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第408号 原子力委員会メールマガジン



    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2024年4月26日408号
― 目次 ――――――――――――――――――――――――――――――
●こんにちは、原子力参事官です
「チョルノービリ原子力発電所事故から38年」

●4月23日(火)の定例会議報告
・2023年度「原子力に関する世論調査」について(日本原子力文化財団)

●5月14日(火)の定例会議予定
・原子力白書に関するヒアリング「原子力に関する世論の動向とコミュニケーション」
(木村学習コンサルタンツ 代表 木村浩氏)
・「もんじゅ」廃止措置の進捗状況に関する報告(日本原子力研究開発機構)

●原子力関係行政情報
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――‥‥――こんにちは、原子力参事官です ――‥‥――‥‥――‥‥――
「チョルノービリ原子力発電所事故から38年」

こんにちは、原子力参事官の山田です。
ぽかぽか陽気を超えて、暑いですね。
明日からゴールデンウィークに入りますが、旅行に行かれる方、ご自宅の近くで楽しまれる方、
ご自宅でゆっくりされる方、仕事の入っている方、様々だと思います。有意義なゴールデンウィークを過ごしていただければと思います。

先日の定例会議で上坂委員長から発言があった通り、本日4月26日(金)は、旧ソビエト連邦(現・ウクライナ)の
チョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所の事故が発生してからちょうど38年目に当たる日です。
ウクライナのゼレンスキー大統領も、先ほど配信したX(旧ツイッター)でチョルノービリ発電所の事故について触れていました。

事故当時、私は小学校高学年から中学校に入るくらいの年代でした。この事故について、学校で話をした記憶はあまりありません(少しはしたのかもしれませんが、よく覚えていません)。
ただ、自宅で見ていたニュースで、この事故を何度も何度も取り上げられていて、何となく怖いな、と思っていましたが、チョルノービリが日本からどのくらい離れているのかもよく分からず、自分の周りで事故の影響があるとは、正直に申し上げて微塵も思っていませんでした。

この事故は、外部からの電力供給が止まった場合、タービン発電機の慣性の回転によってどの程度発電が出来るのか、という特殊な実験を行っている最中に発生しました。原子力発電所の建屋はとても大きいので、もちろん、タービン発電機も大きいですし、重量も相当あります。
そんなタービンがものすごい速さで回っているのですから、当然、慣性の回転もあるでしょう。実験をしたくなる気持ちは分からなくはありません。しかし、その実験中に原子炉の出力が急上昇し、ウラン燃料の温度も上昇しました。
結果として蒸気の発生が激しくなり、圧力管が破壊され、さらには原子炉と建物も破壊され、それにより大量の放射性物質が外部に放出されてしまいました。

このような大事故に至った大きな原因は、旧ソ連が独自に開発した「黒鉛減速軽水冷却沸騰水型炉」という原子炉の構造にありました。このタイプの原子炉は、低い出力では自己制御性を失うという特性を持っています。
さらに、万が一の場合に備えて原子炉を覆う原子炉格納容器もなく、その他の安全装置も簡単に外せる構造になっていたとのことです。
つまり、原子炉格納容器もないまま建物が破壊され、放射性物質が大量に放出されてしまった、ということです。

このような原子炉の安全設計上の問題に加え、非常用炉心冷却装置(ECCS)を切って運転を実施するなどの運転員の規則違反や、正規の手続きや発電所全体の合意なしに上記の試験を実施するなどの運転管理上の問題などが重なって大事故に至った、とのことです。
結果として、チョルノービリの事故では、2011年の東京電力福島原子力発所事故よりもはるかに大量の放射性物質が放出されてしまいました。
日本でも、当時の5月上旬には、全国各地の雨水、浮遊塵、野菜から放射性物質が確認されたとのことです。

そして、一番良くなかったことが、旧ソ連政府がこの事故を隠蔽したことです。
事故当初、旧ソ連政府はこの事故を公表せず、結果として周辺住民の避難措置などがとられませんでした。また、事故が起こった4月下旬には、旧ソ連の南部地域ではすでに放牧が行われていたため、牛乳の汚染などが起こりました。
西欧諸国から指摘され、初めて、旧ソ連政府はチョルノービリ原子力発電所での事故を認めました。事故から2日後、北欧の複数の原子力発電所で高線量の放射性物質が検出され、おかしいと気付いた、とのことです。
旧ソ連政府はこの大事故を隠し通せるとでも思ったのでしょうか。そんなことがあるわけありません。

このように、今ではあり得ないほどのずさんな対応の結果、この大事故は発生しました。この事故から学ぶべき教訓の多くは現在の原子力防災に活用されています。
それでも、東京電力福島第一原子力発電所の事故は起こってしまいました。事故から13年以上経った今でも避難区域が設定されており、事故の影響の大きさを物語っています。

