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日本原子力船開発事業団法の改正について


昭和52年2月
科学技術庁
運輸省

 日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案については、2月8日、閣議決定後、第80回国会に提出された。

 内容は、次のとおり。


1 日本原子力船開発事業団法(以下「事業団法」という。)の延長期間

 我が国における原子力船開発の進展に伴い、事業団の設立の目的を達成するため、事業団法の廃止するものとされる期限(昭和51年3月31日)を昭和62年3月31日まで延長するものとする。

2 事業団法の延長期間についての考え方

 事業団法を昭和62年3月31日までの11年間延長する理由は次のとおりである。

(1) 「むつ」の安全性総点検及び改修
4年間(51年4月〜55年3月)

(2) 出力上昇試験等
1年間(55年4月〜56年3月)

(3) 実験航海(その1)等
3年間(56年4月〜59年3月)

(4) 実験航海(その2)
2年間(59年4月〜61年3月)

(5) 成果のとりまとめ
1年間(61年4月〜62年3月)

3 事業団の業務内容

(1) 「むつ」の安全性総点検及び改修

 「むつ」を修理港に回航し、原子炉部を中心として技術的総点検を実施するとともに改修工事を行う。

(2) 出力上昇試験等

 改修工事終了後、新定係港を基地として原子炉の出力上昇試験を実施する。これに引続き、海上試運転を実施する。

(3) 実験航海(その1)等

 操船に慣熟するための運転・航海、所期性能及び安全性確認のための航海出入港の経験を得るための航海を行う。これに引き続き、燃料交換等を行う。

(4) 実験航海(その2)

 実験航海(その1)によって得られた基礎データ等に基づき、さらに実験航海を行い、信頼性確認、安全基準策定等のためのデータの蓄積を図るとともに、既存の研究機関及び民間と協力して、原子炉関連機器の開発、安全性の研究に資するため諸試験を実施する。

(5) 成果のとりまとめ

 「むつ」の成果のとりまとめを行い、その後の措置について検討する。

4 なお、政府は、事業団法を昭和61年3月31日までの10年間延長する改正法案を昨年1月第77回国会に提出したが、第78回国会で審議未了廃案となった。今回提出の改正案では、2・(1)「むつ」の安全性総点検及び改修を本格的に実施する段階に至っていない状況にあることにかんがみ、その期限を更に1年間延長することとしたものである。



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