前頁 | 目次 | 次頁 |
動力炉・核燃料開発事業団の動力炉開発業務に関する第2次基本計画 昭和46年4月1日決定
昭和50年3月31日修正
昭和51年3月31日修正
昭和52年3月31日修正
内閣総理大臣
動力炉・核燃料開発事業団法第25条第1項の規定に基づき、さきに定めた動力炉開発業務に関する基本方針に従い、動力炉開発業務に関する第2次基本計画を下記のとおり定める。 記 1 高速増殖炉
熱出力5万キロワット(第1期出力)の実験炉の建設を進め、52年度初めに臨界に至らせる。 また、第1期炉心の出力限界(約10万キロワット程度)の解析及び照射施設として利用する場合に適切な炉心の解析等を行う。 原型炉としては、プルトニウムとウランの混合酸化物系燃料を用いる電気出力20万キロワットないし30万キロワット程度のナトリウム冷却型炉を可能な限り早期に臨界に至らせることを目途として所要の設計研究等を実施するとともに、原型炉建設の具体的計画について検討を行い、建設準備を進める。 これらの建設、設計等と並行して、次の研究開発を実施し、その成果を適宜建設及び設計に反映せしめる。 (1)炉物理
日本原子力研究所(以下「原研」という。)の高速臨界実験装置を用いて、プルトニウム燃料による実験炉炉心の全モック・アップ試験及び原型炉炉心の部分モック・アップ試験を行うとともに、海外の施設を用いて、原型炉炉心の全モック・アップ試験を行う。 (2)ナトリウム技術
材料試験ループ、放射化材料試験ループを用いて、材料の腐食、質量移行等に関する試験を行うとともに、技術開発ループを用いて、材料の機械的強度に関する試験、計測制御用機器の開発試験等を行う。 また、ナトリウム流動伝熱試験装置を用いてナトリウム関係機器の確性試験を行う。 さらに、これらの試験と並行して、ナトリウム分析技術開発を進める。 (3)主要機器、部品
ナトリウム機器構造試験装置等を用いて、実験炉用に試作した回転プラグ、制御棒駆動装置、燃料交換装置、主循環ポンプ等主要機器の機能試験、耐久試験等を行う。 原型炉用の主要機器、部品については、炉内構造物、回転プラグシール構造、燃料交換機、大型ポンプ等の部分構造及び燃料中継機構、制御棒駆動装置、大型弁、燃料交換装置等を試作し、これらの試験をナトリウム熱衝撃試験装置、水流動試験装置等により行う。さらに、蒸気発生器については、ナトリウム水反応試験装置及び水型蒸気発生器試験装置による基礎試験を行うほか、約5万キロワットの蒸気発生器試験装置及び蒸気発生器を製作し、熱伝達試験等を行う。 (4)核燃料
実験炉用及び原型炉用のプルトニウムとウランの混合酸化物燃料について所要の試作試験を行うとともに、ナトリウム流動伝熱試験装置等を用いて流動伝熱試験を行う。 「原研」の材料試験炉(以下「JMTR」という。)及び海外の高速炉等を用いて、燃料材料の照射試験を行うとともに、照射燃料試験施設を用いてこれらの照射後試験を行なう。 実験炉から取り出した燃料集合体の検査を行うための燃料集合体検査施設及び被覆管等材料の照射後試験を行うための照射材料試験施設の建設、運転を行う。 さらに実験炉に装荷する炉心燃料については、プルトニウム燃料開発施設において製作を行い、ブランケット燃料については、民間加工施設において製作を行う。また、所要の検査を燃料材料検査施設において行う。 なお、再処理技術の研究を行う。 (5)安全性
ナトリウム沸騰現象の解明、配管構造物の破断試験、燃料破損機構の解明、安全防護設備の試験等実験炉の安全性の確認及び原型炉の安全解析等に必要な研究及び試験を行う。 2 新型転換炉
原型炉としては、初期装荷燃料として微濃縮ウラン及び一部プルトニウム富化天然ウランを用いる電気出力16万5千キロワット(定格出力)の重水減速沸騰軽水冷却型炉を昭和52年度に臨界に至らせることを目標に建設を進める。 原型炉の建設と並行して次の研究開発を実施し、その成果を適宜建設等に反映せしめる。 (1)炉物理
重水臨界実験装置を用いて、ウラン燃料及びプルトニウム燃料による臨界実験を行い、核設計データの確認及び運転制御に必要なデータを得る。 (2)熱ループ実験
伝熱流動試験施設を用いて原型炉の燃料集合体の製作、蒸気重量率測定錘の製作等に必要なデータを得る。 (3)主要機器、部品等
燃料交換装置、下部ヘッダ等主要機器の試作開発及び原型炉本体モック・アップ試験等を行うとともに、試作開発を行ったジルコニウム合金製圧力管と鋼管との接合部、シールプラグ等の部品については、部品機器試験施設を用いて機能の確認試験、耐久試験を行う。 また、原型炉の運転、保守に必要な装置について所要の試作開発を行う。 (4)核燃料
原型炉用の燃料被覆管、燃料集合体の試作試験を行うとともに、燃料、材料の照射試験をJMTR及び海外の熱中性子炉を用いて行う。 なお、原型炉に装荷する燃料のうち、ウラン燃料については、民間加工施設において製作を行い、プルトニウム富化燃料については、プルトニウム燃料開発施設において製作を行う。 (5)安全性
一次冷却系破断、非常冷却系、主蒸気管破断等に関する安全性の確認実験及び安全性解析を行う。 3 共通事項
高速増殖炉及び新型転換炉に係る核物質管理システム等保障措置技術、廃棄物処理、安全管理技術等の研究開発を行う。 4 本基本計画は、昭和46年度から52年度までの期間を対象とし、必要に応じ所要の修正を行うものとする。 動力炉開発第2次基本計画修正対照表 ![]() |
前頁 | 目次 | 次頁 |