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第63号 原子力委員会メールマガジン 静かなる外交成果:日本・ヨルダン原子力協定

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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2010年9月24日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 鈴木委員長代理からひとこと   静かなる外交成果:日本・ヨルダン原
┃                 子力協定
┣ 定例会議情報 原子力政策大綱の見直しの必要性に関する有識者ヒアリン
┃        グ
┃        六ヶ所再処理工場の工事計画の変更について
┃        六ヶ所再処理工場の竣工時期の変更に伴う六ヶ所再処理工
┃        場で回収されるプルトニウムの利用計画の見直しについて
┃        等
┣ 部会情報等  
┣ 事務局だより 禁煙と広聴・広報と私
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.htmlまで、ぜひお寄せく
ださい。

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

静かなる外交成果:日本・ヨルダン原子力協定 鈴木達治郎

2010年9月10日、日本とヨルダンの原子力平和利用協定署名が発表され
た。インドとの原子力協定交渉が議論を呼ぶ中、他の原子力協力交渉も並行し
て進められており、なかでもヨルダンとの協定合意は、重要な原子力外交の成
果として注目される。

中でも注目されるのは、第2条第3項と第9条である。

第2条第3項「ウランの濃縮、使用済み燃料の再処理、プルトニウムの転換及
び資材の転換、生産のための技術及び設備、並びにプルトニウムはこの協定の
下では移転されない」

これは、いわゆる機微な技術といわれる濃縮・再処理の技術移転を禁ずる項目
である。昨年署名されたロシアとの協定、また今年署名されたカザフスタンと
の協定にも含まれている。我が国では、濃縮・再処理技術の輸出は貿易管理令
で制限されているが、全面禁止と明文化はされていない。また政策として明示
されているわけでもない。しかし、これらの協定にこのように組み込まれてい
る点をみると、機微な技術を移転しないという政策を積極的に発信してよいの
ではないか。

第9条「この協定に基づいて移転された核物質及び回収され又は副産物として
生産された核物質は、ヨルダン・ハシェミット王国の管轄内において、濃縮さ
れ、又は再処理されない。」

これは、アメリカがUAEとの協定に組み込んだ、「被供給国内では濃縮・再処
理をしない」という新しい条件であり、日本もこの条件を組み入れたことは非
常に注目される。濃縮や再処理の権利を否定したものではないが、濃縮や再処
理の国内施設の所有を奨励しない、という政策はいわゆる「多国間管理」構想
につながるものである。これは日米協定の中にも含まれておらず、国内で濃縮
・再処理を実施している日本が、この条件を持ち出すことは勇気ある外交と呼
べる。これにより、国内の燃料サイクル政策に新しいアプローチを考えるきっ
かけになるかもしれない。

原子力協定は、輸出振興のために必要という視点が強調されがちである。しか
し、そもそも原子力協定は機器・技術・燃料等の輸出に伴う核拡散を防止する
ことを大きな目的としている。そういった意味で、日本が協定の中に、このよ
うな機微な技術に関わる条件を明示していくことは、日本の原子力外交の静か
なる成果として、もっと注目されてよい。

インドとの原子力協定交渉では難航が予想されるが、原子力協力を結ぶ国は他
にも多く続くと期待されている。この協定の成果を踏まえて、引き続き厳格で
核不拡散上実質的な効果を持つ協定となるよう、原子力外交の成果をあげても
らいたい。それが、核不拡散と原子力平和利用の両立をめざす日本の政策をア
ッピールすることに繋がるからだ。


参考:
日本とヨルダンの原子力平和協定	
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/shomei_61.pdf

●次号は秋庭委員からのひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●9月14日(火)第49回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・第8回原子力政策大綱の見直しの必要性に関する有識者ヒアリング
<主なやりとり等>
 原子力政策大綱の見直しの必要性について、国際原子力機関(IAEA)原子力
安全・セキュリティ局前事務次長 谷口富裕氏からご意見を伺いました。
 谷口氏からは「今の大綱は策定後5年も経ており、国内外の状況が変化して
いることから見直しは当然である」、「日本は、国際秩序とルールの受け手か
ら作り手へと、より積極的かつ創造的な役割を担うべきである」などのご意見
をいただきました。
 その後、各原子力委員から谷口氏に対して、いただいたご意見に関する質問
を行いました。

・六ヶ所再処理工場の工事計画の変更について(日本原燃株式会社)
<主なやりとり等>
 日本原燃株式会社より、再処理施設の竣工時期等を変更する旨の工事計画変
更について報告がありました。
 委員より、海外の再処理工場でのトラブル等に対して我が国が採った対策に
関する質問や引き続き分かりやすい情報発信に努めて欲しい旨の意見等があり
ました。

