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軽水型動力炉のECCS評価モデル変更の検討結果報告書



昭和53年5月23日
原子炉安全専門審査会
非常用炉心冷却設備に関する検討会

 まえがき

 軽水型動力炉における非常用炉心冷却系の機能と性能の評価に際しては、現在、GE社及びW社のECCS評価モデルを使用することが認められている。これらの評価モデルは、原子力委員会による「軽水型動力炉の非常用炉心冷却系の安全評価指針」の制定にともない、原子炉安全専門審査会において、同指針の「解析に当っての要求事項」の各項目に概ね適合していると結論されたものである。しかしながら、これらGE社及びW社の評価モデルの中には、その後解析手法を改良し、あるいはより詳細な実験によって検証を行うことが望ましいとされた点も若干含まれていた。さらに、現在に至るまでの実替及び理論解析の結果の蓄積に伴い、従来に比し、より精度の高い相関式なども開発されてきた。

 このような観点から、非常用炉心冷却設備に関する検討会は、その後における国内外の実験結果、理論解析等の成果をふまえたモデル変更の提案を検討し、その結論を得たので報告する。

 BWR ECCS評価モデル変更の概要

 Ⅰ 検討範囲

 現在採用されているBWR ECCS評価モデルは、ジェットポンプつき原子炉については、短期熱水力解析コード(LAMB)、長期熱水力解析コード(SAFE)、炉心過渡流動伝熱解析コード(SCAT)及び炉心ヒートアップ解析コード(CHASTE)よりなり、またジェットポンプなしの原子炉については、SAFE、CHASTE及びブローダウン中の炉心の熱伝達係数を与えるいわゆるドライアウトモデルよりなるものである。

 本検討会は、その後の研究開発状況とモデルの改良状況をふまえ、以下の4項目について技術的な検討を行った。

(1) CCFLモデル
(2) 低流量膜沸騰熱伝達係数
(3) 輻射熱伝達モデル
(4) 臨界流モデル

 さらにこれらモデルに関連する各解析コードについても検討した。

 Ⅱ 各モデルとコードの検討内容

(1) CCFLモデル

 CCFL効果に関しては、1974年秋にGE社による実験が行われ、その後科学技術庁委託により日立製作所が実験を行っている。

 いずれの実験も単一の実規模模擬燃料バンドルを用い下から蒸気を吹きこみ、上からの炉心スプレイ水の注入落下水量の状況を観測している。これらの実験においては、以下のようなパラメータがとられている。

① 注入蒸気流量
② スプレイ水流量
③ スプレイ水温度
④ 集合体出力
⑤ ジェットポンプ開度(日立実験のみ)
⑥ スプレイノズル高さ

 実験の結果はいずれも、下記に示すようないわゆるWallis型の式にまとめられている。


 ここで、Cは実験で得られた定数である。

 二つの式の値の相違は主として上部タイプレート部部での吹き上げ蒸気流量の評価法が異なるためであり、詳細な比較の結果、日立式の方がより妥当であることが明らかとなり、これによってCCFL効果を計算するモデルが提案された。

 今回の提案モデルは実炉心における多次元効果の可能性を今後に残すとはいえ、実験に基づく最新の知見によるもので、その採用は妥当であると考える。

 上記CCFL評価式を用いた再冠水速度はREFLD05コードにより解析される。このコードの特徴は上部プレナムにたまる炉心スプレイ水をすべて飽和水として扱い、CCFLのサブクーリング効果を無視している点で安全側の解析結果を示すことになる。また、発生蒸気量、構造物からの熱伝達等も安全側の仮定をしている。

 以上により、CCFL評価式及び再冠水解析コードREFLD05はともに妥当であると考える。

(2) 低流量膜沸騰熱伝達係数

 再循環配管の完全破断を含む大破断事故を想定した場合、炉心流量コーストダウン後、下部プレナムフラッシングまでのいわゆるウインドウ期間及び下部プレナムフラッシング後炉心露出に至るまでの期間は、炉心部がドライアウトした後に低流量膜沸騰の状態を仮定している。

