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第62号 原子力委員会メールマガジン 夏休み、さるすべり、天地明察、先進国から新興国、正義

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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2010年9月10日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 近藤委員長からひとこと 夏休み、さるすべり、天地明察、先進国から新
┃             興国、正義
┣ 定例会議情報 廃止措置とクリアランスに関する交流会の活動報告につい
┃        て
┃        原子力政策大綱の見直しの必要性に関する有識者ヒアリン
┃        グ
┃        東京電力株式会社福島第一原子力発電所の原子炉の設置変
┃        更(6号原子炉施設の変更)について(一部補正)
┃        第二種廃棄物埋設の事業に関する安全審査の基本的考え方
┃        について 等
┣ 部会情報等  
┣ 事務局だより  犬との戯れ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.htmlまで、ぜひお寄せく
ださい。

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
夏休み、さるすべり、天地明察、先進国から新興国、正義  近藤駿介

 8月のはじめ、数日休みをとった。このところ、土日は努めて近所の公園ま
で歩き、そこで身体を動かすようにしている。公園には野球場や遊園地、陸上
競技場があり、様々な人やグループが思い思いに過ごしている。そんな人に混
じって歩きまわることにしている。今日はおまけとばかり、とりあえず、土日
のように出かける。帰ってきてからは、狭い庭の伸びきった木々の枝を払い、
どくだみなどの雑草を抜き、プランターの疲れた風情の春の花を捨てて、散歩
の帰りに農協売店で仕入れた夏の花をいくつか植えた。百日紅(さるすべり)
は狭い上に保水力のない場所にあるせいか、開花がいつもご近所に遅れる。今
年はなんとしてもご近所並みにと春から水やりを心がけてきたせいか、7月に
入って周囲にあまり遅れずに花をつけてくれ、しかも元気がいい。元気が良す
ぎて9月末までもつか心配。ピンク色の花は、全体として姿がやわらかく、気
に入っている。ただ、花が毎日散る。それも風情なのだが、隣家の車の上にも
構わず落ちる。花に免じてごめんなさいというよりない。
 いい加減に歩き回って帰って屋外の作業を終えてひと風呂浴びた後は、新聞
の書評に誘われてアマゾンで衝動的に買い込んだ本や雑誌がいたるところで手
に取れと待っているのを拾い読み。昨年の本屋大賞である冲方丁(うぶかたと
う)氏の「天地明察」。読みかけで放ってあったものを読了。碁と和算と暦の
専門家として生きていくことを覚悟し、失敗から学び成長する人間「渋川晴海
」の人生と彼を取り巻く人間模様を描く。原子力を志して生きている人と組織
の今日が一瞬ダブる。今年の芥川賞「乙女の密告」はテーマは深刻だが、時々
笑える。メアリー・ノートンの「床下の小人たち」は映画「借り暮らしのアリ
エッティ」の種本。映画よりは数段屈折のあるストーリーだが、翻訳のせいか
、妙に斜め読みしにくい本。孫には当分無理か。
 時間をかけて読んだのは、フォーリンアフェアズのアンソロジー7月号。「
流れは先進国から新興国へ」と題する特集で、第一部が「新興国の台頭ととも
に先進国は衰退するのか」、第二部が「ブラジル、中国、インド、トルコの影
響力拡大はどこまで続くか」、そして第三部が「覇権国アメリカの衰退の次に
来るものは?」という論題で、それぞれに寄稿している数人の書き手もよく選
ばれていて刺激的。海洋国家米国が新たなフロンティアを金融という第3軸に
求めて破綻し、欧州、中国、インドの大陸国家的生き方の方にとりあえず安定
感が見えるところ、米国はいかに生きるべきかについて対極にある見解があっ
て勉強になった。ただ、最近米国でシェルガスの利用が盛んになり始めたこと
についての評価がどこにもないのが気になった。
 それから突然、日頃皆さんと議論している交付金の正義についてカントやロ
ールズなら何というかと気になり、ハーヴァード大のサンデル教授のJustice:
 what’s the right thing to doの拾い読みを始める。こういう軽妙な英語は
かけないよなあと嘆息。この本は大学の大講堂で1,000人の聴講生を集めての
講義を元に書かれたもの。この講義の様子をサイトで見ると、何年も前に何度
も説明に回った原子力安全に関する説明会を思い出す。大学ではいろいろな講
義を行ったが、聴講生は最大でも200人だった。後ろの方に陣取る学生諸君に
関しては、わかっているかどうかの確認が難しい。それがいやになって、ある
時、文部省の規定には1単位は、予習2時間、講義1時間、復習1時間で構成
されるとあることを伝えて、翌週分のプリントを事前に渡して、次の週は教室
に入ったらさあ予習してわからなかったところを質問してくれ、なければ復習
用宿題を出して授業は終わりだといったら、要は宿題をやればいいと解釈され
たか、質問がでず、結局、宿題の解説までしてしまったこともあったことを思
い出す。冷房のタイマーが切れたところで居眠りから醒め、答えを得ることな
く休みは終了。

