に関しては環境への影響を減少させるため現在用いられている技術は近い将来更に改善されるかも知れない。

29 使用済燃料の暫定貯蔵、廃棄物の管理・処分のコストは、発電コストに比較して小さく、燃料サイクル間で大きく異なるものではない。

C 環境、健康及び安全面の検討

30 原子力発電プログラムの環境、健康とりわけ安全性の側面について総合的に評価を行うことはINFCEの検討範囲ではなかった。発電炉そのものの運転の影響や原子力施設の事故の影響は検討されなかった。それでも各作業部会は環境、健康、安全に係わる要因について評価を行ったが、その目的は検討項目に示された特定の燃料サイクル活動が許可標準値に合致してやっていけるか、これが全体の燃料サイクル評価に大きな影響を与えるか、またこれらの観点で各燃料サイクル間で大きな差異があるかを一般的に評価することであった。この様な限られた検討範囲の中で、関連作業部会は通常時の核燃料サイクルの運転による集団放射線線量預託への寄与は、天然バック・グラウンド放射線からの年間被曝量と比べ小さいと結論付けている。廃棄物管理の放射能の影響に主として新ウラン需要と関連するものであるが、種々の燃料サイクル間での廃棄物管理・処分の影響の点での差異も、サイクルを選定する上で、それ程決定的なものではない。検討されたどの燃料サイクルから出る放射性廃棄物も高い安全性のもとに、かつ、人体及び環境に悪影響を与える危険なしに管理・処分することが可能である。

 エネルギー需要を満たすよう原子力を広範囲に入手可能にすること

31 世界のエネルギー需要を満たすためには、国際協力を通じ、長期的な供給保証が達成できるような政治的、経済的、技術的及び商業的環境を確立することが必要である。この供給保証を損なういかなる要因も政府間のみならず、供給国、消費国の関連産業界の協力によって出来る限り取り除くか和らげられねばならない。

32 供給国政府は一般に核不拡散目的の達成を非常に重要と考えており、この目的が十分に尊重されない条件や状況下では進んで核物質を供給するか又は供給を継続したがらないであろう。消費国は核不拡散上の懸念を共有するものであるが、この様な条件の変更は信頼に基づいて締結された契約の履行を防げるものであり、たとえ核不拡散に関連するものであっても、この新しい条件は過去に同意した条件を破っていない国の既存の契約、特に条件変更前に引き渡された核物質に対し、政府間の同意なしに適用されるべきでないと強張している。

33 以上のことをバック・グラウンドとして、INFCEは核物質の供給保証についての問題を検討した。

 商業市場

34 原子力に係わる供給の商業市場と、それを支える契約システムは、供給保証の面で近年満足のいくように一般的に機能しているという点で意見の一致が見られた。又おそらく将来もそうであろうと思われる。ウランと濃縮サービスについては、供給の短期的中断に対し、ストックの蓄積、アド・ホックの商業的スワッピングや、ローン取決めで消費国は対処可能であった。予想されるウランや濃縮サービスの供給先の増加は、消費国が供給先を多様化することにより自らを守ることを可能とする。

35 しかし、市場の機能は、スポット取引きの効率的な市場や政府の参加を含めたよりフォーマルなバック・アップ取り決めといった様々な手段で改善されよう。後者はウラン緊急セーフティ・ネットワークや可能であれば国際核燃料銀行の形になるだろう。特に供給先の多様化や国内備蓄を行いうる能力が限られた小規模な原子力計画国に対しては、この様なメカニズムは助けとなろう。これらの取り決めは、市場に代替するものでなく、供給中断が消費国の核不拡散了解事項違反の結果もたらされたものではない場合の市場混乱に対し、最終的手段として作用するべきものである。

 政府の干渉

36 供給保証に対する主な不安は、商業上の義務不履行や市場破綻から生ずるものでなく、国の政策及び国益を追求しようとして行う政府の干渉に起因している。これは通常核不拡散の目的に関連していたが、時にはそれ以外の国の政策にも関連していた。政府の行為は、核物質又は施設の輸出規制(事前同意権の行使を含む)もしくは輸入規制の形をとる。現在までのところ実際には供給の中断はほとんど行われておらず、行われた場合でも発電に支障をきたしたというより遅れやコスト高の原因となった。他方、供給の中断の可能性に対する不確実性が続く場合は原子力計画の秩序ある発展を妨げることになるのでこのことは大きな懸念の基になっている。

