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動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設の一部変更に係る安全性について(答申)


51原委第717号
昭和51年7月27日

内閣総理大臣 殿
原子力委員会委員長

 昭和51年6月18日付け51安(核規)第517号をもって諮問のあった標記の件については、下記のとおり答申する。



 動力炉・核燃料開発事業団が設置する再処理施設に係る安全性に関し、同事業団が提出した「再処理施設の一部変更に係る安全性に関する書類」(昭和51年6月12日付け提出)に基づいて審査した結果、別添の核燃料安全専門審査会の報告書のとおり、安全上支障がないものと認める。


(別添)

昭和51年7月26日
原子力委員会
委員長 佐々木義武 殿
核燃料安全専門審査会
会長 山本 寛

動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設の一部変更に係る安全性について

 本審査会は、昭和51年6月22日付け51原委第563号をもって審査を求められた標記の件について、結論を得たので報告します。


 Ⅰ 審査の結果

 動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設の一部変更に関し、同事業団が提出した「再処理施設の一部変更に係る安全性に関する書類」(昭和51年6月12日付け提出)に基づいて審査した結果、「Ⅲ 審査の内容」に示すとおり本再処理施設の一部変更に係る安全性は、十分確保し得るものと認める。


 Ⅱ 変更の内容

 本再処理施設に係る一部変更の概要は、次のとおりである。


1. 脱硝工程の一部変更

 本工程において、硝酸ウラニル晶出による配管の閉塞防止をより確実に行うとともに、本工程の運転の円滑化を図るため、第2段ウラン溶液蒸発缶の液抜きを回分式から連続式にし、それに伴い同蒸発缶の制御方式を変更する。また、硝酸ウラニルの循環配管を設置する。


2. 中放射性の液体廃棄物の処理系の一部変更

 中放射性の液体廃棄物の処理系の性能向上を図るため、酸回収蒸発缶で発生した蒸気中の飛沫をさらに除去するデミスタを酸回収蒸発缶と酸回収精留塔の間に設置する。


 Ⅲ 審査の内容

1. 脱硝工程の一部変更

 本変更は、脱硝工程の運転の円滑化等を図る上で適切なものとなっている。

 また、配管はB類として耐震設計が行われ、循環配管系については、配管の直径が全濃度安全形状寸法より小さいので、臨界防止上問題となる点はない。


2. 中放射性の液体廃棄物の処理系の一部変更

 本変更は、中放射性の液体廃棄物の処理系の性能向上を図る上で適切なものとなっている。

 また、デミスタはB類として耐震設計が行われ、放射線しゃへいについては、放射性の液体が存在するデミスタ及び配管の一部はしゃへいに必要な厚みを有する鉛で囲まれることとなっている。


 Ⅳ 審査の経過

 本審査会は、昭和51年6月28日の再処理部会において審査し、同日決定した部会報告書に基づき、昭和51年7月26日の第2回審査会において審査を行い、本報告書を決定した。

 なお、同部会の委員は次のとおりである。


部会委員
(部会長)高島洋一東京工業大学

青地哲男日本原子力研究所

伊沢正実放射線医学総合研究所

市川龍資放射線医学総合研究所

伊藤直次日本原子力研究所

稲垣道夫金属材料技術研究所

清瀬量平東京大学

坂上治郎お茶の水女子大学名誉教授

左合正雄東京都立大学

鈴木正敏金属材料技術研究所

内藤奎爾名古屋大学

林 正夫電力中央研究所

日野幹雄東京工業大学

藤井正一芝浦工業大学

益子洋一郎東京工業試験所


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