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メールマガジン
第57号 原子力委員会メールマガジン システムに対する安心とプロに対する信頼

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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2010年6月25日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 近藤委員長からひとこと システムに対する安心とプロに対する信頼
┣ 定例会議情報 2010年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議の結果
┃        核燃料物質の加工の事業の変更について(諮問)
┃        FNCA検討パネル第2回会合の開催について 等
┣ 部会情報等  
┣ 事務局だより コートがなくてとべないカメさん
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.htmlまで、ぜひお寄せ
ください。

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
システムに対する安心とプロに対する信頼 近藤駿介

 ある首長さんとの懇談の席で、原子力発電の安全規制行政の在り方に関して
現状の複雑な姿を改革する私見を披露したところ、「いやいや、国の行政に対
する県民の信頼が低いから、相対的に信頼されている自分達が苦労しているん
ですよ。」と切り返されて、おやと思った。10年以上前ではあるが、アドバ
イザーとして参加した原子力に関する世論調査で、1)立地点でも都市部でも
、信頼できる者として選ばれる率が高いのは専門家であり、行政は、国にしろ
地方自治体にしろ、あまり高くない水準にある、2)しかし、「緊急時に」と
いう限定をつけると、行政を信頼できる対象とするという意見が有意に増大す
る、という結果が得られ、鍵はプロとしての信頼向上であり、そこに向けて双
方に努力が求められている状況にあると認識した記憶があったからだ。

 そこで、オフィスに戻って、行政の信頼性に関する最近の調査研究がないか
調べてみた。そうすると、政府への信頼の低下傾向は各国で問題になっており
、いずれの国においても国民の政府に対する信頼を確保するために、いろいろ
な調査・工夫が行われており、我が国でも総務省で平成17年より5年をかけ
て「行政の信頼性確保、向上策に関する調査研究」が実施されていることを知
った。

 この研究成果について要約することは筆者の手に余るが、耳を澄ますと、信
頼は期待するものの提供の充足度合いであり、行政不信の表明は行政による提
供が期待に応えていないということであるから、当然に改善活動が起動されて
しかるべきであるが、他方、市民の提供への期待は絶えず増幅するから、こう
した期待の調整機能も重要であり、これが公共政策学の教科書が重要性を強調
してやまない政治の役割という声が聞こえるように思った。

 例えば、各国において民間における顧客主義等の管理手法を取り入れた、い
わゆる新公共管理(New Public Management:NPM)の取組による行政への信頼
回復の取組が行われているが、この研究では、それが行政の信頼を向上させて
いたり、低下させていたりしていることが議論されている。その中で、菊池端
夫氏は、社会システム論の立場から信頼を社会的な複雑性の縮減メカニズムと
定義したルーマン氏の、信頼をシステム信頼と人格的信頼に分類する考え方を
踏まえて、まず、政府や行政のシステム信頼は、行政サービスに対する顧客満
足度だけではなく、行政に対する市民の期待の調整機能を含めた行政活動の全
体に対する評価で表わされるものであることを指摘する。その上で、人格的信
頼の確保努力も重要であり、それには政府や行政を構成する政治家や官僚の行
動に対する評価が関係するから、コンプライアンスや情報公開、公務員倫理と
いった制度を課し、その行動様式を信頼する側の期待に沿わせる努力が払われ
るべきとする。そして、システム信頼の向上を急ぐあまり、活動の透明性や可
視性を犠牲にすると、行政に対する信頼の低下を招くことがあり、NPMを目指
した改革が国によって相反する結果をもたらしている理由の一端はここにある
のではないかとしている。私どもが原子力安全規制行政に対して、公共サービ
スであることを自覚して市民や事業者の意見をよく聴くことや透明性、公開性
の確保努力の充実を説いてやまないことの妥当性が確認される思いである。