37 より具体的なクライテリアに基づき、供給国と消費国それぞれによる輸出入規制が、より統一的で、首尾一貫し、かつ予測可能な形で適用されれば不確実さが減少するであろうし供給保証の強化につながろう。核不拡散政策の変更の結果、消費国と供給国の間に不調和が生じた際、かかる変更が供給を阻害するリスクを最小にするよう、各国政府は核不拡散政策の変更に対処するためのメカニズムを開発すべきである。もし、このようなメカニズムの採用が、再交渉期間中引き続き供給が行われるとの保証により補強されれば供給保証は強化されるであろう。

38 核燃料の再移転または再処理に関し、二国間協定に基づく事前同意権が存在する場合には、出来る限り、長期供給契約が締結される前に、あるいは短期契約では、燃料が原子炉に装荷される前に、事前同意権の行使の基準を確立すべきである。というのは、事前同意権が恣意的に行使された場合には、燃料の供給保証に悪影響をもたらし、その結果当該国の原子力開発計画に不利な効果を及ぼすであろうからである。関連する状況が変化しない場合には、事前同意権は、予見しうる形で、かつ消費国の政策と個別の事情を考慮する形で、さらにはこの同意権が設けられた際に関係者間で達せられた合意に一致する形で行使されるべきである。

39 二国間協定中の核不拡散条件が協定毎に異なることに関する若干の消費国の不安に対応するため、コモン・アプローチを追及したいく必要がある。このコモン・アプローチは、当初、各国の慣行または2国間協定の形をとるが最終的には、共同宣言、行動規範あるいは多国間又は国際間の取極という形をとるかもしれない。現在の取極、制度、基準及び慣行の上に積み上げていこうとするこの段階的なプロセスは、供給国と消費国双方が受け入れられる形で、核不拡散に関する輸出入政策が実施され様々なより安定したレジームを着実に作りあげる上で実際的かつ有効的であろう。

 核兵器の拡散リスクの最小化

40 核拡散は、一義的には政治的問題であり、技術的な問題ではない。政治的問題の検討はINFCEの検討範囲に入ってなかったので、核燃料サイクルからのミスユースが核兵器を製造するという政治的決定を実施する上で、どの程度助けとなるかについての評価を中心として行った。このようなミスユースを防止するため、国際的な原子力開発の進展とともに、協定のネットワークや保障措置が整備されてきており、主なものには、国際原子力権関(IAEA)核兵器不拡散条約(NPT)及びラテン・アメリカにおける核兵器防止条約(Tlatelolco条約)がある。したがって、核拡散リスクを減ずることを目的とした国際的な手段は既に存在している。

41 燃料サイクル施設を建設し、計画的にミスユースすることは、核兵器製造に必要な物質を入手するルートとして、最も容易なものでも、最も効率的なものでもない。しかし、もし核兵器転用可能物質を相当多量に扱う施設が既に存在していれば、これをミスユースすることはある状況の下では、核兵器のための物質を入手するための一つの可能な道であるかもしれない。さらに原子力発電計画で得られた技術やノウハウは直接関連してはいないが、その後核兵器製造計画にも利用することができる。

