総理府が昭和50年10月に実施した,原子力発電に関する世論調査(資料編7)によれば,今後の我が国の電源開発方式として原子力発電に期待している者が約50%,既存の火力発電,水力発電,地熱発電及び太陽熱発電によると考える者が合計で約22%であり,原子力発電によると考える者の半数に満たない結果となっている。
また,原子力発電の開発については,もつと積極的に開発する方がよいと考えている者が一番多いという結果がでている。このことから,多数の者が,今後の我が国の電源開発方式として原子力発電が必要であると認識しているとみられる。
原子力発電の開発についての意見の分布状況は,年令別,性別,学歴の別により異なっており,若年層,高学歴層ほど原子力発電の開発に賛成の立場をとる者が多くなる傾向を示している。一方,原子力発電の開発に関し無関心の立場をとる者は,これと逆の傾向を示している。
また,原子力発電の開発に賛成するか,あるいはわからないと答えた者の中でも,自分の住んでいる地域に原子力発電所が建設される場合には反対すると答えた者が約24%あり,総論賛成,各論反対の傾向もみられる。
原子力発電をこれ以上開発しない方がよい,あるいは原子力発電はやめる方がよいと答えた者があげた理由としては,施設の安全性に対する懸念が最も多い。
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