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第267号 原子力委員会メールマガジン


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.267 ━━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2019年4月12日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆

┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣委員からひとこと
┣ 会議情報
┃  (3月26日) 
┃  ・イタリア・ミラノ工科大学における原子力教育事情について
┃  ・九州電力株式会社玄海原子力発電所の発電用原子炉設置変更許可に
┃   ついて(3号及び4号発電用原子炉施設の変更)について(答申)
┃  (4月2日) 
┃  ・専門職大学院(原子力専攻)の状況について
┃   (東京大学 教授 上坂氏)
┃  (4月9日) 
┃  ・第20回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)コーディネーター
┃   会合、「2019スタディ・パネル」の結果報告
┣ 原子力関係行政情報
┣ 原子力国際関連情報
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━・・・━━ 委員からひとこと ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・
土壌研究と日本国際賞
                            中西 友子

 前回、福島の土壌の問題を書いたが、今回は土壌に関する最近の話題を述べて
みたい。今年4月8日に長く土壌研究をされていたラタン・ラル博士に本年度の
日本国際賞(生物生産、生態・環境分野)が授与された。ラル博士は米国オハ
イオ州立大学で土壌研究で学位を取得した後、オーストラリア、ナイジェリア
などで土壌学を発展させ、オハイオ州立大学で「distinguished university 
professor of soil science (土壌科学の特別に秀でた)」という称号を持つ教授
となった。彼は土壌こそが農業の基本であり、適切な土壌管理は気候変動抑制
にも繋がることを発表した。また、農業には表土の喪失が最も深刻な影響を
与えるため、土壌を耕さない、いわゆる不耕起栽培を実践して表土を保ち、
アフリカでの農業を確実なものとして発展させたり、農業における水管理や、
土壌の炭素固定量の推測も行った。ラル博士は、「我々は自然の一部であり、
土壌を使おうとするのではなく、土壌に対しては尊敬の念を持って使用させて
もらうのである。」と語っている。
 このような一見地味に思われる「土壌」を扱う研究に、日本国際賞が授与
されたことは素晴らしいことだと思う。

 放射能と土壌の関係を考えると、まず第一に、福島原発事故からのフォール
アウトによる放射能汚染における土壌の果たした役割には大きなものがある。
何故ならば、殆どの放射能汚染をきちんと受け止め動かない様、地面に固定
したのは土壌の働きであり、土壌成分が放射性セシウムを強く固定したため、
土壌から河川の水への溶出は殆ど測定できない値となった。また、今年
4月9日の原子力産業会議年次大会で講演されたIAEAの事務次長(原子力科学
・応用局担当)のナジャト・モクタール氏は、農業における放射線の利用の
中で、放射線を使った土壌診断をすると、土壌の適切な管理ならびに土壌に
あった作物を選び出すことができることを紹介していた。

  先月6日に行われた第20回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)コーディネー
ター会合では、長年続いている放射線の産業・環境利用に関するプロジェクト
で、農業における放射線利用の成果が紹介されてきており、ガンマ線照射により
作り出された新品種が如何に収穫量の向上をもたらしたかが発表されていた。
しかし、農業での食糧増産のプロジェクトは、減反を行ってきた日本の農業
技術向上の進展対象とは少し異なっているような印象が拭えなかった。
日本では、どちらかと言えば穀物の増産技術よりも品質管理や品質向上の方に
重きがあるように思えるからである。

 ただ、今回、「土壌」を対象とした研究で日本国際賞を受賞されたラル博士
の研究は、日本の研究者の関心とかなり重なる所があり、授章式の翌日に行わ
れた日本学術会議のメンバーとの議論の席では、共通の基盤の上での議論が
展開された。まず、「土壌」はかけがえのない食糧生産の大切な資源である
こと、農業以外に使われる土壌についてどのように考えるのか、土壌が固定
する炭素量はどの位になるのか、などの博士の熱のこもった発言があった。
また、これだけ大切な「土壌」へ若い人の関心をどのように惹きつけたらいい
のか、土壌研究の夢をどのように設定すればいいのかなどの議論も行われた。


━・・・━━ 会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━・

●原子力委員会の会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は霞ヶ関周辺で開催
しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料は、すべて原子力
委員会ウェブサイト(以下URL)で御覧いただけます。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●3月26日(火)の会議の概要は以下のとおりです。詳しくはウェブサイトに
掲載される議事録を御覧ください。

【議題1】イタリア・ミラノ工科大学における原子力教育事情について

<主なやりとり等>
 イタリアのミラノ工科大学における原子力教育事情について、ミラノ工科
大学教授の二ノ方氏よりご説明いただき、その後、委員との間で質疑を行った。
委員より、日本の教育との違いなどについて質問があった。
 