42 INFCEで行われた評価が定性的であること、多様な核燃料サイクルの発展段階が異なること、それぞれの国における核燃料サイクルの完成の度合、技術的手段、保障措置及び制度的手段の改善が段階的性質のものであることを考慮すれば、異なる燃料サイクルから生じる核拡散リスクに関し、現在及び将来にわたって正当な単一の評価は行い得ない。ある特定の核燃料サイクルを導入するか否かを判断するのに、国家当局によって種々の異なる観点(経済、安全、エネルギー戦略、核拡散リスクを含む)に重点が置かれる場合、核拡散リスクに関する判断に幅があり得ることを考慮しなければならない。一般論として、核拡散の観点からセンシティブな核燃料サイクル中の問題点を明らかにすることの方がより重要であり建設的であると思われてきた。この判断を行うにあたり、各作業部会は、核兵器に使用できる物質を相当量保有する施設の数及びこれらの量の重要性、核物質の形状、接近性(放射能により変わる)、同位体の混合、施設の性格(これにより、転用ルートごとに必要な資源が定まる)などの要因を用いて、保障措置の適用可能性と必要時間、必要資源及び検出可能性を検討した。これらの基準は種々の考えられる転用シナリオに照らして適用された。

43 この基準に基づき各作業部会で認められた転用のリスクは濃縮ウランやプルトニウムを含む新燃料、ウラン濃縮、使用済燃料の貯蔵、再処理、プルトニウム貯蔵及び混合酸化物燃料製造、使用済燃料及び廃棄物の処分に関連するものである。

44 以下の考察は、主として、ウラン-プルトニウム・サイクルにあてはまるものだが、U-233をリサイクルするトリウム・サイクルの核拡散の潜在的可能性も同様であると結論付けられている。

 濃縮

45 天然ウランを装荷するHWRやFBR以外の全てのタイプの原子炉は新燃料中に濃縮ウランを必要とし、それ由濃縮施設を必要とする。

46 核拡散リスクは、濃縮技術に本来的につきまとうものである。3つの側面が検討されなければならない。第1は、低濃縮ウラン(LEU)生産用に設計されたプラントからの核物質が他の施設において核兵器に使用できる物質の生産に転用する可能性があること。第2にLEU用に設計、運転されている濃縮施設がプラントおよび/または生産方法を変更し高濃縮ウラン(HEU)の生産に使われるかも知れないこと。例えば、カスケードの再配置、運転条件の変更又はバッチ・リサイクル運転モードを追加することによりこれを行う。これらの2つの側面は保障措置に関係するものである。設計情報の検証及び効果的な封じ込め・監視とともに、計量管理の精度を高めることで保障措置の目的を達成することができよう。今後の短期的なR&Dの努力は保障措置の費用対効果比を改善する必要性を考慮しながら、封じ込め・監視方法の改良に集中されるべきである。第3は、LEU生産用に用いられるのと基本的に同じ技術が、秘密のあるいは保障措置がかかっていないプラントにおいてHEU生産のために用いられるかもしれないこと。この点で様々な特性(例えば、分離係数、分離要素の大きさ、消費電力、ウランのホールドアップ量、平衡到達時間、技術の入手可能性と経験の有無)が程度の差はあるが、濃縮技術のミスユースの可能性と関連している。

47 市場の需要に応じるのに必要とされる数に、濃縮施設の数を制限することは、核不拡散の観点から望ましい。一国単位の濃縮施設を建設する能力を有する少数の(a few)の国のうちで、これを行うとする大きな商業的または工業的インセンティヴを持つ国は、濃縮ウラン使用炉をベースとした大規模な原子力発電計画を有する国か、大規模な自国天然ウラン資源を有する国であろう。

 原子炉

48 一般的にいって、燃料が運転中の原子炉内にある段階は、核拡散の観点から燃料サイクルの他の部分に比べ、あまり重要でないと考えられた。全ての原子炉には保障措置が必要であるが、連続燃料交換システムの原子炉に対して効果的な保障措置を行うためには、今までと異なった方式で行う必要があり、現在のところバッチ交換の炉に比べ効果的な保障措置はより困難である。現在開発中の封じ込め・監視装置を取り入れた新しい手法は、より容易に効果的な保障措置を行うことができるようにするであろう。

49 全体的に見て、濃縮、燃料加工及び使用済燃料貯蔵の施設に対し適切な保障措置が適用されるならば、ワンス・スルー方式による現在の熱中性子炉については、少なくとも短期・中期において十分な核拡散抵抗性が確保され得ると思われる。

