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第90号 原子力委員会メールマガジン 原子力政策への国民の意見


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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2011年11月25日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 秋庭委員からひとこと  原子力政策への国民の意見
┣ 定例会議情報 原子力損害賠償に関する条約について
┃        平成24年度原子力関係経費概算要求ヒアリング 等
┣ 部会情報等  
┣ 事務局だより 初心
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.htmlまで、ぜひお寄せください。

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

原子力政策への国民の意見
                              秋庭 悦子

 福島第一原子力発電所の事故から8か月が過ぎましたが、先日、冷温停止状
態の年内達成は可能という発表がありました。高線量の中での作業など多くの
人たちの懸命なご努力に心より感謝いたします。また、発電所の外では、9月
末には緊急時避難準備区域が解除され、除染活動が盛んに行われています。1
日でも早く、避難なさっている方たちが自宅に戻り、安心して暮らせるように
願っています。

 さて、原子力委員会では9月27日に新大綱策定会議を再開し、事故後の原子力
政策について、様々なお立場の委員の皆様から熱心に議論していただいていま
す。また、国民の皆様からもホームページを通じて、原子力政策について1万件
以上ものご意見をいただいていますが、その90%以上が原子力を廃止し、直ちに
あるいは段階的に再生可能エネルギー等に転換すべきというご意見です。ただ
し、これは原子力委員会に積極的にご意見を出してくださった方のご意見であ
ることに留意する必要があります。

 また、無作為で広く意見をいただく世論調査となると少し意見の割合が変わ
ってきます。文科省科学技術政策研究所は、今後の科学技術の推進に資する基
礎的なデータを得ることを目的として、2009年11月から毎月1回ネット調査を実
施していますが、このうち本年9月22日〜27日に行った「今後の原子力発電の利
用に対する考え方」の調査結果は、今後、原子力発電を「積極的に推進してい
く」が2.8%、「慎重に推進していく」が20.9%、「現状を維持する」が12.2%で、
推進、現状維持をあわせた回答が35.9%となっています。やはり、反対の声の方
が多いのですが、その割合は「現状より減らす」40.2%、「現在動いている全て
の原子力発電を止める」17.1%の57.3%に留まっています。ただし、この反対の
割合は4月下旬と比べると増加しています。

 しかし、ネット調査ではなかなか読み取れない意見もあります。やはり顔を
合わせて話し合いながらご意見を聞くことも大変重要です。例えば全国に54基
あるプラントのうち、現在はたった10基しか稼働していませんが、安全性を心
配しつつも町の産業や雇用なども考える必要があり、揺れ動いている方も多い
と聞いています。このような心の動きは調査結果の数字からはなかなか読み取
ることができません。

 先日、敦賀の女性たちと懇談しましたが、地元経済への影響を心配しつつも
「原子力と共に生きている地域なので、例え原子力発電を止めることになって
も、私たちが背負っていかねばならないことが一杯あることをわかっていただ
きたい。廃炉にすることになったとしてもリスクもあります。」「今後の原子
力発電で心配なことは人材です。安全に発電するためにも、あるいは廃炉にす
るにしても今まで以上に優秀な人材が必要だと思いますが、このままでは原子
力を専攻する学生が少なくなるのが心配。国が学費を免除するなど優遇して人
材を養成するべきです。」など活発にご意見をいただきました。
また、柏崎の友人からは「過去に原子力発電所を受け入れるかどうかについて、
住民は賛成、反対に分かれて大変な騒ぎになって、ようやく受け入れました。
その後、地域と原子力発電所が共存共栄を目指していたのに、この度の福島の
事故で原子力を止める、止めないと騒ぎになっています。自分たちが使う電気
ではなく、首都圏に送る電気のためにどうしてこんなに翻弄されるのでしょう
か」と電話をいただきました。

 原子力政策の検討に当たっては国民的な議論が必要だと言われていますが、
どうすれば、できるだけ多くの方が議論に参加し、また有意義な議論にするこ
とができるのか、なかなか難しいところです。いくつかの方法を組み合わせる
必要があると思いますが、さらに重要なことはその国民的な議論の結果が政策
にきちんと反映されることではないでしょうか。原子力への国民の信頼を回復
するには、まずは国民的な議論のあり方をみんなで議論することから始める必
要があると思っています。

●次号は大庭委員からのひとことの予定です!