【議題2】九州電力株式会社玄海原子力発電所の発電用原子炉設置変更許可
について(3号及び4号発電用原子炉施設の変更)について(答申)

<主なやりとり等>
 九州電力株式会社玄海原子力発電所の発電用原子炉設置変更許可に係る答申案
について、事務局から説明が行われました。その後、委員間で議論を行い、
案の通り答申することとなりました。
 
●4月2日(火)の会議の概要は以下のとおりです。詳しくはウェブサイトに
掲載される議事録を御覧ください。

【議題1】専門職大学院(原子力専攻)の状況について(東京大学 教授 上坂氏)

<主なやりとり等>
専門職大学院の状況について東京大学の上坂教授よりご説明いただき、東大の
原子力国際専攻と原子力専門職大学院との違いについて質問があった。

●4月9日(火)の会議の概要は以下のとおりです。詳しくはウェブサイトに
掲載される議事録を御覧ください。

【議題1】第20回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)コーディネーター
会合、「2019スタディ・パネル」の結果報告

<主なやりとり等>
 3月6日、7日に開催されたFNCA関係会合について、事務局より説明を行い、
 委員より、今後のFNCAの方針などについて質問があった。

●次回の委員会開催については、以下の開催案内から御確認ください。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/topic/kaisai.htm

━・・・━━ 原子力関係行政情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・

原子力関係の他の行政における委員会等のリンク情報は以下のとおりです。
直近で開催された委員会等がある場合には、【New】マークを付けております。

※URLが改行されてリンクが認識されない場合
URLはクリックせず、文字列全体をURL欄に Copy & Paste してください。

■首相官邸
┗原子力防災会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku_bousai/)
┗◆【New】原子力災害対策本部会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/)
┗原子力立地会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/index/gensiryoku/)

■内閣官房
┗原子力関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_kakuryo_kaigi/)
┗最終処分関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/saisyu_syobun_kaigi/)
┗原子力損害賠償制度の見直しに関する副大臣等会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_songaibaisho/index.html)
┗「もんじゅ」廃止措置推進チーム
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/monju/index.html)


■経済産業省
┣高速炉開発会議
(http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment.html)
┣エネルギー情勢懇談会
┣高速炉開発会議戦略ワーキンググループ
(http://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/kosokuro_kaihatsu/kosokuro_kaihatsu_wg/index.html)

■資源エネルギー庁
┣総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会
(http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/21.html)
┗原子力小委員会
(http://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/index.html)
┣自主的安全性向上・技術・人材WG
┣放射性廃棄物WG
┣地層処分技術WG
┗原子力事業環境整備検討専門WG
┗電力基本政策小委員会
┣総合資源エネルギー調査会基本政策分科会
(http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/)
┣長期エネルギー需給見通し小委員会
┣発電コスト検証WG
┗電力需給検証小委員会
(http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/18.html#denryoku_jukyu)
┗電力システム改革貫徹のための政策小委員会
(http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/kihonseisaku/denryoku_system_kaikaku/001_haifu.html)
┗エネルギー情勢懇談会
(http://www.enecho.meti.go.jp/committee/studygroup/#ene_situation)
┗使用済燃料対策推進会議
(http://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/index.html)

■原子力規制委員会
(https://www.nsr.go.jp/)
┗◆【New】原子力規制委員会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/index.html)
┣合同審査会(原子炉安全専門審査会・核燃料安全専門審査会)
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_kakunen/index.html)
┣放射線審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/houshasen/index.html)
┣国立研究開発法人審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nrda/index.html)
┣量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nirs/index.html)
┣日本原子力研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/jaea/index.html)
┣原子力規制委員会政策評価懇談会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/seihyou_kondan/index.html)
┗原子力規制委員会行政事業レビューに係る外部有識者会合
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/gyousei_gaibu/index.html)
┗原子炉安全専門審査会 原子炉火山部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_kazan/00000002.html)

■文部科学省
┗原子力科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/055/index.htm)
┣原子力人材育成作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/079/index.htm)
┣核融合研究作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/056/index.htm)
┣核不拡散・核セキュリティ作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/076/index.htm)
┣原子力施設廃止措置等作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/088/index.htm)
┗研究施設等廃棄物作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/057/index.htm)
┗核融合科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/074/index.htm)
┗原型炉開発総合戦略タスクフォース
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/078/index.htm)
┗調査研究協力者会議等(研究開発)
┗◆【New】「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/022/index.htm)