 従来のモデルでは、この期間はそれぞれ蒸気単相を仮定したDougall-Rohsenow式及びEllionの式を使用してきた。

 今回の変更は、これに代って修正Bromleyの式を使用するものである。これは従来のEllionの式においては沸騰膜が層流状態で無限に発達すると仮定しているのに対し、水力学的不安定性の考え方から沸騰膜長さを定めるもので熱伝達係数hは以下の如く表わされる。


ここで、

H:水力学的不安定性から定まる沸騰膜長さ
R:輻射熱伝達係数

 これに対する実験データとしては以下のようなものが示されている。

① GE社の単一燃料棒試験
② BWR-BDHT実験
③ PWR-FLECHT実験
④ KWU社-再冠水実験

 この式の妥当性については、特に上記①、②の実験結果に対して実験装置、計測方法、精度等の詳細な審議が行われ、十分安全余裕のあることが示された。

 以上の結果、この修正Bromley式を評価モデルとして使用するのは、妥当であると考える。

 この修正Bromley式に基づく熱伝達係数はデータ・テーブルとしてCHAST05コードに入力される。

(3) 輻射熱伝達モデル

 現在の燃料バンドルヒートアップ計算においては、燃料棒間の輻射熱伝達に関して、バンドル内のある一本の燃料棒が破裂すると、全燃料に一様にふくらむと仮定していた。これはモデルとして簡便であるが、それだけ輻熱射伝達を厳しく見積ることになる。

 今回のモデルの改良(CHAST05)はこの輻射熱伝達をより詳細に計算し、実際の燃料棒毎のふくらみをそのつど反映させて計算するものである。従来からギャップ熱伝達漂、燃料棒内圧、被覆管内面酸化等は燃料棒毎に行っており、今回の改良によりすべて統一が取れることになる。

 以上からこの変更は計算モデルを詳細にしたものであり、妥当であると考える。

(4) 臨界流モデル

 破断口からの流出臨界流量に関して、現在の解析でまMoodyのスリップ流モデルを採用している。これは、破断口の出口でのクオリティが2%以上であれば、実験結果と照らしても、他の評価式と比較しても最も大きめの流量を見積るため、破断口面積をパラメータとして解析を行った場合に最も広い流量範囲の評価を行うことになるからである。

 これまでの評価から、破断流路の入口部で均質流を仮定して均質流モデルを適用すると流出流量の計算値が実験データに良く合い、出口部の条件に基づく場合には、スリップ流を仮定してスリップ流モデルを適用すれば、同様に実験に良く合うことが示されている。すなわち、入口から出口にかけてフローパターンが均質からスリップに変ることを示唆している。

 今回の変更は入口部での圧力とエンタルピに着目して均質流モデルを適用しようとするものであり、このモデルの妥当性については、国内、外の実験データとの比較がなされている。その結果これらの実験値のほとんどは均質流モデルによる計算値と一致するか又はそれを下回ることが示された。

 以上のことから均質臨界流モデルをLOCA/ECCS解析に使用することはさしつかえない。

 ただし、均質臨界流モデルを採用する場合には、従来のMoodyのモデルに比して、解析すべき流量範囲がせまくなるので、これによってECCS性能評価に対する安全余裕が不当に小さくならないように、適用に当っては注意が必要であると考える。

 この均質臨界流モデルはLAMB02及びSAFE03コードにテーブルの形で組込まれている。

(5) 解析コードについて

 上記の各モデルの採用により、新たにREFLD05コードが追加され、またその他のコードにも関連する修正がなされている。これらの修正については、各関連箇所で述べた通り、妥当なものと認める。この他にCHAST05、及びSAFE03に若干の修正が提案されている。

 CHAST05では燃料棒内のノード分けに関して変更がなされている。これは従来の計算モデルをより詳細にしているものであり、特に問題はなく、妥当であると考える。

 SAFE03は計算モデルとしての変更はなく、従来の出力値をREFLD05の入力値として使用するためカードで出力できるように変更したものであり、特に問題ないと考える。