━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●11月15日(火)第45回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】原子力損害賠償に関する条約について(文部科学省)
<主なやりとり等>
 文部科学省より、原子力損害賠償に関する国際条約のうち、米国が批准して
いるCSC(Convention on Supplementary Compensation for Nuclear Damage)
について、我が国が加入する場合の意義と課題等の説明がありました。
 委員からは、何故我が国がこれまでこのような国際条約に加盟しなかったの
か、東京電力(株)福島第一原子力発電所事故の発生により、今後国際条約を修
正するような動向はあるのか、等の質問がありました。
 
【議題2】平成24年度原子力関係経費概算要求ヒアリング(国土交通省、農林水
産省、消費者庁)
<主なやりとり等>
 国土交通省、農林水産省及び消費者庁より、平成24年度原子力関係経費概算
要求について説明がありました。
 委員からは、農林水産省に対して、除染作業等に対する開発・検証の成果を
今後どのように活かしていくのか、消費者庁に対して、食品と放射能に関する
リスクコミュニケーション活動を継続的に行って欲しい、等の質問・要望があ
りました。

【議題3】秋庭原子力委員会委員の海外出張について
<主なやりとり等>
 秋庭委員より、11月20日から27日にかけてスイス・フランスへ出張すること
について説明がありました。両国において、今後の原子力政策及び原子力関連
施設の地域住民に与えた東京電力(株)福島第一原子力発電所事故の影響につい
て、関係者と意見交換等を実施する予定です。

●11月22日(火)第46回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】平成24年度原子力関係経費概算要求ヒアリング(厚生労働省、総務省、
原子力安全委員会、外務省、環境省、原子力委員会)
<主なやりとり等>
 厚生労働省、総務省、原子力安全委員会事務局、外務省、環境省、原子力委
員会事務局より、平成24年度原子力関係経費概算要求について説明がありまし
た。
 委員からは、環境省に対して、除染作業の計画は環境省と国家戦略室のどち
らが主導するのか、除染後の廃棄物処理に当たっては、海外知見を活用しなが
ら他の関係機関と連携を取って進めて欲しい、等の質問・要望がありました。
 
※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●次回定例会議は11月29日(火)に開催します。議題は以下のとおりです。
・平成24年度原子力関係経費概算要求ヒアリング(文部科学省、厚生労
 働省、経済産業省、警察庁)
・北陸電力株式会社志賀原子力発電所の原子炉の設置変更(1号及び2号
 原子炉施設の変更)について(諮問)(原子力安全・保安院)
・近藤原子力委員会委員長の海外出張について
・大庭原子力委員会委員の海外出張について
・その他

●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、
霞ヶ関にある合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催
案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。

━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━
●原子力委員会には、調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されてい
ます。これらの部会や懇談会等は原則として一般に公開しており、どなたでも
傍聴することができます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームペ
ージでご覧いただけます。

●今週は、専門部会や懇談会等の公開はありませんでした。

●次週の専門部会等開催情報
・11月30日(水)に新大綱策定会議(第9回)を開催します。
 開催日時:平成23年11月30日(水) 9時00分〜12時00分
 開催場所:全国都市会館 大ホール
      (東京都千代田区平河町2−4−2)
 議題:・核燃料サイクルコスト、事故リスクコストについて
    ・原子力発電、核燃料サイクルの意義について
    ・その他

+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

初心

 先日、国家公務員を目指す学生にリクルーター活動をする機会があった。少
人数制の座談会形式ということもあったのか、志望動機や政策内容に関する典
型的な質問の他にも、失敗談や休日の過ごし方などざっくばらんな質問も多く
あり、予定していた時間はあっという間に過ぎてしまった。この“学生とお話
をする機会”というものは、説明する側にとっても非常に有意義である。そし
て、今回も例外ではなく、この機会を通じて再認識させられることがあった。
それは、己の「初心」である。

 「なぜ公務員になるという道を選択したのか。」、「社会人になるとき決意
したことは何か。」、「今の部署に異動したときにどんな思いを抱いていたか。」、
学生を前にして、偉そうなことを言う。学生に向けて発した言葉は、すぐに自
分に跳ね返ってくる。そしてはっと気づかされる。「今の環境に慣れすぎてい
ないか?」、「向上心を失っていないか?」と。

 原子力政策担当室に着任して、早いもので1年半が経った。まだまだ勉強不
足を痛感しつつ、新たな原子力政策大綱の策定に向けて、自分が何をできるか
をしっかりと考えながら、成長し続けていきたいと思う。
(利根川)

●次号配信は、平成23年12月9日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ
 https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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