50 核拡散リスクの度合は、燃料サイクル上の部分による違い、開発の段階、特別な地域的事情、そして、特に核拡散リスクをなくしたり減少させるためにどのような保障措置及びその他の手段が実施されてきたかなどに複雑に関係していると第5作業部会は指摘した。かかる観点から、第5作業部会は、FBR燃料サイクルの種々の段階において生じる転用リスクは、長期的に見て、LWRのウラン-プルトニウム・サイクルの場合又はワンス・スルー・サイクルの場合とさえ比べても、より大きな困難性を引き起こすものではないと評価している。

51 HWRに関しては、天然ウランを使用するため、濃縮施設は必要でなくなる。いくつかの国々は、天然ウランや再処理施設の入手可能性のもらたす概念に加え、重水の入手可能性の問題が追加されると考えているが、このサイクルに適当な保障措置が適用される場合には、十分な核拡散抵抗性が達せられ得ると思われる。ある国々は黒鉛のような他の減速材が容易に入手できるので、重水について特別な心配はないと考えている。

52 閉じたトリウム・サイクルに関しては、ウラン-プルトニウム・サイクルに比べ、ウラン濃縮レベルが著しく高い必要があり、また低濃縮ウランからよりも変性ウラン-トリウム燃料から高濃縮ウランを生産する方が分離作業が少なくて済むであろうと認識された。他方、変性ウラン-トリウム・サイクルにおいては、加工された燃料が輸送や貯蔵されている間は、直接兵器に転用できる物質は存在しない。高濃縮ウランを使うトリウムをベースとした燃料サイクルは、濃縮、貯蔵、輸送、加工段階に対する適切な保障措置システムを特別に必要とする。

 再処理及びプルトニウム・ハンドリング

53 プルトニウムは原子力発電所が運転されれば、どのような場合にも生産される。したがって問題は、プルトニウムの生産をいかに回避するのかではなく、作り出されたプルトニウムをいかに管理するかである。この観点から、次の2つの主要な選択が考えられる。すなわち、再処理せずに、使用済燃料中にプルトニウムを残存させる方法、及び使用済燃料要素を再処理して、分離されたプルトニウムを貯蔵するか、熱中性子炉やFBRでリサイクルする方法である。商業炉から出てくるプルトニウムの利用は、専用プログラムで生産される兵器級プルトニウムに比べ、核兵器製造のためには魅力のないルートである。それにもかかわらず、米政府が商業炉から出てくるプルトニウムは兵器用に使用することができると明言し、その他の核兵器国がこれまでこの声明に異議を唱えてこなかつたことは注目されるべきである。

54 これらの燃料サイクル活動において最もセンシティヴは部分は、次の場合に考えられる個々の転用の脅威に関連するものであると思われる。

(ⅰ) サブ・ナショナルな盗難の場合には、輸送段階
(ⅱ) 国家政府による公然の転用の場合には国際保障措置が行われていないか、廃止された状態の場合には、プルトニウム貯蔵
(ⅲ) 国際保障措置が適用されているところでの国家政府による秘密裏の転用の場合には、再処理又は混合酸化物燃料製造施設

 したがって、将来の問題は、再処理が開発された場合に、このような物質の転用防止を強化するための最良の技術的、保障措置及び強制的手段を採用していくことにある。

55 再処理プラント及びこれに続くMOX燃料までの仕上げ工程に対する国際保障措置の実施の経験は、限られてはいるが、ひとつの有益なケースとして経験が蓄えられつつある。それは、将来の工業規模のプラントに適用されるべき、新しい改善された技術の発展の基礎となり得るものである。

 使用済燃料の暫定貯蔵

56 使用済燃料に固有な高い放射能レベルは拡散を抑止する重要なファクターである。このレベルが低下するにつれて、適用される保障措置技術は変更を要するか、他の既存の技術により置き換える必要があるかもしれない。