(6) その他
 以上のECCSの評価モデルの変更は主としてジェットポンプ付きのBWRについてなされたものであるが、ジェットポンプなしのBWRについても同様の変更項目
① CCFLモデル
② 輻射熱伝達モデル
③ 臨界流モデル
について検討を行った。さらにジェットポンプなしBWR特有の変更点として
④ ドライアウト後の熱伝達係数の修正、適用範囲の限定
⑤ Ellionの式の採用
⑥ 中小破断解析モデルへのドライアウトモデルの適用

 について検討した。

 上記変更内容のうち①、②、③についてはジェットポンプ付のBWRと基本的に同じであるが、ジェットポンプなしの原子炉では、破断口径が非常に小さい場合を除いて再冠水は起こらないので、CCFLによる実質的な影響はないと考えられる。

 ドライアウト後の熱伝達係数の修正は、その相関式を従来使用していたホットチャンネルの平均表面熱流束の代りに、ホット・ノードの表面熱流束を用いて表わしたものであり、軸方向ピーキング係数の効果が考慮されている。今回の変更はホット・ノードについて被覆管最高温度を評価するという観点から妥当なものと考える。

 また、ドライアウト相関式の適用は実験的に確認された範囲内に混定されており、その後の最高出力ノード露出までの期間についても、すでにジェットポンプ付きBWRで認められたEllionのプール膜沸騰伝達係数を使用することは、特に問題がないと考える。

 なお、今回の新モデルでは、中小破断に対しても大破断と同じモデルを用いているが、これは中小破断の場合のドライアウト時間及びドライアウト後の熱伝達係数をさらに厳しく評価するモデルとなっており、特に問題はないと考える。

PWR ECCS評価モデル変更の概要

 Ⅰ 検討範囲

 現在採用されているUHIなしPWRのECCS評価モデルは、ブローダウン解析コード(SATAN-Ⅵ)、炉心再冠水解析コード(WREFLOOD)、格納容器内圧解析コード(COCO)、燃料温度分布解析コード(LOCTA-Ⅳ)よりなるものである。

 本検討会は、その後の研究開発状況とモデルの改良状況をふまえ、以下の7項目について技術的検討を行った。

(1) 燃料棒間熱輻射
(2) 蓄圧器注入点での再冠水時圧損
(3) 被覆管破裂の判定
(4) Hot Wall Delay
(5) 再冠水時の蒸気冷却モデル
(6) 17×17炉心 FLECHT相関式
(7) 原子炉容器頂部温度条件

 さらに、これらモデルに関連する各解析コードについても検討した。

 Ⅱ 各モデルとコードの検討内容

(1) 燃料棒間熱輻射

 従来のモデルは、全期間にわたり燃料棒間熱輻射を考慮し得るものであった。しかしながら、燃料棒間に冷却材が存在する場合には、それによる燃料棒間熱幅射に対する遮へい効果が考えられ、より複雑な熱伝達現象となる。提案されたモデルでは、ブローダウン中及び再冠水時蒸気冷却時には、冷却材により完全に燃料棒間熱輻射が遮へいされるとして燃料棒間熱輻射による熱伝達を考慮しないこととしている。リフィル時には従来通りこの熱伝達が考慮される。

 この変更は、従来のモデルに比べてより厳密であり、評価モデルとしては妥当であると考える。

(2) 蓄圧器注入点での再冠水時圧損

 密圧器注水中における注入点での高温流体と蓄圧器からの注入水の相互作用の結果として考慮されるべき効果は、注入水による高温流体の凝縮の結果としての下流側での流れの状態の変化、及び高温流体、注入水間での運動量交換効果である。

 前者については、従来より考慮されており変更はないが、後者による注入点での圧損の評価方法について以下の変更が提案された。

 従来、注入点での圧損の評価方法は、直角ノズル、傾斜ノズルについて、W社実験から得られた圧力損失値の上限を包含する形で、注入流量対圧損係数の相関式を決定し、WREFLOOD-COCOコードにおいて、当該流路の圧損係数をこの分だけ増加していた。

