御意見・御質問 内閣府共通検索 ENGLISH
利用規約 リンク 所在地情報 ウェブアクセシビリティ
原子力委員会について 会議情報 決定分・報告書等 活動紹介 分野別情報 メールマガジン

原子力委員会ホーム > メールマガジン配送サービス > バックナンバー

メールマガジン
第89号 原子力委員会メールマガジン コスト試算の読み方:数値の独り歩きを避けるために

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No.89━━━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
             2011年11月11日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 鈴木委員長代理からひとこと
┃        コスト試算の読み方:数値の独り歩きを避けるために
┣ 定例会議情報 第18回日仏原子力専門家会合(N-20)の結果について
┃        東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を踏まえた核セ
┃        キュリティ上の課題への対応について
┃        核燃料サイクルコスト・将来リスク対応費用試算結果報告
┃        について 等
┣ 部会情報等  原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会の開催に
┃        ついて 等
┣ 事務局だより 雑感
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.htmlまで、ぜひお寄せください。

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

コスト試算の読み方:数値の独り歩きを避けるために
                             鈴木 達治郎

本日11月11日は東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故からちょう
ど8か月にあたります。実は3月11日のメルマガも私が担当でした。不思議な巡
り合わせですが、被災者・避難を余儀なくされている方々、放射能汚染に不安
な毎日を送られている方々に、一日でも早く安心していただけるよう、全力を
尽くすことを改めて決意する日とさせていただきたいと思います。

さて、原子力委員会では、「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」
(以下「検討小委」)を設置して、10月11日から集中して議論を続け、このた
び核燃料サイクルコスト、事故リスク対応コストの2つについて試算結果を発表
しました。既に新聞で報道されていますが、どうしても数値が独り歩きする傾
向が避けられません。本来は数値のみならず、その算出の前提や考え方を同時
に理解していただくことが重要と考えていますので、今回はこの試算結果の読
み方について簡単に説明させていただきます。

(1)	核燃料サイクルコスト試算とその意味
 核燃料サイクルコストについては、「モデルプラント」のコスト試算を行っ
ているのですが、これは理論的な核燃料サイクルとして、使用済燃料を「全量
再処理」するモデルと「直接処分」するモデルで計算しました。「現実的では
ない」とのご批判もありますが、「再処理」と「直接処分」という異なる核燃
料サイクル路線の特徴やコスト差を理解するための試算です。また、現実に基
づく最新のデータを用いていますので、非現実的なコストではありません。一
方、「現状モデル」の位置づけですが、これは「全量再処理」といっても、現
実には一部再処理を行い、その他は中間貯蔵後再処理としているため、その現
状を反映した試算です。このコストは、二つのモデルのほぼ中間に位置し、前
回(平成16年)と比較すると、ウラン価格は上昇しましたが、使用済燃料の貯
蔵期間を前回より長く設定した結果、多少燃料コストが低下しました。
 感度解析を実施することにより、今後の核燃料サイクルコストの動向を見る
うえで、どのコスト要因が重要かを判断することができます。フロントエンド
では、ウラン燃料単価、バックエンドでは再処理等の単価が重要であり、埋設
処分の単価はいずれの場合も大きな影響を及ぼさないことがわかりました。
 また、将来の政策変更のコストも検討すべき、とのご意見がありますが、こ
れは次の作業となる「核燃料サイクルのオプション(シナリオ)」分析におい
て、シナリオ毎の総コストの計算、ならびに「コスト以外に検討すべき政治・
社会的影響」なども検討することとしています。

