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第109号 原子力委員会メールマガジン 原子力発電所設置者の第一義的責任


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.109 ━━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2012年9月7日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 近藤委員長からひとこと 原子力発電所設置者の第一義的責任
┣ 定例会議情報 平成25年度原子力関係経費概算要求構想ヒアリング
┃        東京電力福島原子力発電所事故に関する国会及び政府の事
┃        故調査・検証委員会による最終報告の公表を受けて
┃        原子力委員会原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委
┃        員会での検討に関する検証チーム報告書の公表を受けて
┃        NDA(英国原子力廃止措置機関)について
┣ 部会情報等  
┣ 事務局だより 娘と私
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━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

原子力発電所設置者の第一義的責任
                              近藤 駿介

 原子力委員会は、過日の臨時会議で、東京電力福島原子力発電所事故に関す
る国会及び政府の事故調査・検証委員会の最終報告を踏まえて、これまでの取
組について反省を述べた。これは、原子力安全規制行政は原子力安全委員会の
所掌であるし、これらの報告書も原子力委員会について特段の指摘を行なって
いるわけではないのであるが、原子力委員会として、これまで関係行政機関に
対して様々な提言を行なってきた中で、安全確保に関する提言も行なってきた
ことを踏まえてのことである。
 例えば、平成12年に取りまとめた原子力の研究、開発及び利用に関する長期
計画においては、「原子力利用を行う事業者は、安全確保の第一義的責任を有
しており、その責任は重大である。事業者が、自主保安活動によって安全確保
の実効性を上げるとともに、安全を最優先させる考えを組織内全体に徹底させ
るため、最善の努力を行うことを期待する。」「安全確保のためにいかなる取
組がなされたとしても、事故発生の可能性を100%排除することはできないとの
前提に立って、事故が発生した場合の周辺住民等の生命、健康等への被害を最
小限度に抑えるための災害対策が整備されていなければならない。今後、住民
の理解を得つつ、国、地方自治体、事業者が連携協力して、原子力災害特別対
策措置法の実効性を確実なものにするよう努めることが必要である。」等とし
たし、平成17年の原子力政策大綱では、「安全確保は世界共通課題であること
や規制活動の国際調和の重要性を踏まえ、国際間で新知見や教訓を共有するこ
とが重要であり、(中略)国内の経験や知見を国際社会と共有して、国際的な安
全基準や規格と我が国の考え方とを整合的なものとしていくこと等にも積極的
に取り組むべきである。」とした。なぜこのような文章が入っているかといえ
ば、原子力利用においては安全確保が大前提であり、そのための取組には万全
を期すべきであるとの原子力基本法の精神を関係者に共有していただくことが
原子力委員会の使命であると考えたからである。
 それゆえ、今回の事故の発生を見て、関係者に対して、なぜもっとしつこく
こうした提言を尊重する取組を行うよう求めなかったのか、さらには、提言の
実現状況を評価する政策評価において関係者の取組にいくつかの問題点を見い
だした際に、法律にある原子力利用に関する重要事項に関する勧告権をなぜ行
使しなかったのかと自問した。その結果、推進と安全規制の分離の原則の前に、
問題を共有するところまでやったのだから、あとは担当機関がしっかりやって
くれるだろうと考えて、それ以上前に出ることを躊躇してしまった、すなわち
制度に過度にとらわれて責任を限定してしまったと結論づけた。
 今後は、新たに原子力規制委員会が発足するのであるから、これが国民に信
頼される安全確保のための優れた規制の取組を推進することを期待するが、上
の使命は引き続き原子力委員会に残る。そこで、この反省を踏まえて、特に安
全の確保に第一義的責任を有する事業者に対して、原子力利用においては安全
確保が大前提であり、これに携わる者は安全の確保に関する責任ある取組を確
実に行なうことが原子力基本法の求めるところであることを肝に銘じ、このよ
うな被害をもたらす事態を二度と起こさないために、報告を踏まえ、技術的、
組織的、そして企業風土の問題点を洗い出し、内外の知恵を動員して、複合災
害でも対応できる危機対応能力の整備に取り組み、それに対する内外の専門家
の評価を定期的に受け、絶えず、これでよいかと自問し、改善に努めているこ
とが見えるようにすることを強く求めていくことにした。原子力発電所を運転
する電気事業者がなすべきは、福島における人々の塗炭の苦しみに思いを至し、
その発生リスクを小さくするこのような取組を多くの運転員、保修員が心を一
つにして行なっていることを立地地域社会のみならず国民一人、一人に伝わる
ように説明し続けることであると考えるからである。

●次号は鈴木委員長代理からのひとことの予定です!

