原子力委員会ホーム > メールマガジン配送サービス > バックナンバー

メールマガジン
第38号 原子力委員会メールマガジン 2009年9月11日号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ bR8━━━━
    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2009年9月11日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 田中委員長代理からひとこと 「真夏の昼の夢」原子力病
┣ 定例会議情報 六ヶ所再処理工場の工程延期について
┃        平成22年度原子力関係経費概算要求額総表
┃        我が国のプルトニウム管理状況について   など
┣ 部会情報等 国際専門部会(第2回)
┣ 事務局だより
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.htmlまで、ぜひお寄せくだ
さい。
━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
「真夏の昼の夢」原子力病   田中俊一

 「このところ原発の稼働率は、90%を越えて韓国並みになってきた。全発電量の
40%以上という目標も既にクリヤーし、温室効果ガスの削減量も2005年に比べて
1億トンを越し、堂々の実績である。六ヶ所の再処理工場もいろんなトラブルに
見舞われたが、ようやく本来のパフォーマンスを達成し、抽出されたPuはMOX燃
料に加工されて、プルサーマル軽水炉で順調に利用されている。使用済燃料を貯
蔵する中間貯蔵施設も完成し、暫くは使用済燃料の行く先を心配することはなく
なった。あれこれの困難の時を越えて、原子力発電はようやく落ち着き、エネル
ギーの供給と温室効果ガス削減にも確かな実績を残している。こうなると不思議
なもので、原子力発電に対する国民やメディアの見方も変ってきたようである。
国民の信頼も高まり、高レベル廃棄物の処分場もまもなく稼動ができそうだ。古
い原発のリプレースも、新規増設も順調に進展している。なんと心穏やかに原子
力の仕事ができる時代が来たものである。

 いやいや、落ち着いていられるのは一時よという天の声。地球温暖化の緩和、エ
ネルギー安定供給になくてはならない原子力発電をこれからもずっと使ってゆく
ためにはまだまだ課題は山積だよ、と。六ヶ所で処理しきれなかった使用済燃料
や、使用済MOX燃料の再処理のための施設の検討が待っている。高速増殖炉サイ
クルもウラン資源を使い切ってしまう前までには完成させなければならない。改
めて気合いを入れ直して取り組まねばならない、と言うことか。廃棄物処理の点
では分離・変換を含めてマイナーアクチニド(MA)をどうするかも重要な課題であ
る。国際的には、核拡散抵抗性のある技術も要求されるかも知れないし、日本独
自の考えで使用済燃料の処理ができるかということも考慮しておかねばならない。
国際社会が受け入れる処理技術ということも重要な要件になるかも知れない。さ
らに、高速増殖炉の導入ということになれば、軽水炉と高速増殖炉の燃料再処理
を最適化しなければならない。あれこれ考えると、六ヶ所再処理工場の技術の上
に、さらなる特別の味付けが必要になりそうだ。

 こう考えると、使用済燃料の処理システムを検討するためには、先ず基本となる
技術をしっかり固めることから始めなければならない。例えば、MAをどのように
処理し、どう扱うかによって、処理システムのスペックは大きく影響される。MA
の抽出剤の開発から、MAの基礎化学、物性まで戻った基礎的な研究開発からとな
ると民間の出番はかなり先になる。原子力機構が担うしかあるまい。軽水炉サイ
クルに係る当面の問題が解決しているので、50年先、100年先を見通した課題に、
じっくり取り組める余裕がある。暫くは、六ヶ所再処理工場と中間貯蔵で使用済
燃料の扱いに困ることはない。取り敢えず20年ぐらいは、様々な可能性にチャレ
ンジすればよい。大急ぎで技術を選択する必要はない。大事なことは、本当に使
える技術の開発だと言うことを忘れずに一歩一歩着実に進めると言うことだ。原
子力の可能性を開拓するのは次の世代の仕事である。自由な発想で伸び伸びと原
子力の研究開発や利用を大きく展開できる新たな時代を築き上げてもらいたいも
のである。若い研究者達の顔が生き生きしてきたらしめたものである。」

 暑い陽射しを避けて、庭先の木陰で香り豊かなSaza Special Blendコーヒーを片
手にのんびりと本を読んでいたら、いつの間にか転寝をしてしまったらしい。我
に返って思い起こすと、常日頃、こうあったらと願っていることである。なんと
幸せなひと時であったのかと思いつつ、かなりひどい原子力病に侵されていると
思うと苦笑がこみ上げてきた。

●次号は松田委員からのひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●9月1日(火)第33回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・六ヶ所再処理工場の工程延期について(日本原燃株式会社)
<主なやりとり等>
日本原燃株式会社より、六ヶ所再処理工場の竣工時期を「平成21年8月」から
「平成22年10月」へ変更する行程変更と、それに伴う使用計画の変更につい
て説明がありました。委員より、六ヶ所再処理工場のガラス固化体製造施設は大
規模なものであり、初めての経験、きちっとひとつひとつ克服していくことで日
本の技術として地に足のついたものとなる、時間に追われて拙速にならないよう
に、といったコメントがありました。