●次号は鈴木委員長代理からのひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●8月31日(火)第46回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・廃止措置とクリアランスに関する交流会の活動報告について
<主なやりとり等>
 生活環境評論家の松田前原子力委員会委員、科学技術振興機構の鳥井事業主
幹から、廃止措置とクリアランスに関する交流会における意見の整理等につい
て説明がありました。
 委員より、海外におけるクリアランス制度やリサイクルのビジネスモデルに
関する質問がありました。

・第5回原子力政策大綱の見直しの必要性に関する有識者ヒアリング
<主なやりとり等>
 原子力政策大綱の見直しの必要性について、日本電機工業会原子力政策委員
長 五十嵐安治氏、日本原子力産業協会理事長 服部拓也氏の2名の有識者か
らご意見を伺いました。
 五十嵐氏から、「大綱の全面的な見直しは必要ないが、原子力二国間協定の
戦略的推進と原子力発電の新規導入国に向けたシステム輸出に関する官民一体
の取組について明記すべき」、服部氏から、「原子力産業の海外展開を国とし
ての重要政策課題に位置づけ、原子力産業のグローバル化のための施策を実施
することについて追記が必要」などのご意見を伺いました。
 その後、各原子力委員から2氏に対して、いただいたご意見に関する質問が
ありました。

●9月1日(水)第47回臨時会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・第6回原子力政策大綱の見直しの必要性に関する有識者ヒアリング
<主なやりとり等>
 原子力政策大綱の見直しの必要性について、三菱商事株式会社取締役会長 
小島順彦氏からご意見を伺いました。
 小島氏から、「大綱の全面的な見直しは必要ないが、原子力発電の国際展開
を考える上では、『システム輸出』を推進することが重要であり、日本が国際
競争上の優位に立つためのポイントとして、顧客ニーズへの柔軟な対応、原子
力人材の育成、国内原子力発電の設備稼働率の向上が重要」などのご意見を伺
いました。
 その後、各原子力委員から小島氏に対して、いただいたご意見に関する質問
がありました。

●9月7日(火)第48回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・第7回原子力政策大綱の見直しの必要性に関する有識者ヒアリング
<主なやりとり等>
・原子力政策大綱の見直しの必要性について、立命館大学国際関係学部教授 
大島堅一氏、東京大学工学系研究科教授 田中知氏の2名の有識者からご意見
を伺いました。
 大島氏から、「原子力の発電費用については、国民負担分も考慮すべきであ
り、交付金等が他電源より多く支出されていることを考えると安価な電源とは
いえないのではないか」、田中氏から、「核燃料サイクル関係について、原子
力政策大綱で示している基本的政策は見直す必要はないが、政策の実現という
点ではいくつかについて遅れており、実効化についての仕組みなど改良すべき
点がある」などのご意見を伺いました。
 その後、各原子力委員から2氏に対して、いただいたご意見に関する質問が
ありました。

・東京電力株式会社福島第一原子力発電所の原子炉の設置変更(6号原子炉施
設の変更)について(一部補正)(原子力安全・保安院)
<主なやりとり等>
 原子力安全・保安院より、平成22年4月12日付けで当委員会に諮問された東
京電力(株)福島第一原子力発電所原子炉設置変更許可申請書(6号原子炉施
設の変更)の添付書類の一部補正内容について説明がありました。