(2)	事故リスク対応コストの不確実性とその対応費用の意味
 事故リスク対応コストでは、総損害額と事故確率、ともに極めて不確実な状
況での試算結果ですので、もともと数値そのものに多大な意味を持たせること
は危険です。むしろ、総損害額を試算するときに、どの程度の範囲に損害が広
がるのか、その損害は事故後の対応策によりどの程度変化するのかなど、今後
の安全対策や事故対応策の検討にも役立つ試算となります。とはいえ、総損害
額が大まかにどの程度かかるのかはやはり重要なデータにはなりますので、慎
重に前提を定めて試算をしてみました。根拠が得られない数字についてはあえ
て含まないこととしましたが、これは現時点での数値が「上限」ではないこと
を意味しています。損害額が増加することにより、コストにどの程度影響を与
えるのか、という感度解析がむしろ重要な意味を持つと思います。そこで、今
後損害額が1兆円増加するごとにいくらコストが上昇するか、の目安も含めるこ
とで、今後の試算に資することとしました。
 事故確率については意見が分かれましたので、あえて特定の確率を適用する
ことは避け、それぞれの確率の意味するところを明記することとしました。ま
た、事故確率が極めて低いが巨大な損害をもたらす事故のリスクについては、
通常とは異なった保険制度(相互扶助制度による保険プール)があるとの考え
方に基づき、「保険料」の計算方法とその試算結果も提示しました。この考え
方は、実は原子力損害補償をめぐる国際的動向と深く関係している点も重要と
考えています。

 これらの試算結果を見ると、前提条件でコストは大きく異なることがわかり
ますが、どの条件がコストに大きな影響を与えうるのか、が明らかになったと
思います。いずれにせよ、数値が独り歩きしないよう、その前提、計算手法、
根拠となる考え方やデータをすべて開示して、透明性の高い試算結果としたつ
もりです。それらをもとに、より建設的で冷静な政策議論に役立つことができ
れば幸いです。

●次号は秋庭委員からのひとことの予定です!

━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●11月1日(火)第42回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】第18回日仏原子力専門家会合(N-20)の結果について(社団法人日本原
子力産業協会 理事長 服部拓也氏)
<主なやりとり等>
 日本原子力産業協会から、10月18日-19日に東京で開催された第18回日仏原子
力専門家会合(N-20)について報告がありました。本会議では、日仏の原子力の
専門家によって、「福島第一原子力発電所の事故の教訓をもとに、今後の世界
の原子力発電の安全性を高める」ことが議論されました。
 委員からは、事業者レベルで創設の決まったフランスの「原子力迅速対応部
隊」と「国家危機管理訓練センター」について、日本でも類似の検討を行うの
か、原子力事故後早期に対応できる国際支援体制の強化等について、具体的な
動きがあるのか、等の質問がありました。
 
【議題2】平成24年度原子力関係経費概算要求額総表について
<主なやりとり等>
 事務局から、各省庁からの原子力関係経費概算要求について説明がありまし
た。今後、各省庁からのヒアリングが行われます。

【議題3】原子力防護専門部会の構成員について
<主なやりとり等>
 事務局から、原子力防護専門部会の構成の変更について説明を行い、同部会
の構成員を変更することを決定しました。

●11月8日(火)第43回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を踏まえた核セキュリティ上
の課題への対応について
 事務局より、原子力防護専門部会が行った、今回の事故を踏まえた核セキュ
リティ上の課題の抽出、及びその課題への対応について、検討状況の経過報告
がありました。また、事務局より、同経過報告に対する原子力委員会の見解(案)
について説明がありました。
 委員からは、抽出された課題への対応について、進捗状況が確認出来るよう
に原子力委員会に適宜報告すべき、等の意見がありましたので、案を一部修正
の上、原子力委員会の見解とすることとしました。

●11月10日(木)第44回原子力委員会臨時会議の概要は以下のとおりでした。
詳しくはホームページに掲載される議事録をご覧下さい。

【議題1】核燃料サイクルコスト・将来リスク対応費用試算結果報告について
 原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会座長の鈴木委員長代理より、
同小委員会が試算した核燃料サイクルコスト及び原子力発電所の事故リスクコ
ストについて説明がありました。また、事務局より、同試算結果に対する原子
力委員会の見解(案)について説明がありました。
 委員からは、軽水炉プラントによる核燃料サイクルコストであることを明示
すべき、等の意見がありましたので、案を一部修正の上、原子力委員会の見解
とすることとしました。

