第14回中国核実験にともない、3月19日に核実験時における調査体制に入って以来、3月25日平常時の調査体制に復帰するまでの間における放射能調査結果では、19日夕刻~20日朝にかけて北部上空で採集した高空浮遊じん中に最高1,030ピコキュリー/立方メートルの放射能を検出したが、その後は、平常の値と同様となった。その他の雨水落下じん、地表浮遊じん及び空間線量は平常の値と同様であり、地表への影響はみられなかった。
調査結果の詳細は次のとおりである。 |
(1)高空浮遊じんの放射能調査(防衛庁) |
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(2)モニタリングポスト(気象庁、道府県) |
気象庁2ヶ所(旭川、輪島)14道府県(北海道、青森、秋田、宮城、福島、茨城、新潟、福井、鳥取、島根、大阪、高知、福岡、鹿児島)に設置しているモニタリングポストは平常の値と同様であった。 |
(3)地表浮遊じんの放射能調査 |
イ 気 象 庁 |
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ロ 放射線医学総合研究所 |
放射線医学総合研究所においては、地表浮遊じんの連続測定を、3月19日午後3時以降3月25日までに実施した。 |
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(4)雨水、落下じんの調査 |
イ 気 象 庁 |
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ロ 放射線医学総合研究所 |
雨水、落下じんについて3月19日より3月25日まで毎日24時間毎に採取、測定した結果は表のとおりである。 |
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ハ 地方衛生研究所 |
28都道府県衛生研究所において3月19日~25日の同調査を実施したが平常の値と同様であった。 |
(5)核種分析 |
イ 高空浮遊じん |
高い放射能が検出された高空浮遊じんについては、防衛庁技術研究本部において核種分析を行なった。 |
その結果、今回の核実験によると推定される97Nb、97Zr、99Mo-99mTC、132Ⅰ、132Te、140Ba-140La、143Ce、239NP等の核種が検出された。 |
ロ 牛乳中の放射性ヨウ素の測定 |
農林省各試験場〔九州農業試験場(熊本)畜産試験場(千葉)、北海道農業試験場(札幌)〕において核実験時における放射能調査体制の期間測定を続けたが、いずれも放射性ヨウ素は検出されなかった。 |