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第21回中国核実験に伴う放射能調査結果について



(1) ロイター共同によれば、ERDAは今回の核実験について11月17日以下のとおり発表を行った。

① 爆発規模 4メガトン級
② 実験場所 中国西部ロプノール地区の上空の大気圏内
③ 爆発時間 11月17日15時(日本時間)

(2) 放射能対策本部(昭和36年10月31日内閣に設置)は11月18日(月)午後1時第95回放射能対策本部幹事会を招集し、11月17日に実施したと伝えられる中国核実験に伴う放射能対策について協議し、緊急時放射能調査体制について申し合わせた。

(3) 幹事会及び代表幹事会の決定に従い、11月18日から11月25日まで放射能調査を実施した結果、雨水ちり、地表浮遊じんの調査にわずかに影響が表われたが、放射能対策本部が定めている暫定指標よりかなり低いものであった。


第21回 中国核実験に伴う放射能調査結果について


(1) 高空浮遊じん

 防衛庁で11月19日~24日の間、北部、中部、西部地区の上空で採取した浮遊じんの測定結果は、次のとおりである。(表1)

表1 高空浮遊じんの調査結果


(2) モニタリングポスト

 気象庁(2ケ所)日本原子力研究所、及び19道府県で調査した結果、平常の値と同様であった。(表2)

表2 第21回中国核実験モニタリングポストによる空間線量率調査結果


(3) 雨水、ちり

 気象庁13か所、都道府県30か所で調査した結果、石川、広島、鳥取でやや高い値を示したが、全国的に平常の値と同様であった。(表3、4)

表3 第21回中国核実験、雨水、ちりの調査(1)(09:00~翌日09:00までの降雨について測定)

表4 第21回中国核実験、雨水、ちりの調査(09:00~翌日09:00までの降雨について測定)


(4) 浮遊じん

 気象庁5か所、放射線医学総合研究所、日本原子力研究所及び13府県で調査した結果、広島で平常よりやや高い値を示した。(表5、6、7)

表5 気象庁(9:00~14:00採取)

表6 第21回中国核実験 地表浮遊じんの調査

表7 放射線医学総合研究所


(5) 落下じん

 放射線医学総合研究所及び日本原子力研究所で調査した結果いずれも平常の値と同様であった。(表8)

表8 第21回中国核実験水盤法による落下じんの調査

① 放射線医学総合研究所

② 日本原子力研究所


(6) 原乳中の131I

 農林省関係研究機関(畜産試験場(千葉)、北海道農業試験場(札幌)、九州農業試験場(熊本))では11月19日から24日まで、放射線医学総合研究所では11月19日から25日まで、また、日本原子力研究所においても11月19日から25日まで、調査した結果、いずれも検出限界以下であった。

 また、7県(秋田、埼玉、静岡、島根、岡山、福岡及び佐賀)においてもそれぞれ調査した結果検出限界以下であった。


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