 廃棄物の最終処分

57 廃棄物は核兵器の生産にとって比較的魅力的ではないので、廃棄物の最終処分は燃料サイクルにおいて、センシティヴなステップとは考えられなかった。

 使用済燃料の最終処分

58 ワンス・スルーサイクルからの使用済燃料は、多量の核分装性物質を含んでおり時間が経過するとともに、放射能が減衰するので、次第に魅力的な転用目標となる。使用済燃料を入れるキャニスタは品目計量管理と在庫検査が可能であるので、保障措置は、輸送及び地上の貯蔵所に置かれている間、比較的簡単に行われるであろう。この貯蔵所が取り出し不可能な形で設計されていると仮定すれば、たとえ、粗雑な監視でもその後の転用活動をタイムリーに検知できよう。しかし無限に続けなければならないであろう。

 核拡散リスクを最小化する手段

59 検討の結果によれば、確認されたリスクを最小化するための手段は、エネルギー供給あるいは平和目的の原子力開発を危うくすることなく講じられるであろうし、また講じられるべきである。

 燃料サイクル施設のミスユースの危険を最小化する方策には、技術的手段、保障措置の改善及び制度的手段がある。一般的に、技術的手段はサブ・ナショナルな盗難のリスクを減少させるには強力な効果を有するが、核拡散のリスクを減ずるのには限られた効果しかないと結論付けられた。保障措置手段は、より重要であり、制度的手段は技術的手段より、重要となる可能性を持っていると判断された。制度的手段は供給保証にも同じくらい関係することが一般的に認められた。

 技術的手段

60 燃料サイクルのバック・エンドについて次の3つのカテゴリーにおける技術的選択枝が検討された。(1) 核燃料サイクル中から、分離された形での兵器転用可能物質の存在を減らす方法、(2) これらの物質の転用を防止するために放射能を使う方法、(3) 物理的障壁を使って転用を防止する方法。混合転換のように自然に進歩しそうな技術的手段は、拡散抵抗性を増加させる傾向があるようである。そして、これらの技術について進行中のR&D作業が完成されることが望ましいだろう。しかしながら、多くの場合、工業的規模に導入されるようになるまでには、かなりの開発努力が必要となるであろう。したがって、これらの技術的手段は、将来世代の燃料プラントにとってのみ可能なオプションと考えられるにすぎない。防護壁として放射能を用いる方法はすべて環境放射線防護、経済、資源利用及び保障措置の面で欠点がある。

61 多くの研究炉は最高の原子炉性能を発揮させるため、高濃縮ウランを燃料として使用している。これらの原子炉の大多数は、安全上の余裕や原子炉性能が下がらない限り、より低い濃縮度(20%以下あるいは45%程度)への変更が可能であるようである。

 保障措置

62 効果的な国際保障措置は、原子力産業の不可欠の側面であると考えられており、また保障措置に関する実質的な努力の追加が重視されるべきである。この研究では、現在運転中のプラントに適用されている方法や技術の有効性について特に重要な問題は見いだされなかった。ウラン濃縮、照射後燃料の工業規模での再処理、軽水炉又はFBR用の混合酸化物燃料加工(これらすべては核兵器製造に使用可能な形で存在する特殊核物質への接近の可能性を伴うものである)を含む燃料サイクルの全ての段階について、合理的なコストで保障措置の目的を達成できるためには、現存の方法と技術が更に開発され改良される必要があると予測された。この開発に際しては、一般的に、保障措置の必要性及び施設設計段階における全体保障措置戦略の考慮、封じ込め・監視の向上、そして計量管理の改良を含むべきである。

 制度的手段

63 制度的手段は、核拡散リスクの最小化と、供給保証の強化の両方にとって重要と考えられた。事実、供給保証と不拡散の確保は相互に補完的なものであることが一般的原則として認められた。制度的手段は漸次的な発展(gradual evolution)のプロセスの中で整備されていくものと考えられなければならない。例えば、大規模な一国単位の燃料サイクル施設を建設する国々は、原子力開発の初期段階の国々へ燃料サイクルサービスを提供することができよう。後者の国は、今度は他の国へ燃料サイクルサービスを提供できる立場になるまでに進歩することが期待されうるであろう。幾つかの国際的制度的アレンジメントが既に存在している事が注目された。

