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廃炉対策専門部会の設置について


昭和55年11月28日
原子力委員会

 1 設置の目的

原子炉施設については、施設の建設及び建転の場合と同様に、適切に廃炉対策を講ずる必要があることにかんがみ、本対策に係る重要事項を調査審議するため、廃炉対策専門部会を設置する。

 2 審議事項

 本専門部会は、次の事項について調査審議する。

(1) 廃炉対策に関する基本的事項
(2) 総合的な技術開発計画に関する事項
(3) その他必要な事項

 3 専門部会の構成

(1) 本専門部会の構成は別途定める。

(2) 本専門部会は、その調査審議に資するため、必要に応じ分科会を設けることができるものとする。

(解説)

 1 設置理由

(1) 原子カの開発利用において、原子炉施設の廃炉をどのように実施するかは、適正な施設の建設及び運転と同様に極めて重要な課題である。即ち、我が国最初の商業炉が1966年に運開したことを考えると今後10〜15年後には廃炉問題が現実化するものと予想される。

(2) 近年、原子力発電所の立地に関連して廃炉の問題が議論される傾向にあり、安全な廃炉の実施方法の確立の必要性等につき問題提起がなされている。

 また、欧米においても原子力発電に関連して廃炉への関心が高まり米国、英国、西独等は積極的にこの問題に取り組んでいる。

(3) このような廃炉をめぐる内外の情勢に鑑み、廃炉が現実の問題となるまでに現時点から、廃炉に関する諸問題を摘出しつつ廃炉問題取り組みへの基本的考え方を整理し、その考え方に則り、適切な廃炉対策(廃炉方式の選定、必要な技術開発、サイトの有効利用、廃棄物対策等)の確立を図ることが必要である。

 特に、廃炉技術については、内外の経験からその技術的見通しはついているものの、我が国により適した技術を確立する必要がある。この場合は、開発研究から実証試験まで含めると相当長期間を要するとみられることから、早急に廃炉技術確立のための技術開発計画の策定に着手する必要がある。

(4) 以上の見地に立って、我が国に適した廃炉対策の確立を図るため、原子力委員会の下に廃炉対策専門部会を設置し、本対策に係る重要事項を調査検討する必要がある。

 2 検討課題

(1) 廃炉対策に関する基本的事項
(2) 総合的な技術開発計画に関する事項
(3) その他必要な事項

 3 スケジュール等

(1) 来年8月までに報告をとりまとめることとする。

(2) 専門部会の調査、審議に当っては、専門部会の下に分科会を設置する。


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