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第173号 原子力委員会メールマガジン 科学技術利用における未知の領域

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.173 ━━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2015年4月24日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 委員からひとこと 科学技術利用における未知の領域
┣ 会議情報 
┃  (4月21日)
┃   ・原子力委員会専門部会等の廃止について
┃   ・原子力委員会専門部会運営規程等の改定について
┃   ・国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」集中改革
┃    について
┃    (国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 理事 三浦幸俊氏)
┃   ・原子力利用の「基本的考え方」について
┃    (国立研究開発法人産業技術総合研究所 名誉フェロー 中西準子氏)
┣ 事務局だより 緑のカーテン2
┣ 採用情報
┃   ・政策企画調査官、上席政策調査員又は政策調査員の募集について
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━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・

科学技術利用における未知の領域

                               岡 芳明

 科学技術の探究において、未知の領域は残る。未知の部分があるから、科学
技術の研究が必要である。

 科学技術を利用する時は、未知の領域を回避して製品を作ったり、信頼性、
安全性を向上する仕組を製品に作り込んだりできる。しかし、人間は万能の神
ではないので、リスクをゼロにすることは不可能である。

 科学技術を利用する場合、未知の部分は相対的に大きくないと考えられるこ
と、現時点でベストを尽くしていることを理解してもらう必要があろう。さら
に、決定に至る思考のプロセスや、根拠が国民に見える形にする必要もある。

 その時点でベストを尽くした例としては、例えば過去(約30年前)に、米
国の原子炉規制で当時解明できていなかった水蒸気爆発のリスクを、専門家
(研究実績のある第一線の専門家)集団の意見をとりまとめて、米国原子力規
制委員会がそのリスクの規制判断をした例などがある。専門家の意見や投票結
果は、公開されている。なお、水蒸気爆発はその後の研究開発により、大きい
リスクではないことが判明してきている。

 放射線被爆による晩発性影響(発ガン性)は広島長崎の被爆者の長年の追跡
調査などにより、一定線量以上では判明している。低線量では学問的には未知
の領域にあることは、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)
の報告書にも述べられている。これに対して国際放射線防護委員会(ICRP)は
放射線防護の考え方、すなわち不確実性に対する正当な対処の仕方の思考の過
程を示している。

 科学的に未知の領域がある場合は、国民に不安感を与え、それによる強い社
会的反応を生じたりしがちであるが、数値そのものの議論よりも、基準値を決
めるプロセスとその基盤となる科学的データを、策定に関わった専門家の判断
に至った思考過程とともに開示し、説明することが重要ではなかろうか。

 なおUNSCEARは2013年の報告書では、東電福島事故での住民の放射線被
曝による影響について「認識できる被ばくリスクはない」としており、むしろ
精神的・社会的な面での健康影響が懸念されると述べている。

 未知の領域の探求は科学者の使命であるが、東電福島事故においては放射線
リスクのみが語られることで、放射線以外の健康被害や風評被害を生じている
との意見もある。原子力事故の精神的・社会的影響の低減については、より広
い視点から対処する必要があろう。

●次号は阿部委員からのひとことです!

━・・・━━ 会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━・
●原子力委員会の会議を傍聴にいらっしゃいませんか。会議は霞ヶ関周辺で開
催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料は、すべて原子力
委員会ウェブサイト(以下URL)で御覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●4月21日(火)の会議の概要は以下のとおりです。詳しくはウェブサイトに
掲載される議事録を御覧ください。

【議題1】原子力委員会専門部会等の廃止について
<主なやりとり等>
 研究開発専門部会、核融合専門部会、政策評価部会、国際専門部会及び東京
電力(株)福島第一原子力発電所における中長期措置検討専門部会の廃止につ
いて決定されました。

【議題2】原子力委員会専門部会運営規程等の改定について
<主なやりとり等>
 原子力委員会専門部会運営規程等の改定について、当初案を修正のうえ、決
定されました。

【議題3】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」集中改革
について
<主なやりとり等>
 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」集中改革について、
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構より説明があり、委員からは、もん
じゅが実際に動き始めた後の研究の見通し等について質問がありました。

【議題4】原子力利用の「基本的考え方」について
<主なやりとり等>
 原子力委員会で議論を進めている原子力利用の「基本的考え方」の策定に向
けて、国立研究開発法人産業技術総合研究所 名誉フェロー 中西準子氏より御
意見を聴取しました。中西氏からは、「福島県における放射線リスク評価と管
理、その壁は何か」とのテーマで御説明があり、リスクをどこまで受容できる
かについて考えていく必要があること等の意見がありました。また、委員から
は、家族の離散による精神面の影響についてどのように扱うべきか等の質問が
ありました。

●次回の委員会開催については、以下の開催案内からご確認ください。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/topic/kaisai.htm

━・・・━ 事務局だより ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

緑のカーテン2

 昨年11月1日に開始されたウォームビズが3月31日に終了しました。そう
なると今年のクールビズはいつからかなと気になるところです。最近は温暖化
対策と節電のため1か月前倒しの5月1日に開始されているので、近く開始日
の通達があるかもしれません。
 気象庁の暖候期予報によると、今年の夏の気温は東日本では暖かい空気に覆
われやすく、平年並か高いとのことです。我が家の西側は日当たりが良く午後
の日差しは厳しいものがありますが、昨年は区役所からゴーヤの苗を入手して
緑のカーテンを作り節電に協力できました。今年は種から育ててみようと種を
購入し、ゴーヤチャンプルが食卓を飾れるように、堆肥などの準備をしている
ところです。
 昨年の晩秋に種を植えたホウレン草や水菜は、芽が出てから成長が止まり一
冬過ごしましたが、2月中旬から急に成長を始めて立派に育ちました。ゴーヤ
の周辺には背の低い野菜を植え、食費の節約にもつなげたいと考えています。

(山中)

━・・・━ 採用情報 ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・

政策企画調査官、上席政策調査員又は政策調査員の募集について

 今般、原子力委員会の庶務を担い、原子力の研究、開発及び利用に関する調
査、企画、立案等を行っている内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション
担当)組織において、技術動向調査担当、情報発信担当及び国際担当の政策企
画調査官、上席政策調査員、又は、政策調査員として勤務いただく方を募集し
ております。

 詳細については、以下URLを御覧ください。
 https://www8.cao.go.jp/jinji/saiyo/sonota/20150420_kagi.pdf

 皆様の御応募をお待ちしております!

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●次号配信は、平成27年5月15日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○メルマガへの御意見・御感想はこちらへ
 https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、御返信いただけません。
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