● | 責任の曖昧な「国策民営」ではなく、原子力の経済リスクの責任を明示すべき |
今後、日本の電力市場も自由化に向かうことは不可避であり、今後は一般電気事業者の「回収不能費用」負担の問題をはじめとする原子力の「経済リスク」の責任(および負担)の所在を明確にすべき。 |
● | 「原発モラトリアム」(原発新増設と再処理の凍結)を主要オプションとしたエネルギー政策の検討へ |
「原発モラトリアム」は、電力会社の経営リスクを最小化し、かつ国民の「不安」と期待に真正面から応えることの出来るぎりぎりの合意点と考える。現時点での原子力(軽水炉)の拡大は、以下の点から適切ではない。すなわち、電力会社への経営リスクの大きさ、技術と市場のトレンドへの逆行、国民の大きな「不安」、高レベル廃棄物処分の国民合意の不在、そもそも目指すべき「持続可能なエネルギー」ではないこと。 |
● | 再処理プルトニウム路線廃棄と「もんじゅ」廃炉 |
再処理プルトニウム路線は、原発拡大以上に経済的・政治的に非現実的であり、合理性も正当性もない。とりわけ、破綻の見えている六ヶ所村再処理工場は国家経営上の「浪費」である。また「もんじゅ」の再開は、日本だけで孤立した技術開発、技術体系の不在、技術と市場のトレンドへの逆行などから、限られた研究資源の投入を正当化しうる理由は見あたらず、廃炉が妥当。 |
● | 過小評価されすぎている自然エネルギーとエネルギー効率化の可能性 |
自然エネルギーとエネルギー効率化の可能性が、あまりにも過小評価。2010年までに風力発電とバイオマスを中心に自然エネルギー発電を3.2%(1997年)から12.5%(水力発電を除く)に拡大する指令案を提示したEUの例に倣うべき。エネルギー効率化でも、小規模分散型のコージェネの普及拡大と電力の熱利用の削減に軸足を置き、環境税の導入を含めた効率化を促進する適切な政策環境を形成することで促進可能。 |