■復興庁
┣福島12市町村の将来像に関する有識者検討会
(http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/20141226184251.html)
┗◆【New】原子力災害からの福島復興再生協議会
(http://www.reconstruction.go.jp/topics/000818.html)

■環境省
┗東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する
 専門家会議
(https://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/conf01.html)

■厚生労働省
┗薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会放射性物質対策部会)
(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-yakuji.html?tid=127896)

━・・・━━ 原子力国際関連情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・━・

OECD/NEA Monthly News Bulletin(2019年3月)

OECD/NEAが毎月発行しているニュース速報の目次(日本語仮訳)をお届けいた
します。ご関心あるトピックについて、下記リンク先よりニュース本体や資料
等をご覧いただけますと幸いです。
http://www.oecd-nea.org/general/mnb/2019/march.html

<目次>
1.新着情報:New at the NEA
・国別安全文化フォーラムをフィンランドにて開催(3月6〜7日、ヘルシンキ)
http://www.oecd-nea.org/news/2019/2019-02.html
・NEA事務局長が初のオーストラリア訪問
http://www.oecd-nea.org/?utm_source=mnb&utm_medium=email&utm_campaign=march2019
・原子力教育・スキル・技術に関する枠組み(NEST)協定が発効
http://www.oecd-nea.org/nest/nest_flyer.pdf
・NEA事務局がロシアにハイレベル・ミッションを派遣(2月15日)
http://www.oecd-nea.org/?utm_source=mnb&utm_medium=email&utm_campaign=march2019
・持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関するG20関係閣僚
 会合に向けた準備会合に出席(2月12〜13日、東京)
・科学技術分野におけるジェンダー・ギャップの克服に向けて(最新動画)
https://www.youtube.com/watch?v=i_nVJhgdthM&feature=youtu.be
・フランス原子力学会とNEA共催による原子力イノベーション・ブート・
 キャンプ(8月19〜30日、パリ)が決定
http://nuclearinnovationbootcamp.org/

2.最新刊行物:New publications
・原子力法ブレティンNo.101を発刊
http://www.oecd-nea.org/law/nlb/nlb101.pdf

3.原子力開発:Nuclear Development
・原子力エネルギーの未来へのイノベーションに関するグローバルフォーラム
 (6月10〜13日、慶州)登録受付中 https://www.globalnuclearinnovation.com/

4.放射性廃棄物管理:Radioactive waste management
・放射性廃棄物管理におけるメタデータ利用に関するレポート
http://www.oecd-nea.org/rwm/pubs/2018/7378-metadata-rwm.pdf

5.原子力法:Nuclear law
・NEA 原子力法エッセンシャル国際研修コースを開催(2月18〜22日、パリ)
http://www.oecd-nea.org/law/inle/
・NEA国際原子力法スクール(3月31日締切、8月26日〜9月6日、仏モンペリエ)
 の登録受付開始
http://www.oecd-nea.org/law/isnl/

6.原子力科学・データ:Nuclear science and data
・原子炉システムの科学的課題に関する作業部会(WPRS)が年次会合を開催
 (2月18〜22日)
・核燃料サイクルの科学的課題に関する作業部会(WPFC)が年次会合を開催
 (2月6日)
・新たなコンピュータ・コード及びデータ・ライブラリ (限定配布)

OECD/NEA Monthly News Bulletin(英語版)のメール配信やDatabankオンライン
サービスへの登録を希望される方は、こちらをご覧願います。
 http://www.oecd-nea.org/general/register/

【ご参考】 上記のほか、OECD/NEAが最近公表した主要な資料・報告書をお知
らせいたします。
・原子力エネルギー・データ2017: Nuclear Energy Data 2017
https://www.oecd-nea.org/ndd/pubs/2017/7365-ned-2017.pdf 
・NEA戦略プラン2017-2022: NEA Strategic Plan 2017-2022 
http://www.oecd-nea.org/general/about/strategic-plan2017-2022.pdf
・原子力法ブレティン第100号:  Nuclear Law Bulletin No. 100
http://www.oecd-nea.org/law/nlb/nlb100.pdf
・緊急時対応と備えに関するオールハザードアプローチに向けて:
Towards an All Hazards Approach to Emergency Preparedness and Response
 http://www.oecd-nea.org/rp/pubs/2018/7308-all-hazards-epr.pdf


●次号配信は、2019年4月26日(金)午後の予定です。
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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
原子力委員会:岡 芳明委員長、佐野 利男委員、中西 友子委員
○メルマガへの御意見・御感想はこちらへ(お寄せいただいた御意見に対しては、
原則として回答致しませんが、今後の原子力委員会の業務の参考とさせていた
だきます。)
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、御返信いただけません。
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