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第264号 原子力委員会メールマガジン



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.264 ━━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2019年2月22日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆

┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣委員からひとこと
┣ 会議情報
┃  (2月12日) 
┃  ・安全研究センターの研究活動について(日本原子力研究開発機構)
┃  (2月19日) 
┃  ・国立研究開発法人日本原子力研究開発機構が達成すべき業務運営
┃     に関する目標(中長期目標)の変更について(諮問)(文部科学省)
┣ 原子力関係行政情報
┣ 原子力国際関連情報
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━・・・━━ 委員からひとこと ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・
東京電力福島第一原発事故の放射能汚染について(その2)

                             中西 友子

2011年3月11日に起きた東日本大震災でもたらされた福島第一原子力発電所
事故により放射性核種が広い範囲に降った(フォールアウト)。当然ながら
最も重要な問題は、どこにどう降ってきてどのように蓄積されたかを知ること
である。事故が起きた3月11日はまだ寒い時期であり、畑においては、農作物
はムギを除き作物はほとんど栽培されていなかった。東北地方では、ムギの
根元の土を踏みしめるムギ踏みと呼ばれる光景がそろそろ終わりに近づく時期
でもあった。

土壌を採取してイメージングプレートと呼ばれる測定板の上に載せて、放射性
物質の分布状態を可視化させてみると、フォールアウトはスポット状に不均一
に分布している像が得られた。ということは、土壌の特定の粒子に放射性核種
が吸着している可能性を示していることになる。そこで、土壌粒子を大きさ
ごとに分けてみると、非常に細かい粒子(粘土)と土壌に含まれる植物などの
有機物に固定されており、大きな土壌粒子には殆ど吸着されていないことが
判った。この細かい粒子に固定した放射性核種は薬品処理では殆ど土壌から
除去することはできない。これが後の、除染のために除去された表土の処理に
困っている原因のひとつになっている。

では放射性核種は土壌中、時間と共にどの位の速さで下方に移動するのだろう
か。深さに沿った放射線量の変化を調べるため、福島県の各地に直径10cmほど
の筒が埋められた。この筒の中を、ゆっくりと放射線検出器を下げていき、
放射線量の変化が調べられた。当初、表層近くに存在していた放射性セシウム
は、事故後3か月目の測定では約2㎝下方に動いた。しかしその次の3か月目
には雨量が3倍になったにも関わらず、約5㎜しか下方に動かなかった。つまり
、時間の経過と共に土壌中の放射性セシウムは土壌表面付近からあまり動かな
くなったのである。現在では、年に1~2㎜ほど下方に動いている。

かつて、1960年代、日本にはグローバルフォールアウトと呼ばれた放射性核種
が降り注いだ時期があった。米ソなどが大気圏内での核実験を繰り返していた
時期である。実はその頃に降ってきた放射性セシウムは、かなり減衰しては
いるものの、まだ日本各地で検出することができる。2011年時にフォールアウト
が降らなかった地域において「この放射性セシウムの土壌中の鉛直方向の分布
を測定したところ、現在では、土壌表面から7~8㎝ほど下に移動している
ことが判った。つまり、50~60年ほどかけて表面から動いた放射性セシウムの
スピードは年1~2㎜ほどであり、福島県内で測定した土壌中のフォールアウト
の移動とほぼ同様な速度で下方に動いていることが判ったのである。

次回は今回に引き続き土壌汚染の状況に関して、さらに掘り下げて述べてみたい。

━・・・━━ 会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━・

●原子力委員会の会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は霞ヶ関周辺で
開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料は、すべて原子力
委員会ウェブサイト(以下URL)で御覧いただけます。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●2月12日(火)の会議の概要は以下のとおりです。詳しくはウェブサイトに
掲載される議事録を御覧ください。

【議題1】安全研究センターの研究活動について(日本原子力研究開発機構)

<主なやりとり等>
 原子力機構より、安全研究センターの研究活動についてご説明いただき、
 委員より震災後の予算措置の増減などについて質問がありました。

●2月19日(火)の会議の概要は以下のとおりです。詳しくはウェブサイトに
掲載される議事録を御覧ください。

【議題1】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構が達成すべき業務運営に
関する目標(中長期目標)の変更について(諮問)(文部科学省)