 しかしながら、この相関式では主としてCE社が行ったSteam-Water Mixing実験でのすべての実験データを包含出来ないため、注入点での圧損を、直角ノズルの場合1.8psi、45°傾斜ノズルの場合0.6psiとして評価することが提案された。

 この提案によれば、注入点での圧損が実験データを包含するように評価されることとなり、評価モデルとして妥当であると考える。

(3) 被覆管破裂の判定

 被覆管破裂の判定モデルにつき以下の2点の変更が提案された。

① 変形量による判定の削除

 従来のモデルでは被覆管破裂の判定の1つとして“被覆管のふくれがある閾値を越えた場合”という判定があった。しかしながら、その閾値の実験的裏付けが必らずしも十分でないことにより、判定条件から削除された。評価モデルとしては、十分な実験的裏付けが必要であり、今回の変更は、評価モデルの立場として妥当なものである。

② 破裂温度-差圧相関の変更

 W社ではその後、より新しい実験結果を集積するとともに実験方法の見直しが行われ、破裂温度に影響する以下の2点の実験的事実が明らかとなった。

被覆管外面に取り付けられた熱電対は空気あるいは蒸気の対流の効果により実際の被覆管温度より低い値を指示する。

被覆管内のアルミナペレットの偏心により被覆管に内周方向の温度分布が存在し、必らずしも熱電対が最高温度の位置に存在しない。

 これらの実験的事実の破裂温度に与える影響を実験的及び解析的に評価し実験結果を整理し直して、相関式が新たに作成され、これを評価モデルに採用することが提案された。

 この新相関式を用いる評価モデルは、より新しくかつより厳密な精度の高い実験結果に基づいており、従って今回の変更は妥当なものであると考える。

(4) Hot Wall Delay

 蓄圧器注入水の炉心バイパス終了後、注入水が注入点から原子炉圧力容器下部に到達する迄の時間遅れとしては、配管での伝達遅れ、ダウンカマ部において高温壁の影響による注入水の滞溜時間(Hot Wall Delay Time)及び下部プレナムへの自由落下時間が考えられるが、このうち、Hot Wall Delay時間の評価方法を以下のように変更することが提案された。

 従来は上記3つの時間遅れと合計を一定値として評価していたが、Hot Wall Delayについては情報は少ないながら、ROSA、LOFT、CREARE等での実験結果が蓄積されたことにより、この内CREAREのデータを基にHot Wall Delay時間を、ダウンカマ部長さ、ギャップ巾、壁温及び水温の関数として評価する相関式が開発された。

 本相関式については、種々のデータとの比較検討が行われておりHot Wall Delay時間の評価モデルとして妥当であると考える。

(5) 再冠水時の蒸気冷却モデル

 再冠水時において再冠水速度が2.6㎝/secより小さい場合には、蒸気のみによる冷却とすることが評価指針で要求されている。

 従来のモデルでは、蒸気冷却という物理的プロセスに忠実にモデルであった。しかしながら、FLECHT熱伝達と比較して従来のモデルでは必らずしも結果が厳しくなる評価がなされていない場合があった。

 今回提案された蒸気冷却モデルでは、蒸気冷却という流体力学的及び熱的メカニズムを前提とし、かつFLECHTのデータを参照して十分結果が厳しくなるよう熱伝達に影響する中間パラメータ(冷却材流量、蒸気過熱度、炉心水位、熱伝達係数)に注目し種々の補正がなされ、モデルの組み立てが行われている。変更点は以下の通りである。