64 使用済燃料管理の為の現在の法律的及び制度的な枠組は、核拡散リスクを最小化するために十分である。しかしながら、現在、使用済燃料へのアクセス及び管理を国家に保証する国際的な法的枠組は存在しない。使用済燃料へのアクセスと管理を参加国に保証する核不拡散目的に合致した国際的機構の可能性が研究されるべきである。IAEAは国際使用済燃料管理(ISFM)に関する専門家会合を開催している。

65 多国間及び国際的な廃棄物貯蔵所は経済的利益をもたらすし、使用済燃料処分については、核不拡散上も有利であろう。多国間及び国際的貯蔵所を設置することに関する法的及び制度的な解決策を練りあげるべきである。

66 制度的手段の発展は、多国間事業へと進むべきであり、地域核燃料サイクル・センター(RFCC)に発展できることが特に燃料サイクルのバックエンドにおいては望ましいと思われる。しかしながら、一国単位のものの必要性は認識されるべきであるし、このような事業を作り上げ運営する上での困難さも軽視されるべきでない。

67 IAEA憲章に基づく国際プルトニウム貯蔵(IPS)スキームは、もし、広く適用可能で、かつ無差別的な条件について国際間の合意が成立するのであれば核不拡散及び供給保証の面で重要な貢献を行い得よう。既に分離されたプルトニウムが世界に存在し、またいくつかの国は再処理の導入は続けるという明確な計画を持っているので、このスキームは、大抵の国が使用済燃料の再処理を決定するか否かにかかわらず適切であろう。IAEA主催による専門家会合が、この問題について作業をしている。

68 全ての国際的又は多国間の取決めに関し、潜在的参加国自身によってのみ、また政治的レベルの活動において取扱うことができるような、メンバーシップ、財政、採決方法、アクセスの条件、紛争の解決、ホスト国政府の立場などの微妙な問題について決定を要することが認識された。

69 最後に、核燃料サイクルに関し、各国の利害と政策の相違から発生する諸問題のスムーズな調整のための2国間及び多国間ベースでの協議を続けて行くことの価値が認識された。

 開発途上国の特別なニーズ

70 開発途上国の事情は、大幅に異なっており、それ故、広範な一般化は避けるべきである。

 しかしながら、エネルギーの入手可態性は、いかなる国の開発にとっても極めて重要であり、とりわけ、開発途上国にとっては重要である。

71 原子力は、多くの開発途上国において妥当なコストでエネルギーを供給するうえで重要な役割を果すことができるが、そのためには開発途上国のインフラストラクチャの整備が緊要であろう。今までの経験からみて、開発途上国は、インフラストラクチャの整備の立ち遅れのため、設備及び資材の供給をカバーするだけでなく、必要とされる全てのレベルでの訓練を受けた資格のあるマンパワーの育成、国内の関連産業の開発、研究協力及び財政のための長期にわたる保証も与える広範囲の取決めを必要としている。

72 現在の制度的手段は、現在の工業国間の保証以上の追加的保証を何らもたらすものでない。原子力供給協定又は契約あるいはその適用に関し予期せぬ変更があった場合は、開発途上国に対し、工業化した消費国に対する場合に比べ、より深刻な結果をもたらすことになるであろう。こうして供給の遅延や停止の場合、核不拡散と合致した形でタイムリーな引き渡しを保証するための短期・中期的な代替メカニズムが必要である。

73 いくつかの開発途上国は、最終的には核燃料サイクルの自立をめざしており、それ故技術の移転に興味を抱いている。これらの国は効果的な保障措置の下においてその時々の原子力開発の必要性と特許情報に対する通常の商業上の制限に適合する形で、すべての技術に対するより大きなアクセスが一層保証されることになろう。多国間又は国際的事業の様な、適当な国際的手段は、この様な保証を与える1つの方法となろう。このような手段は、又、必要とされる規模の経済を与え、また以前に言及した核拡散上の問題に対処するのにも役立つであろう。

74 将来、開発途上国のウラン資源は、より重要になってくることは明らかである。しかしながら、開発途上国におけるウラン産業の発展の速度は、多くの要因に依存している。このうちそのほとんどが外国製であると考えられる技術的なノウハウ、財政及び組織上の資源の入手可能性が最も重要である。この点において、IAEAは、より重要な役割を果すことができよう。