<主なやりとり等>
 文部科学省より、原子力機構の中長期目標の変更内容についてご説明いただき
 、その後、委員との間で質疑を行いました。

●次回の委員会開催については、以下の開催案内から御確認ください。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/topic/kaisai.htm

━・・・━━ 原子力関係行政情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・

原子力関係の他の行政における委員会等のリンク情報は以下のとおりです。
直近で開催された委員会等がある場合には、【New】マークを付けております。

※URLが改行されてリンクが認識されない場合
URLはクリックせず、文字列全体をURL欄に Copy & Paste してください。

■首相官邸
┗原子力防災会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku_bousai/)
┗原子力災害対策本部
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/)
┗原子力立地会議
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/index/gensiryoku/)

■内閣官房
┗原子力関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_kakuryo_kaigi/)
┗最終処分関係閣僚会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/saisyu_syobun_kaigi/)
┗原子力損害賠償制度の見直しに関する副大臣等会議
(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/genshiryoku_songaibaisho/index.html)
┗「もんじゅ」廃止措置推進チーム
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/monju/index.html)


■経済産業省
┣高速炉開発会議
(http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment.html)
┣エネルギー情勢懇談会
┣高速炉開発会議戦略ワーキンググループ
(http://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/kosokuro_kaihatsu/kosokuro_kaihatsu_wg/index.html)

■資源エネルギー庁
┣総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会
(http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/21.html)
┗◆【New】原子力小委員会
(http://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/index.html)
┣自主的安全性向上・技術・人材WG
┣放射性廃棄物WG
┣地層処分技術WG
┗原子力事業環境整備検討専門WG
┗電力基本政策小委員会
┣総合資源エネルギー調査会基本政策分科会
(http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/)
┣長期エネルギー需給見通し小委員会
┣発電コスト検証WG
┗電力需給検証小委員会
(http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/18.html#denryoku_jukyu)
┗電力システム改革貫徹のための政策小委員会
(http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/kihonseisaku/denryoku_system_kaikaku/001_haifu.html)
┗エネルギー情勢懇談会
(http://www.enecho.meti.go.jp/committee/studygroup/#ene_situation)
┗使用済燃料対策推進会議
(http://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/index.html)

■原子力規制委員会
(https://www.nsr.go.jp/)
┗◆【New】原子力規制委員会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/index.html)
┣合同審査会(原子炉安全専門審査会・核燃料安全専門審査会)
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_kakunen/index.html)
┣放射線審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/houshasen/index.html)
┣国立研究開発法人審議会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nrda/index.html)
┣◆【New】量子科学技術研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/nirs/index.html)
┣日本原子力研究開発機構部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/nrda/jaea/index.html)
┣原子力規制委員会政策評価懇談会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/seihyou_kondan/index.html)
┗原子力規制委員会行政事業レビューに係る外部有識者会合
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/gyousei_gaibu/index.html)
┗原子炉安全専門審査会 原子炉火山部会
(https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/roanshin_kazan/00000002.html)

■文部科学省
┗原子力科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/055/index.htm)
┣原子力人材育成作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/079/index.htm)
┣核融合研究作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/056/index.htm)
┣核不拡散・核セキュリティ作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/076/index.htm)
┣原子力施設廃止措置等作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/088/index.htm)
┗研究施設等廃棄物作業部会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/057/index.htm)
┗◆【New】核融合科学技術委員会
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/074/index.htm)
┗原型炉開発総合戦略タスクフォース
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/078/index.htm)
┗調査研究協力者会議等(研究開発)
┗「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/022/index.htm)

■復興庁
┣福島12市町村の将来像に関する有識者検討会
(http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/20141226184251.html)
┗原子力災害からの福島復興再生協議会
(http://www.reconstruction.go.jp/topics/000818.html)

■環境省
┗東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する
 専門家会議
(https://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/conf01.html)

■厚生労働省
┗薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会放射性物質対策部会)
(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-yakuji.html?tid=127896)

━・・・━━ 原子力国際関連情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・

OECD/NEA Monthly News Bulletin(2019年2月)

OECD/NEAが毎月発行しているニュース速報の目次(日本語仮訳)をお届け
いたします。ご関心あるトピックについて、下記リンク先よりニュース本体
や資料等をご覧いただけますと幸いです。
http://www.oecd-nea.org/general/mnb/2019/february.html

