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動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設の一部変更に係る安全性について(答申) 52原委第408号
昭和52年7月26日
内閣総理大臣 殿
原子力委員会委員長
昭和52年6月6日付け52安(核規)第1639号をもって諮問のあった標記の件については、下記のとおり答申する。 記 動力炉・核燃料開発事業団が設置する再処理施設に係る安全性に関し、同事業団が提出した「再処理施設の一部変更に係る安全性に関する書類」(昭和52年5月20日付け提出)に基づいて審査した結果、別添の核燃料安全専門審査会の報告書のとおり、安全上支障がないものと認める。 (別添)
昭和52年6月27日
原子力委員会
委員長 宇野 宗佑 殿
核燃料安全専門審査会
会長 山本 寛
動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設の一部変更に係る安全性について
本審査会は、昭和52年6月7日付け52原委第365号をもって審査を求められた標記の件について結論を得たので報告します。 Ⅰ 審査の結果 動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設の一部変更に関し、同事業団が提出した「再処理施設の一部変更に係る安全性に関する書類」(昭和52年5月20日付け提出)に基づいて審査した結果「Ⅲ 審査の内容」に示すとおり、再処理施設の一部変更に係る安全性は十分確保し得るものと認める。 Ⅱ 変更の内容 1 ウラン溶液濃縮脱硝工程の一部変更
ウラン溶液濃縮脱硝工程における運転上の裕度を増すため、以下の変更が行われる。 (1)分離精製工場一階の廊下(A147)の一部を、分岐室に転用するため改造する。 (2)分岐室に約2000lの横型円筒状貯槽8基及びドリップトレイを設ける。 (3)硝酸ウラニル溶液を希釈槽より上記新設貯槽に受入れ、及び当該貯槽より希釈槽に返送するための配管等を設ける。 2 低放射性濃縮廃液貯槽の増設
低放射性濃縮廃液の貯蔵能力を増すため、以下の変更が行われる。 (1)廃棄物処理場地階のセル(R052)に、約250m3の縦型円筒状貯槽1基及びB-タイプライニングを設ける。 (2)低放射性廃液蒸発缶の濃縮廃液を、上記貯槽に受入れるための配管等を設ける。 Ⅲ 審査の内容 本変更に当たっては、以下のとおり適切な配慮がなされているので、変更に伴う安全性は確保されるものと判断する。 1 ウラン溶液濃縮脱硝工程の一部変更について
(1)施設の安全性
① 耐震性
新設される硝酸ウラニル溶液の一時貯槽は耐震分類A類で、及びその付属配管等は耐震分類B類で設計されることになっている。 また現廊下(A147)を分岐室に改造し、一時貯槽等を設置しても、分岐室は改造前と同様耐震分類B類の建物に必要な強度が確保される。 ② 臨界防止
硝酸ウラニル溶液の一時貯槽は濃度制限により臨界を防止し、また万一誤操作により管理濃度以上の硝酸ウラニル溶液が送液されても、臨界にならないように一時貯槽にはボロン入りラヒシリングを充填することになっている。 ③ 遮蔽性
分岐室に改造するため現廊下(A147)に新設する内壁は、建屋外壁面における放射線量率が0.175ミリレム/時間以下になるように、厚さ約11㎝のコンクリート製にすることになっている。 ④ 耐食性
硝酸ウラニル溶液の一時貯槽及びドリップトレイ等は耐食性を考慮し、ステンレス鋼を材料として製作することになっている。 以上のとおり、本変更に係る施設は、再処理施設の設計の基本方針に基づいて設計されることになっており、施設の安全性は確保される。 (2)周辺環境への影響
新設される硝酸ウラニル溶液の一時貯槽から槽類換気系へ放出される硝酸ウラニル量は無視し得る程度であり、しかも硝酸ウラニル溶液の一時貯槽からの廃気は、槽類換気系及びセル換気系で処理された後、主排気筒から放出されることになっているので、周辺環境への影響はない。 2 低放射性濃縮廃液貯槽の増設について
(1)施設の安全性
① 耐震性
増設される低放射性濃縮廃液貯槽及び付属配管等は、既設の低放射性濃縮廃液貯槽及びその付属配管等と同様に耐震分類B類で設計されることになっている。 ② 遮蔽性
低放射性濃縮廃液貯槽を設置するセル(R052)は、当初より上記貯槽を設置する予定で建設されており、現再処理施設の設置に係る安全審査(昭和44年)により既にその安全性は確認されているので、上記セルに低放射性濃縮廃液貯槽を設置しても遮蔽上の問題はない。 ③ 耐食性
低放射性濃縮廃液貯槽及びライニング等は、耐食性を考慮し、ステンレス鋼を材料として製作することになっている。 以上のとおり、本変更に係る施設は再処理施設の設計の基本方針に基づいて設計されることになっており、施設の安全性は確保される。 (2)周近環境への影響
現再処理施設の設置に係る安全審査(昭和44年)において、今回増設される低放射性濃縮廃液貯槽の槽換気及び当該貯槽を設置するセル(R052)の換気を含めて周辺環境への影響が検討され、既にその安全性は確認されている。 Ⅳ 審査の経過 本審査会は、昭和52年6月27日の第6回審査会において前記変更について審査を行い、同日本報告書を決定した。これらの変更については、昭和52年6月11日の再処理部会における審議を経ている。 なお、同部会の委員は、次のとおりである。 部会委員
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