・原子力基盤強化作業部会中間整理について(文部科学省)
<主なやりとり等>
文部科学省より、本年4月から7月にかけて原子力基盤強化作業部会で検討を進
めてきた中間整理について説明がありました。中間整理では、具体的な施策や検
討の方向性を「人材育成」「研究インフラ」「技術移転・産業化」「原子力機構
の基盤的機能」の各項目毎に分けて、合計で28のActionとして整理しています。
委員より、基礎基盤研究の分野では、効率性よりもむしろ創造性、イノベーショ
ンが大事ではないか、適切な予算配分を常に考えていくべき、現在の日本の社会
システムでは人材移転を進めるに際し特別な配慮が必要、といったコメントがあ
りました。

・平成22年度原子力関係経費概算要求額総表(速報値)
<主なやりとり等>
事務局より、平成22年度の原子力関係経費の概算要求額と、平成21年度の補
正予算についての要求額について説明しました。平成22年度予算は、一般会計
が1,411億円で前年度比253億円の増額要求、特別会計が3,477億円
で前年度比78億円の増額要求となります。今後、関係省庁からヒアリングを実
施の予定です。

・近藤原子力委員会委員長の海外出張について
<主なやりとり等>
事務局より、近藤委員長が燃料サイクルを主なテーマとした国際学会である「G
LOBAL2009」(9/7〜11、パリ)の全体セッションで講演を行うと
ともに、各国の原子力関係要人との意見交換を行うため、9月6日〜9日に海外
出張することを説明しました。

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2009/siryo33/tei-si33.htm


●9月8日(水)第34回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・六ヶ所再処理工場の竣工時期の変更に伴う六ケ所再処理工場で回収されるプル
トニウムの利用計画の見直しについて(電気事業連合会)
<主なやりとり等>
電気事業連合会より、日本原燃(株)六ヶ所再処理工場の竣工時期が平成22年
10月に変更されたことを受けて見直された平成21年度のプルトニウム利用計
画について説明がありました。委員より、プルトニウム利用に関しては核不拡散
と透明性の両方が大切、適切なタイミングで行った今回の見直しを評価するコメ
ント等がありました。

・我が国のプルトニウム管理状況について
<主なやりとり等>
事務局より、我が国の管理する分離プルトニウムの量と、管理されている場所に
ついて、平成20年末時点におけるデータを説明しました。委員より、プルトニ
ウムの状況がどうなっているかということを把握するいい資料になっているとの
コメントがありました。

・近藤原子力委員会委員長の海外出張について
<主なやりとり等>
事務局より、近藤委員長が第53回IAEA総会(9/14〜18、ウィーン)
に出席し、その後ロンドンで英国の原子力関係要人との意見交換を行うため、
9月13日〜16日に海外出張することを説明しました。

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2009/siryo34/tei-si34.htm


●次回は9月15日(火)に開催します。
・平成22年度原子力関係経費概算要求及び政策評価部会等の提言に対する取り
組み状況のヒアリング(文部科学省、厚生労働省、原子力安全委員会事務局、原
子力委員会事務局、経済産業省他)
・電源開発株式会社大間原子力発電所原子炉設置変更許可申請(原子炉施設の変
更)について(諮問)(経済産業省原子力安全・保安院)
・電気事業者により公表されたプルトニウム利用計画の妥当性について


●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞ヶ
関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布
資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されています。
これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴できます。
開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


●8月27日(木)の国際専門部会(第2回)の概要は以下のとおりでした。
<議題>
 ・論点の整理について
 ・今後の進め方について
<主なやりとり等>
第1回で各委員より発言があった5つの論点(核不拡散・平和利用の推進、技術
力の強化、産業の国際展開、温暖化対策の推進、国際貢献の推進について)を座
長より紹介し、委員より5つの論点を更に明確化するため、我が国の在り方や目
指すべき目標等について踏み込んだご意見をいただきました。今後は論点にフォ
ーカスを合わせて議論を深めていく予定としており、次回は「核不拡散・平和利
用の推進」を中心に議論を行う予定です

※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/kokusaisenmon/siryo/2/index.htm


+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

 今年の7月から原子力委員会事務局の一員となりました。東京に住むのは約
10年ぶりで、昔の知り合いとの再会もあり懐かしく感じています。
 先日は業務で佐賀県と福島県に行く機会がありました。その準備から自治体の
方とやりとりをすることで、自治体の方の考えや苦労がちょっと分かったと思い
ます。その他でも、この職場に来ていろいろな方とかかわり、自分の原子力に対
する視野が広がったのではと感じています。
 最近、インフルエンザが流行っていますので、自分の健康は自分で守るよう予
防に努めたいと思います。皆さまもご自愛ください。
(竹次)

●次号配信は、平成21年10月2日(金)午後の予定です。

======================================================================
発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
 https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.html
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0001.html
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
======================================================================



ページの先頭へ