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INFCE第4作業部会東京会合について



〔日時〕昭和53年5月15日〜19日


〔場所〕外務省会議室

〔参加国〕20カ国、3国際機関
     外にオブザーバー1カ国

(1) 先進国:豪、ベルギー、カナダ、フランス、西独、イタリア、日本、オランダ、スペイン、スエーデン、スイス、英国、米国
(2) 発展途上国:インド、韓国、メキシコ、パキスタン、ナイジェリア
(3) 東欧:東独、ルーマニア
(4) 国際機関:IAEA、CEC、OECD−NEA
(5) オブザーバー:トルコ

〔日本側出席者〕
 田宮議長(原子力委員会参与)
 中村代表(動燃理事)
他 計10名

〔会合での検討内容〕

(1) サブ・グループA(再処理問題)

(a) 今回会合の目的

 今回会合では、プルトニウム単体抽出法による再処理技術を使用した場合の検討を行うための基礎資料やモデル・プラントを討議することが目的であった。

(b) 基礎資料の討議

 OECD−NEAで行った再処理需要等に関する報告書や再処理需要、再処理施設建設計画に関する質問表の各国回答を編集したものが提出され、検討された。

(c) 再処理モデル・プラントの設定

 プルトニウム単体抽出法による再処理のモデル・プラントに関する資料が西独、日本より提出された。

 西独資料は、4t/dayの規模であり、燃料加工施設等とのコ・ロケーションを考えたものである。この資料について、メインテナンス、コスト、規模、コ・ロケーション等の項目に各国からコメントが出された。西独はこのコメントを受けて、次回会合までに修正を行うことになった。

 日本から提出した資料は、5t/dayの規模であり、コ・ロケーションを考慮したものである。この資料は当日会合の席上で配布されたため、討議は次回行われることになった。

(2) サブ・グループB(プルトニウム利用問題)

(a) 今回会合の目的

 今回会合では、現在の技術によるプルトニウム利用の検討を行うための基礎資料や貯蔵、輸送、原子炉のモデル・ケース、加工のモデル・プラントを討議することが目的であった。

(b) 基礎資料の討議

 プルトニウム利用に関する各国の考え方、プルトニウムの転換、加工に関する計画、プルトニウム利用の必要量等に関しての質問表の回答を編集したものが提出された。

 また、T.S.より、プルトニウム・リサイクルの経済性を評価するためのコスト・データ(例えば天然ウラン価格、再処理、転換、濃縮等の料金)が提出された。

(c) モデル・ケース等の設定

 貯蔵(西独、仏)、輸送(CEC)、原子炉(日本)のモデル・ケースや加工(ベルギー)のモデル・プラントに関して資料が提出された。その結果、各国からのコメントを入れた修正版を次回に提出し、再度検討を行うことになった。

 なお、原子炉のモデル・ケースとして軽水炉を考えて評価を行うことになっているが、我が国は最近臨界となった「ふげん」の開発成果等に基き、軽水炉の代替炉としてATRでプルトニウム・リサイクルした場合の資料を次回に提出することを発言した。

(3) 第4作業部会全体会合

 6月中旬に開催されるT.C.C.(技術調整委員会)へ、第4作業部会として提出する中間報告書について討議が行われた。

 今回の中間報告書は、現在までの検討状況に鑑み、単に事実関係を列記したにとどまっており、問題なく承認された。

〔次回会合〕

 次回のサブ・グループ会合は下記の日程によりウィーンで開催される。

9月18、19日 サブ・グループA
9月20、21日 サブ・グループB

〔今回会合の成果と今後のスケジュール〕

 今回の東京会合においては、既存技術による再処理技術、プルトニウム利用技術の評価のための基礎的なデータ及びモデル・ケースの検討が主目的であった。

 今回の会合の結果、一部モデル・ケースの設定が、次回に課題として残されたものの、評価のための基礎的なデータが確認され、次回から本格的な評価作業に着手できることとなった。

 今後のスケジュールとしては、既存の技術の評価作業を次回9月から開始し、次いでコ・プロセス法等の代替技術の評価、再処理のリージョナル・センターやプルトニウム国際管理等の制度的代替案の評価を順次行っていくことになる。

(以上)

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