改めて、安全あってこその原子力である、ということを肝に銘じ、その大前提の上で、原子力をエネルギー面、非エネルギー面と多面的に活用していく必要があると実感しました。
原子力に携わる全ての皆さま、ご安全に。

――‥‥――定例会議情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥
●原子力委員会の定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は霞ヶ関周辺で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料は、すべて原子力委員会ウェブサイト(以下URL)で御覧いただけます。
https://www.aec.go.jp/kaigi/teirei/index.html

●4月23日(火)の定例会議の議題は以下のとおりです。
配布資料はこちら
https://www.aec.go.jp/kaigi/teirei/2024/siryo13/

【議題1】2023年度「原子力に関する世論調査」について(日本原子力文化財団)

<主なやりとり等>
2023年度「原子力に関する世論調査」について、日本原子力文化財団 坂井企画部長より説明し、その後、委員との間で質疑を行った。また、参与より専門的な観点から意見をいただいた。

●5月14日(火)の定例会議予定
5月14日(火)14:00からの定例会議の議題は以下となります。傍聴をご希望される方は、以下より登録をお願いいたします。(登録の締め切りは5月13日(月)15:00となります。) 
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0072.html 
【議題1】原子力白書に関するヒアリング「原子力に関する世論の動向とコミュニケーション」(木村学習コンサルタンツ 代表 木村浩氏)
【議題2】「もんじゅ」廃止措置の進捗状況に関する報告(日本原子力研究開発機構)

――‥‥――原子力関係行政情報――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥――‥‥
原子力関係の他の行政における委員会等のリンク情報は以下のとおりです。

※URLが改行されてリンクが認識されない場合
URLはクリックせず、文字列全体をURL欄に Copy & Paste してください。

■首相官邸
・原子力防災会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku_bousai/)
・原子力災害対策本部会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/)
・廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hairo_osensui/index.html)

■内閣官房
・原子力関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_kakuryo_kaigi/)
・最終処分関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/saisyu_syobun_kaigi/)
・放射能対策連絡会議
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/housyanou/index.html)
・GX実行会議
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/index.html)

■内閣府
・統合イノベーション戦略推進会議
(https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/kaigi.html)
┗イノベーション政策強化推進のための有識者会議「核融合戦略」
(https://www8.cao.go.jp/cstp/fusion/index.html)
・原子力防災
(https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/index.html)
┗地域原子力防災協議会
(https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/kyougikai/kyougikai.html)

■経済産業省・資源エネルギー庁
・総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/index.html)
┗原子力小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/index.html)
┣自主的安全性向上・技術・人材WG
┣原子力の自主性安全性向上に関するWG
┣原子力事業環境整備検討専門WG
┣革新炉WG
┣廃炉等円滑化WG
┗電力・ガス基本政策小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/index.html)
┣特定放射性廃棄物小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/radioactive_waste/index.html)
┗地層処分技術WG
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/radioactive_waste/geological_disposal/index.html)
・総合資源エネルギー調査会基本政策分科会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/index.html)
┣長期エネルギー需給見通し小委員会
┣発電コスト検証WG
(https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/#cost_wg)
┗電力需給検証小委員会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/kihon_seisaku/denryoku_jukyu/index.html)
┗使用済燃料対策推進協議会
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/index.html)
┗地層処分研究開発調整会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/chiso_shobun/index.html)
┗高速炉開発会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/kosokuro_kaihatsu/index.html)
┗青森県・立地地域等と原子力施設共生の将来像に関する共創会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/aomori_kyosokaigi/index.html)
┗福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/fukui_kyosokaigi/index.html)

■原子力規制委員会
・原子力規制委員会
(https://www.nsr.go.jp/)
┣原子炉安全専門審査会・核燃料安全専門審査会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_senmon/menu.html)
┣放射線審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/houshasen/index.html)
┣国立研究開発法人審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nrda/index.html)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nirs/index.html)
┣日本原子力研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/jaea/index.html)
┣原子力規制委員会政策評価懇談会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/seihyou_kondan/index.html)

■文部科学省
・科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/055/index.htm)
┣原子力研究開発・基盤・人材作業部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/100/index.htm)
┣核不拡散・核セキュリティ作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/076/index.htm)
┣原子力バックエンド作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/099/index.htm)
┗科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会核融合科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/074/index.htm)
┗原型炉開発総合戦略タスクフォース
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/078/index.htm)
┗調査研究協力者会議等(研究開発)
┗「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/022/index.htm)
┗原子力損害賠償紛争審査会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/index.htm)
┗次世代革新炉の開発に必要な研究開発基盤の整備に関する検討会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/025/index.html)
┗核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/027/index.html)
┗国立研究開発法人審議会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/index.htm)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/010/index.htm)
┗日本原子力研究開発機構部会
(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokurituken/003/index.htm)

●次号配信は、2024年5月17日(金)午後の予定です。
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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
原子力委員会:上坂 充委員長、直井 洋介委員、岡田 往子委員
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