75 開発途上国の濃縮役務に対するニーズは、供給取決めにおける自由なアクセス及び適切な柔軟性で特徴づけられる多様化された供給市場により賄うことができる。この関連において、必要な核燃料、設備、技術及び役務の規則的及び信頼できる供給に関連するプーリング(pooling)取決めへの開発途上国の関心を強調することも適切である。

76 開発途上国の中には、熱中性子炉におけるウラニウム/プルトニウムのリサイクル利用をエネルギー自立及び供給保証の点で積極的な貢献をするとみなす国もあるが、多くの開発途上国、特に小規模な原子力発電計画を持つ国にとってそれが経済的に魅力的であることは、少なくとも導入初期段階ではありそうもない。

77 核燃料サイクルのバックエンドにおいては、いくつかの活動は依然として原子力発電計画を開始する国の責任であり、また、技術的及び経済的理由により、使用済核燃料の暫定的或いは長期貯蔵、使用済燃料輸送及び高レベル廃棄物の永久処分に関連した二国間或いは多国間の取極めへの参加を含めた計画及び準備が必要とならざるを得ない。

 これに関連して、開発途上国は、核不拡散目的に合致し、かつ、エネルギー需要を満たすよう企画された使用済燃料管理に係る国際取決めへの自由な参画を許されるべきである。

78 IAEAはその構成国たる発展途上国の中で原子力に強い関心をもつ国が増加しつつあることを認識し、IAEAのプログラムをこれに合わせるべきである。IAEAは増えた財源をもって、かつその技術援助に関する基本政策を変更することなく、計画前段階及び規制活動のみならず発電と核燃料サイクルのプラントの建設と運転面での専門知識を確実に利用できるようにする点で重要な役割を果すことが出来よう。

 このことについては、IAEAの援助は、より広い供給関係において合意されている技術へのアクセス及び技術移転のための条件に従うべきである。

79 開発途上国は、開発途上国及び先進工業国間の二国間取決めの有効性及び受諾性を評価する基準には次のものが含まれるべきであると考えている。

(A) ニーズへの対応性
(B) 効果的な保障措置

(C) 相互に合意されなければならない核不拡散上の了解事項が一国の平和的な原子力発電計画に対し妨害或いは制限を加えるであろうその程度。

80 開発途上国の利益のため、いくつかの新しい国際的取決めが予測され、それらは以下の領域をカバーすることとなろう。

(A) 核燃料及び重水の供給保証のための国際的取決め
(B) 当事者間の核不拡散に係る約束を前提とした二国間或いは多国間ベースでの特定の核燃料サイクル活動への参加
(C) 原子力施設に必要な人員を育成するための専門的訓練計画の拡充
(D) 国際的な金融機関からの原子力発電計画のための資金の拡充

81 このような国際取決めを樹立することは開発途上国にとって助けとなり開発途上国はその取決めが以下のような側面を持っていれば望ましいと考えるであろう。

(A) このような取決めへの参加は、各国の実際のニーズに応じた自発的なものであるべきである。

(B) 参加国は方針及び運営に関する主要な決定をなすのに際し、同等の権利を有する。

(C) このような取決めへの参加は、一国の平和的な原子力発電計画の一部をなす保障措置活動を危うくするものであるべきではない。

(D) このような取決めへの参加は、取決めの条項に基づく場合を除いて、政府の介入により阻止されることなく、保証されるとともに維持されるべきである。

(E) このような取決めへの参加は重要なものであるので、法的拘束力のある政府間の国際約束の形態でなされるべきである。

82 国際的な技術センターは、恐らく構造材技術、溶接、特殊設備の保守及び品質保証といつた特定の項目に範囲を限ったものとなろうが、開発途上国にとって実際的な訓練が保証され専門家の助言が得られるようにする上で極めて重要である。

 そのようなセンターはIAEAの主催の下に、恐らく加盟国の既存の施設をベースとして設立されるであろう。


前頁 | 目次 | 次頁