① 熱伝達係数の算出に補正された流量を用いる。

② 蒸気の局所過熱度を算出する炉心水位をFLECHT実験データに基づいて、WREFLOODコードで予測されたものを補正して使用する。

③ 以上の補正に加え、最終的にFLECHTデータと比較して、十分結果が厳しくなるように熱伝達係数の補正を行う。

④ 燃料棒変形による流路閉塞による蒸気流量再分布についてはTHINC-Ⅳモデルにより評価した分布を用いる。

 ①~③はFLECHT実験データと比較して結果が厳しくなるようになされた変更である。一方④は、THINC-Ⅳモデルによってより現実的に評価を行うためになされた変更である。

 この変更された蒸気冷却モデルでは、FLECHT相関式と比較して結果が厳しく、かつ燃料棒変形による流路閉塞がペナルティとなるような結果を与える。したがって、低再冠水速度において、蒸気冷却を要求している評価指針の趣旨は満足していると考える。現時点の知見からすれば、この変更されたモデルは妥当であると判断する。

(6) 17×17炉心FLECHT相関式

 従来17×17炉心に対するFLECHT実験は行われていなかったので15×15FLECHT相関式を外挿することにより17×17炉心のFLECHT熱伝達係数を評価していた。その後、W社で17×17炉心に対するFLECHT実験が行われ、その実験結果に基づいて、17×17FLECHT相関式が作成された。今回の提案は、17×17炉心に対してはこの新たに作成されたFLECHT相関式を適用しようとするものである。

 このモデルの変更は、17×17炉心での新しい実験結果に基づいたものであり、より厳密な評価がなされた評価モデルとして妥当であると考える。

(7) 原子炉容器頂部温度条件

 従来、原子炉容器頂部の冷却材温度は、低温配管側の冷却材温度に等しいとして評価していた。ところが、W社の模型実験、実機による測定結果及び解析によると、中央部の制御棒クラスタ案内管では、上部炉心プレナム部から逆に原子炉容器頂部に冷却材が流れ込む現象のあることが判明した。したがって、原子炉容器頂部の冷却材温度は、このために低温配管側の冷却材温度よりも高い温度になる。

 原子炉容器頂部からのフラッシングによる冷却材の上部炉心プレナム部への流入状態をみるとき、原子炉容器頂部温度を高くした場合には、炉心流れが正流ないし停滞している時期にフラッシングが起るようになり、この時期の上向きの炉心流を抑制する方向に作用する。

 さらに、炉心流れが、逆流に移行する時期には、原子炉容器頂部は空の状態に近ずき、炉心流れが逆流になった時には、この逆流に寄与していた原子炉容器頂部からの冷却材がなくなり、炉心流れの絶対量が減少する結果をもたらす。これらのために、ブローダウン期間での炉心流の絶対量の減少は、さらに流量減少による炉心クオリティの増加とあいまって、燃料棒からの除熱効果の悪化をもたらし、被覆管最高温度の上昇をもたらす可能性がある。

 現在までの解析結果によれば、原子炉容器頂部温度が高温配管側冷却材温度に等しい時に、被覆管最高温度が最も上昇することが判明している。従って、原子炉容器頂部の測定などによって、この部分の温度を明確に示すことができない場合には、原子炉容器頂部温度が高温配管側冷却材温度に等しいと仮定することが妥当であると考える。

(8) 解析コードについて

 上記モデルの変更に関連する解析コードは、SATAN-Ⅵ、WREFLOOD-COCO、LOCTA-Ⅳである。

 SATAN-Ⅵでは被覆管破裂の判定を行うサブルーチンで破裂温度-差圧の相関式が変更点である。

 WREFLOOD-COCOでは、Steam-Water Mixingによる圧損を評価するサブルーチンで圧損評価式が変更され、また、Hot Wall DelayをCREAREによる相関式に基づいて計算するためのサブルーチンが追加されている。

 LOCTA-Ⅳでは、燃料棒間熱輻射を計算するロジックの変更、SATAN-Ⅵと同様な被覆管の破裂温度-差圧の相関式の変更、再冠水時蒸気冷却の計算ロジックの追加と計算式の修正及びFLECHT相関式を計算するサブルーチンに17×17FLECHT相関式の追加が行われている。

 以上の変更の内容は、妥当なものと判断する。


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