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●次回定例会議は11月15日(火)に開催します。議題は以下のとおりです。
・原子力損害賠償に関する条約について(文部科学省)
・平成24年度原子力関係経費概算要求ヒアリング(国土交通省、農林水産省)
・秋庭原子力委員会委員の海外出張について
・その他

●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞ヶ
関にある合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や
配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。

━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━
●原子力委員会には、調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されてい
ます。これらの部会や懇談会等は原則として一般に公開しており、どなたでも
傍聴することができます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームペ
ージでご覧いただけます。

●11月8日(火)に第4回原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会を開
催しました。
詳しくはホームページに掲載される議事録をご覧下さい。
<主なやりとり等>
 事務局より、核燃料サイクルコスト及び原子力発電所の事故リスクコストの
試算結果に対する各専門委員からのご指摘への対応を説明しました。
 専門委員からは、核燃料サイクルコストの算出に際して、本試算で導出した
プルトニウムや回収ウランの価値(クレジット)を用いたコスト試算法につい
ても今後は積極的に採用していくべき、事故リスクコストについては、事故発
生頻度に基づく確率的な試算とともに、米国の原子力損害賠償制度を参考とし
て試算したコストも妥当である、等の意見がありました。
 また、モデルプラントの事故発生頻度について世界標準を採用すべきか、福
島第一原子力発電所で実際に起きた過酷事故を踏まえた事故の頻度を採用すべ
きかについて再度議論となり、結果として両者を併記することとしました。

●11月9日(水)に第6回東京電力(株)福島第一原子力発電所における中長期措
置検討専門部会を開催しました。
詳しくはホームページに掲載される議事録をご覧下さい。
<主なやりとり等>
 事務局より、これまでに頂いた各専門委員のコメントを反映した福島第一原
子力発電所における中長期措置の検討結果報告書(案)の説明がありました。
専門委員からは、中長期措置の取組を評価する第三者機関の必要性について記
載すべき、中長期措置の取組を後世に残すという観点からの記録作成を行うこ
とを記載すべき、等の意見がありました。
 報告書(案)は、本日のコメントを踏まえ修正された後、国民の皆様からのご
意見を公募することと致しました。なお、本日11日よりご意見募集を開始して
います。詳細につきましては、以下のURLでご確認ください。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/pressrelease/pressrelease20111111.html

●次週の専門部会等開催情報
・次週は専門部会等の開催は予定されていません。

+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

雑感
 
日々、多くの方から電話をいただく。事故以降、全国から老若男女問わず、御
質問・御意見や叱責、またマスコミからの方からも多くの質問をいただいた。
日が経つにつれ数は減ってきたが、電話でのやりとりは時に心に響く。先日も
印象に残る電話をいただいた。気迫のこもった抑制の効いた声で、原子力政策
の在り方の検討では事故を踏まえ国民の原子力に対する選好が考慮され決定さ
れるべきと明快な論旨であった。途中「当然のこと」と反論しかけたが御意見
を承ることに徹して電話は切れた。その気迫と、改めて気付かされた問題の難
解さが心に残った。
 しばしば今回の事故対応では国会質疑やマスコミ報道などで「国の責任」で
もって実施すべしとの指摘がある。実際、除染の基本方針や損害賠償支援機構
法などでは「国の責任」と明記された。ふと違和感をおぼえるが、一連のもの
を最後まで確実に実施するための担保の手段とされているようである。我々行
政組織は具体的手段や方法論を提示・実施することによりその役割・責任を果
たす主体であり、これまでそうしてきたと思う。今はそれができていないのか
と納得してしまう。
 やるべきことは多いと感じる。
(金子)

●次号配信は、平成23年11月25日(金)午後の予定です。

======================================================================
発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
 https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0017.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
======================================================================






ページの先頭へ