・平成23年度原子力関係経費概算要求及び政策評価部会等の提言に対する取り
組み状況のヒアリング(文部科学省)
<主なやりとり等>
 文部科学省より、平成23年度原子力関係経費概算要求及び政策評価部会等の
提言に対する取り組み状況について説明がありました。
 委員より、大学における廃棄物の処分に関する予算確保の状況についての質
問等がありました。

・近藤原子力委員会委員長の海外出張について
<主なやりとり等>
 9月18日から30日にかけて近藤委員長がオーストリア・フランスへ出張する
ことについて説明がありました。IAEA総会や日仏原子力専門家会合(N-20)に
出席する予定です。

●9月14日(火)第50回臨時会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・平成23年度原子力関係経費概算要求及び政策評価部会等の提言に対する取り
組み状況のヒアリング(経済産業省、外務省、厚生労働省、原子力安全委員会
、原子力委員会)
<主なやりとり等>
 経済産業省、外務省、厚生労働省、原子力安全委員会及び原子力委員会事務
局より、平成23年度原子力関係経費概算要求及び政策評価部会等の提言に対す
る取り組み状況について説明がありました。
 原子力関係経費の概算要求に関しては、委員より、経済産業省の濃縮ウラン
備蓄対策事業の今後の展開や外務省の平和利用イニシアチブ拠出金の具体的内
容に関する質問等がありました。
 また、政策評価部会等の提言に対する取り組みに関しては、委員より、厚生
労働省の放射線医療技術を戦略産業化し国際展開を図ってはどうか等の意見等
がありました。

●9月21日(火)第51回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・六ヶ所再処理工場の竣工時期の変更に伴う六ヶ所再処理工場で回収されるプ
ルトニウムの利用計画の見直しについて(電気事業連合会)
<主なやりとり等>
 電気事業連合会より、六ヶ所再処理工場の竣工時期が平成22年10月から平成
24年10月に変更されたことにより、平成22年度末時点の保有予想プルトニウム
量が減少すること及び、プルトニウム「利用に要する期間の目途」が変更にな
る旨の報告がありました。
 委員から、より一層の透明性の確保とわかりやすさの観点からプルトニウム
所有量をkg単位で示したことを評価する意見がありました。

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●次回は9月28日(火)に開催します。議題は以下のとおりです。
・日本原燃株式会社再処理事業所における再処理の事業の変更について(諮問
)(原子力安全・保安院)
・その他

●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞
ヶ関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や
配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されていま
す。これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴でき
ます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけ
ます。

※現在、開催が予定されている部会はありません。


●原子力委員会では、原子力政策大綱の見直しの必要性を検討しています。福
井、青森、東京で開催したご意見を聴く会の様子は、原子力委員会ホームペー
ジにて動画でご覧いただけます。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/tyoki_minaoshi.htm

+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

禁煙と広聴・広報と私

 今年の5月から原子力委員会事務局の一員になりました。原子力に携わるの
は初めてなので、着任から4ヶ月が経った今でも、まだまだ勉強が足りないな
と思う毎日です。
 さて、現在、原子力委員会では原子力政策大綱の見直しの必要性について検
討を実施しております。一般市民の方からご意見を聴く会についても、福井、
青森、東京で実施し、多くの方々にご出席をいただくとともに、様々なご意見
をいただきました。中でも、原子力政策に対する国民の理解をどう得るか、原
子力政策に関する情報発信をどう行うかという点については、多くの方からご
指摘がありました。広聴・広報を担当する一人として、非常に難しいけれども
、その分やりがいのある業務であると再認識したところです。引き続き、ご指
導・ご鞭撻をよろしくお願い致します。
 ところで、今回はせっかく事務局だよりの執筆担当になったので、自らを鼓
舞するためにも、個人的な抱負をいくつか表明してみたいと思います。
 1.広聴・広報の新しい可能性に挑戦する。
  最近は自治体等でもTwitterを活用している例を耳にします。原子力委員
  会でも何かできないか密かに画策中です。
 2.英語の勉強をコツコツと続ける。
  何度も思い立って始めているのですが、なかなか長続きしません。原子力
  分野においても英語のコミュニケーションは必要不可欠だと思いますので
  頑張りたいと思います。
 3.禁煙する。
  やろうと思いつつまったくできていなかったので、値上げをきっかけに決
  心しました。禁煙を決意された方、いっしょに頑張りましょう。
 次に執筆する機会がありましたら、進捗をご報告したいと思います。

(利根川)

●次号配信は、平成22年10月8日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
 https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0001.html
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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