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日独高温ガス炉協力について(高温ガス炉パネル第2回会合の開催)


1 経緯

(1)昭和49年10月「日独科学技術協力協定」が締結された。同協定では、原子炉安全研究等6分野が協力分野とされていたが、高温ガス炉は協力分野とされていなかった。

(2)昭和52年4月「第3回日独科学技術合同委員会」が東京で開催され、同委員会において、同協定第2条第2項(協力分野の追加)に基づき高温ガス炉分野が追加され、同時に同委員会の下に「高温ガス炉パネル」が設置された。また次の者がコーディネータに指名された。

日本側:科学技術庁原子力局技術振興課長 松井隆
西独側:研究技術省新型炉開発課長 ドイナート

(3)同年5月「高温ガス炉パネル第1回会合」がボンで開催された。同会合において、日本原子力研究所原研・ユーリッヒ研究所間で進めようとしている研究協力(交換書簡)を承認するとともに、両国間の高温ガス炉に関する施設訪問手続などを取決めた。

(4)同年10月原研・ユーリッヒ研究所間で「研究協力覚書」を締結した。

協力項目:炉物理、炉工学、燃料、黒鉛材料、金属材料、ヘリウム技術、中間熱交換器、安全性、部品、構造、設計基準の11項目
協力方法:情報交換、研究者派遣、施設訪問

2 第2回高温ガス炉パネルの開催

6月21日(水)東京において開催された。

(1)出席者
日本側…栗原 康(科学技術庁原子力局技術振興課長:日本側コーディネータ)

鍵本 潔(工業技術院研究開発官原子力製鉄担当)

武谷清昭(日本原子力研究所動力炉・安全性研究管理部長)ほか
西独側…ドイナート(研究技術省新型炉課長:西独側コーディネータ)

エンゲルマン(KFAユーリッヒ研究所理事)

ドワラック(同上高温ガス炉担当マネージャー)
(2)パネルでの討議結果

① 高温ガス炉開発分野に関する原研・ユーリッヒ協定(参考)について概ね合意に達し、今後日独それぞれの国内手続きを経て、今秋に調印する予定とした。

 なお、次の5分野について、原研及びユーリッヒの責任者を窓口として指名して、協力の具体化を図ることとした。

(イ)燃料等の照射実験
(ロ)耐震試験
(ハ)コンポーネント試験
(ニ)金属材料開発
(ホ)高温炉内計測技術開発

② 高温ガス炉の利用系の技術開発分野に関する工技院と西独との協力について、協力の枠組み等をコーディネータ間で検討することとした。

③ 第3回パネルは79年5月西独で開催する予定
(参考)原研・ユーリッヒ協定(原案)の概要
1 協力分野 高温ガス炉開発全般(炉物理、コンポーネント、燃料安全性等)
2 協力方法 情報交換、専門家会合、研究者派遣等
3 協定期間 署名時から発効、3年間
4 その他 損害賠償、費用負担等が規定されている。
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