 一方、鉄道事業の安全認識の規定要因を研究して、それが物理的・制度的な
安全確保の仕組みである安心要因と企業倫理・職能倫理に代表される信頼要因
から構成されることを発見した池田謙一氏は、行政の「広義の信頼」は、行政
制度にある公正で適切な業務を行う保証の構造がもたらす「安心」と、そこで
働くプロに対する「狭義の信頼」によりもたらされるとする。前者の保証の構
造は法や規制であり、その適切な運用が外側から監視できる透明さであり、こ
れにより制度が機能することに対して市民が「安心感」を持つことができると
する。他方、安全システムにおいてすら従事者には裁量の余地を与えているよ
うに、行政制度の運用従事者には、確実に制度の趣旨を踏まえて行政に関わり
、公正さや誠実さに対する高いモラルを伴いつつ、制度の果実を裁量のなかで
正しく収穫することが求められていて、ここに制度執行の代理人への信頼が現
れるとする。

 興味深いのは、氏が、人からの信頼には信頼で返す互酬性があるのに、行政
は公共インフラの運営を市民から委託されているのだから、行政からはその制
度の趣旨に沿ったサービスが提供されるだけであり、そこには競争もないから
市民との間に非対称性があるとしていることである。そして、この故に行政に
は「適度の不信が必要」で、その方が民主主義には望ましいという主張を紹介
している一方で、この不信のもたらす圧力が監視のコストの上昇やサービス低
下を招く悪循環を発生させ得ること、さらには制度の運用を厳しくし過ぎて裁
量の余地を狭め、信頼できる行政官、不測の事態にも対処できるプロという「
狭義の信頼」に係る内在的な動機づけをそぎ落とすことにつながりかねないこ
とを指摘していることである。

 我が国の原子力安全行政に見られる、私が専門家の濫用と形容した複雑な姿
は、氏の云うところの、行政不信を制度的構築による「安心」構築のみで補償
しようとした結果生じているものと解釈できよう。この仕組みの改革のあり方
はこういった視点からも検討されるべきであろう。


●次号は鈴木委員長代理からのひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●6月15日(火)第32回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・2010年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議の結果について(外務省)
<主なやりとり等>
 外務省より、5月3日から28日まで、ニューヨーク国連本部において開催さ
れた2010年NPT運用検討会議の結果について説明がありました。
 委員より、会議において日本が高く貢献した分野や、多国間燃料供給保障の
議論の内容などについて質問がありました。


●6月22日(火)第33回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・原子燃料工業株式会社東海事業所の核燃料物質の加工の事業の変更について
(諮問)(原子力安全・保安院)
<主なやりとり等>
 原子力安全・保安院より、原子燃料工業(株)東海事業所の加工施設の設備
の変更、貯蔵施設の最大貯蔵能力の変更などを内容とした加工事業の変更許可
申請について説明があり、当委員会に諮問されました。

・島根原子力発電所における点検不備について(中国電力株式会社)
<主なやりとり等>
 中国電力(株)より、島根原子力発電所の点検不備の調査結果、原因・再発
防止対策などの内容について説明がありました。
 委員より、安全文化醸成活動を継続した取組みとすべきである、他電力や海
外の情報を共有しベストプラクティスを取り入れる取組みが必要であるなどの
コメントがありました。

・核物質防護規制に関する実施状況の報告について(原子力安全・保安院、文
部科学省、国土交通省)
<主なやりとり等>
 原子力安全・保安院、文部科学省、国土交通省より、各省が平成21年度に実
施した核物質防護検査の結果について報告がありました。いずれも問題となる
事項はありませんでした。

・アジア原子力協力フォーラム(FNCA)「原子力発電のための基盤整備に
向けた取組に関する検討パネル」第2回会合の開催について
<主なやりとり等>
 事務局より、7月1日〜2日に、日本を含めてアジアの9カ国とIAEAが
参加して、韓国・ソウルのグランド・ヒルトンホテルで開催されるFNCAの
パネル会合について説明がありました。会合では、プロジェクトマネジメント
、現地業者育成及び調達、核燃料サイクルと放射性廃棄物処分等の原子力プラ
ント導入初期段階に十分に検討しておくべき基盤整備の重点課題などについて
の議論を行います。