<目次>
1.新着情報:New at the NEA
・電力市場の脱炭素化:原子力と再生可能エネルギーが高いシェアとなる
市場のシステム・コストに関するレポート公表イベントを開催. 
(ハンガリー・ブタペスト)
http://www.oecd-nea.org/news/2019/2019-01.html?utm_source=mnb&utm_medium=email&utm_campaign=february2019
(レポート)
http://www.oecd-nea.org/ndd/pubs/2019/7299-system-costs.pdf?utm_source=mnb&utm_medium=email&utm_campaign=february2019
・上記レポートに関するウェビナー録画ビデオ
http://www.oecd-nea.org/ndd/webinars/2019/system-costs/?utm_source=mnb&utm_medium=email&utm_campaign=february2019
・欧州委員会がNEAを訪問し更なる協力を議論(1月31日)

2.最新刊行物:New publications
・NEA News Volume 36.2 を発刊
https://youtu.be/IZtKt_6XqHs

3.原子力安全技術・規制:Nuclear Safety Technology and Regulation
・原子力発電所のリスク管理の改善(電力中央研究所原子力リスク研究
  センターとNEAリスク評価作業部会がワークショップを開催
  (1月29~30日、東京))
・廃炉戦略策定に資するポスト福島安全研究に関する会合を続けて開催
 ・福島第一原発の格納容器等から得られる情報の分析(ARC-F)に関する
  プロジェクト会合(1月22~23日、NEA本部)
 ・福島第一原発の廃炉状況とNEAポスト福島関連活動に関する合同ワーク
  ショップ(1月24日)
 ・燃料デブリ分析の予備的検討(PreADES)に関するプロジェクト会合
  (1月25~29日)

4.放射線防護:Radiological Protection
・新設のNEA環境修復マネジメントに関する専門家グループが第1回会合を
  開催(1月10~11日)

5.放射性廃棄物管理:Radioactive waste management
・原子力バックエンド活動における遠隔・ロボティクスシステムの適用に
  関するワークショップを開催(1月30~31日、仏マルクール)
・放射性廃棄物管理における情報、データ及び知識管理に関するワークショ
  ップを開催(1月22~24日、NEA本部)
5.原子力法:Nuclear law
・NEA国際原子力法スクール(ISNL)の登録受付(3月31日締切、8月26日~
  9月6日、仏モンペリエ)
http://www.oecd-nea.org/law/isnl/?utm_source=mnb&utm_medium=email&utm_campaign=february2019
・原子力事故時の損害賠償に関する第4回国際ワークショップ開催のお知らせ
  (10月8~9日、スペイン)

6.原子力科学・データ:Nuclear science and data
・福島第一原発における過酷事故進展のシナリオ分析を踏まえた燃料デブリ
  と核分裂生成物の熱力学的性状把握(TCOFF)に関するプロジェクト会合
  を開催(1月31日~2月1日)
・コンピュータ解析コードの最新状況に関する研修コースを実施
  (1月28日~2月1日)
・新たなコンピュータ・コード及びデータ・ライブラリ (限定配布)

OECD/NEA Monthly News Bulletin(英語版)のメール配信やDatabankオンライン
サービスへの登録を希望される方は、こちらをご覧願います。
http://www.oecd-nea.org/general/register/

【ご参考】 上記のほか、OECD/NEAが最近公表した主要な資料・報告書を
お知らせいたします。
・原子力エネルギー・データ2017: Nuclear Energy Data 2017
https://www.oecd-nea.org/ndd/pubs/2017/7365-ned-2017.pdf 
・NEA戦略プラン2017-2022: NEA Strategic Plan 2017-2022 
http://www.oecd-nea.org/general/about/strategic-plan2017-2022.pdf
・原子力法ブレティン第100号:  Nuclear Law Bulletin No. 100
http://www.oecd-nea.org/law/nlb/nlb100.pdf
・緊急時対応及び防災に対する包括的アプローチに向けて:
Towards an All Hazards Approach to Emergency Preparedness and Response
http://www.oecd-nea.org/rp/pubs/2018/7308-all-hazards-epr.pdf


●次号配信は、2019年3月8日(金)午後の予定です。
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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
原子力委員会:岡 芳明委員長、佐野 利男委員、中西 友子委員
○メルマガへの御意見・御感想はこちらへ(お寄せいただいた御意見に対しては
、原則として回答致しませんが、今後の原子力委員会の業務の参考とさせて
いただきます。)
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、御返信いただけません。
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