━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●8月28日(火)第36回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】平成25年度原子力関係経費概算要求構想ヒアリング(文部科学省)
<主なやりとり等>
 文部科学省より、平成25年度概算要求構想について説明がありました。
 委員からは、原子力安全確保に関わる基礎基盤研究及び人材育成は今後規制
庁に移管することになるのか、核融合や量子ビームの研究開発を原子力の中核
部分とは異なる位置づけにして欲しいというのは、具体的にはどういうことか、
等の質問がありました。

●8月30日(木)第37回臨時会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】東京電力福島原子力発電所事故に関する国会及び政府の事故調査・
検証委員会による最終報告の公表を受けて
<主なやりとり等>
 国会及び政府の事故調査・検証委員会による最終報告書を踏まえ、これまで
の取組に対する原子力委員会の反省、最終報告書の提言を踏まえた原子力委員
会の今後の取組、等について審議がなされ、決定文が採択されました。
 本決定に当たって、委員からは、安全確保のためには原子力委員会の有する
勧告権の行使も必要であるという強い覚悟を持って取り組んで参りたい、等の
発言がありました。

【議題2】原子力委員会原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会での
検討に関する検証チーム報告書の公表を受けて
<主なやりとり等>
 原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会での検討に関する検証チー
ム報告書を踏まえ、中立性、公正性、透明性の確保を徹底するための今後の取
組等について審議がなされ、原子力委員会が多くの皆様にご迷惑をおかけした
ことへのお詫びを含めて、決定文が採択されました。
 また、原子力委員会の今後の取組に関する具体的なルールとして、「原子力
委員会における「会議」に向けての準備等会合の取扱い(暫定版)」、「原子
力委員会における決定文書(案)を作成する標準的な手順(暫定版)」、「原
子力委員会の法施行事務における審議への関与(暫定版)」についても審議さ
れ、決定されました。

●9月4日(火)第38回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】NDA(英国原子力廃止措置機関)について(一般社団法人海外電力調査
会 上席研究員 奈良長寿氏)
<主なやりとり等>
 一般社団法人海外電力調査会上席研究員奈良氏より、英国において指定原子
力施設の運転、原子力施設の廃止、廃棄物の処理処分、等を行うために、2005
年に設立されたNDA(英国原子力廃止措置機関)の概要について説明がありまし
た。
 委員からは、国民の意見を政策に取り入れるために参考となる取組はあるか、
人材確保に当たって廃止措置機関で働きたいという動機付けをする工夫はある
か、等の質問がありました。

【議題2】平成25年度原子力関係経費概算要求構想ヒアリング(経済産業省)
<主なやりとり等>
 経済産業省より、平成25年度概算要求構想について説明がありました。
 委員からは、直接処分の技術開発に関する予算措置は含まれるのか、等の質
問がありました。

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●次回は9月11日(火)に定例会を開催します。議題は以下のとおりです。
 (1) 我が国のプルトニウム管理状況について
 (2) 近藤原子力委員会委員長の海外出張について
 (3) その他

●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、
霞ヶ関にある合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催
案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。

━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━
●原子力委員会には、調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されてい
ます。これらの部会や懇談会等は原則として一般に公開しており、どなたでも
傍聴することができます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホーム
ページでご覧いただけます。

●専門部会等の開催はありませんでした。

●次週の専門部会等開催情報
・次週は専門部会等の開催は予定されていません。

+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

娘と私

 先日、小学生になったばかりの娘を連れて国会議事堂の見学に行った。娘に
とっては「コッカイギジドー?」といった具合だったかもしれないが、初めて
見るものばかりでそれなりに面白かったようだ。ニュースで国会の様子がテレ
ビに映ると、「ここ行ったよね。」とうれしそうに話しかけてくる。ただ、国
会の役割までは、さすがに理解できなかったようであるが。
 そんな娘から教えてもらったのだが、かの有名な「ドラえもん」は2112年9
月3日が誕生日らしい。先日ちょうど100年前を迎えたことになる。やはり小さ
い子供はドラえもんが大好きなようで、よくリビングのテレビを占領して釘付
けになっている。斯く言う私も、小さい頃は夢中になっていた。
 ドラえもんの魅力はなんといっても次々と出てくる夢のような秘密道具だと
思うが、現在の技術力で実現が可能ではないかと考えられる秘密道具も存在す
るらしい。小さい頃は何もかもが夢のまた夢という感覚であったが、ドラえも
んの誕生まで100年を切った今、それだけ技術の進歩がすごいということなの
か。とはいえ、さすがにどこでもドアやタケコプターの実現可能性は低いので
はないかと思ってしまうが、娘曰く「100年あれば何でもできるようになるよ!」
とのこと。たしかに、10年後、20年後の将来を空想するのであれば、現実的に
考えないといけないのかもしれないが、100年未来の空想であれば夢を持ち続
けるのもいいのではないかと思う。
(利根川)

●次号配信は、平成24年9月21日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
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