・第二種廃棄物埋設の事業に関する安全審査の基本的考え方について(原子力
安全委員会放射性廃棄物・廃止措置専門部会)
<主なやりとり等>
 原子力安全委員会放射性廃棄物・廃止措置専門部会副部会長の梅木氏から、
平成22年8月9日に原子力安全委員会決定された「第二種廃棄物埋設の事業に
関する安全審査の基本的考え方」の内容について説明がありました。

・平成23年度原子力関係経費概算要求額総表について
<主なやりとり等>
 事務局より、平成23年度の原子力関係経費の概算要求額について説明しまし
た。平成23年度概算要求額は、一般会計が1,240億円で前年度比79億円の増額
、特別会計が3,339億円で前年度比177億円の増額となっています。今後、関係
省庁から概算要求の内容についてヒアリングを実施する予定です。

・我が国のプルトニウム管理状況について
<主なやりとり等>
 事務局より、我が国の管理する分離プルトニウムの量と、管理されている場
所について、平成21年末時点におけるデータを説明しました。委員より、我が
国が管理状況を毎年公表することについては国際的にも高く評価されており、
透明性の向上という観点で、今後ともできるだけ分かりやすい情報提供をする
ことは重要、とのコメントがありました。

・高レベル放射性廃棄物の処分に関する取組みについて
<主なやりとり等>
 原子力委員会は、高レベル放射性廃棄物の処分に関する取組みについての国
民に対する説明や情報提供のあり方について、提言のとりまとめを原子力委員
会から日本学術会議に依頼することを決定しました。

・秋庭原子力委員会委員の海外出張報告について
<主なやりとり等>
 秋庭委員より、スウェーデン・ドイツへの出張(8月22日〜29日)の結果に
ついて報告がありました。
 委員は、スウェーデン、ドイツにおける放射性廃棄物の処分地選定に関する
国民との合意形成のあり方及びスウェーデンにおける原子力施設の廃止措置等
から生じる金属廃棄物の再利用について関係者と意見交換を行うとともに、ス
ウェーデンにおいて中低レベル放射性廃棄物処分場(SFR)及びスタズビック
社の溶融処理施設、ドイツにおいてゴアレーベンの地下施設及び中間貯蔵施設
を視察しました。


※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm

●次回は9月14日(火)に開催します。議題は以下のとおりです。
・第8回原子力政策大綱の見直しの必要性に関する有識者ヒアリング(国際原
子力機関(IAEA)原子力安全・セキュリティ局前事務次長 谷口富裕氏)
・六ヶ所再処理工場の工事計画の変更について(日本原燃株式会社)
・平成23年度原子力関係経費概算要求及び政策評価部会等の提言に対する取り
組み状況のヒアリング(文部科学省)
・近藤原子力委員会委員長の海外出張について 他

●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞
ヶ関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や
配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されていま
す。これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴でき
ます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけ
ます。

※現在、開催が予定されている部会はありません。


+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「犬との戯れ」

 我が家では、愛犬ゴールデンレトリバーを飼っています。休日は、ストレス
解消にもなるので、もっぱら犬と遊んだり、散歩したりです。先週末は、連日
の猛暑で、私と同じく、干上がっている犬を元気にするため、水遊び兼シャン
プーをしました。涼を取れてとっても気持ちよかったのか、全身で嬉し表現(
ダンス?)し、いつにも増して自分に懐いてくれた、犬との楽しい1日でした
。
 ところで、私も一員として働く原子力政策担当室は、我が国が将来にわたっ
て発展し続け、誰もが幸せな生活ができるよう、原子力の研究、開発及び利用
について計画を作成し、推進することを業務としています。この業務を達成さ
せる大前提としては、月並みではありますが、立ちはだかる課題の解決に向け
、皆様と真剣に対話し、理解し、その場限りとしない答えを導き出す、この繰
り返しにより皆様との信頼関係を深めていくことであると信じています。
 犬と戯れながら絆を深めている最中、業務における信頼関係の強化は、犬と
の関係と異なり単純ではないと理解しているけれども、与えられた仕事を一生
懸命に全うすることを通して、自分の考える信念に少しでも近づくことができ
たら嬉しいなと、執筆順番をいただいたこの機会に改めて思った、残暑厳しい
昼下がりでした。
(根塚)

●次号配信は、平成22年9月24日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
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○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
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○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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