・鈴木原子力委員会委員長代理の海外出張報告について
<主なやりとり等>
 鈴木委員長代理より、英国への出張(6月9日〜13日)の結果について報告
がありました。委員は、ロンドンで開催された「核燃料サイクルにおける核不
拡散性の構築」に関するワークショップに招待され、日本の核燃料サイクルと
核拡散抵抗性向上にむけての取組みについて発表を行いました。また、英国政
府関係者と英国新政権の原子力政策や国民参加プロセスなどについて意見交換
を行いました。

・尾本原子力委員会委員の海外出張報告について
<主なやりとり等>
 尾本委員より、米国への出張(6月13日〜19日)の結果について報告があり
ました。委員は、サンディエゴで開催されたicapp2010(新設計原子力発電プ
ラントに関する国際会議)に招待され、原子力発電の国内動向と世界レベルで
の課題について講演を行うとともに、新規建設、小型モジュール炉、安全規制
、食品照射等に関する意見交換を行いました。

・近藤原子力委員会委員長の海外出張報告について
<主なやりとり等>
 近藤委員長より、米国への出張(6月17日〜20日)の結果について報告があ
りました。委員長は、バークレーで開催された第4回アジア太平洋原子力フォ
ーラムに招待され、日本の原子力政策の現状と課題について講演を行うととも
に、中小型炉等に関する意見交換を行いました。

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm


●次回は6月29日(火)に開催します。議題は以下のとおりです。
・第6回ITER理事会結果概要について(文部科学省)
・国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)第6回運営グループ
会合の開催結果について
・エネルギー基本計画の策定について(資源エネルギー庁)


●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞
ヶ関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や
配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されていま
す。これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴でき
ます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけ
ます。

※現在、開催が予定されている部会はありません。


+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「コートがなくてとべないカメさん」

 ガーナの首都アクラで開催された第6回GNEPの運営グループ会合(6/16-
6/17)に参加しました。今回の会合でGNEPはIFNEC(イフネック)に名
称が変わり、まさに歴史的な瞬間!?に立ち会えたわけですが、真面目な話は
原子力委員会HPに掲載されるので、ここでは私からみたガーナを少しご紹介
します。
 “ガーナ”といわれて思いつくのはチョコレートと昔覚えた「コートがなく
てとべないカメさん」(コートジボアール、ガーナ、トーゴ、ベナン、ナイジ
ェリア、カメールーン)のごろ合わせでしたが、調べていくうちに、入国には
「黄熱病」予防接種が必須、蚊を媒介とするマラリア、主な通貨はGH¢(ガー
ナセディ)、「ありがとう」は「メダーシ」、クレジットカードのスキミング
被害等ガーナ関する知識も少し増えました。
 ガーナは現在雨季(4月〜8月)で真夜中にけたたましい雨の音で目が覚めた
り、部屋に蚊がいて(マラリア!?)血の気がひいたり、シャワーのホースが
破けて部屋がゆげで真っ白になったり、さて次はどんなミラクルが起るんだろ
うと、毎日飽きることなくすごしました。
 最終日は搭乗までの数時間、「観光」ではなく事務局国際班の一員として日
本とガーナとの今後の国際協力の在り方を考えるため、市内を「視察」しまし
た。行った先は日本の誇り野口英世の記念公園とガーナの誇りエンクルマ初代
大統領が埋葬された記念公園です。今でも渡航には若干勇気がいるのに、何十
年も前に何が野口英世をガーナに動かしたのでしょう。エンクルマ初代大統領
の像の前でカメラを向けると子供たちは笑顔でポーズをとりました。この笑顔
こそ、野口英世とエンクルマ初代大統領が目指したものかもしれません。
 原子力の平和利用もこの笑顔を守るため、GNEP会合が開催されたこのガ
ーナの地で、国や言葉、文化は違えども、同じ使命感を持った人たちと出会っ
たこと、刺激を受けたことは、私にとって今回一番の収穫でした。
(西村)

●次号配信は、平成22年7月9日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
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○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
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